第一節 生誕
「ジリリリリリリリリリリ!!」
「!?」
驚く主人公。警報が鳴り響く。
「皆さん、逃げて下さい!」
尾坦子が息を切らしてデイケアルームに登場した。
尾坦子ナース、主人公が入院している精神病棟で務めているナースである。グラマラスでおっちょこちょいな性格から、入院患者からの(主に男性)人気は高い。
尾坦子は続けて言う。
「奴らが! ゾムビーが! この病院に!!」
「尾坦子さん、院内は走っちゃいけないって……」
「ツトム君、今はそれどころではないの!! ゾムビー達が西側入り口から侵入してきたの!! ここは一階だからすぐに奴らに襲われるわ!」
「ゾムビー!? あの、ニュースで有名の?」
驚く主人公。
「兎に角! 皆さん、ここにいては危険です! 早く南の出入り口へ行って非難……」
「ブシュウウゥゥウウ‼」
尾坦子がそう勧告するのもつかの間、デイケアルームの壁が溶け出す。
「を……」
そこには、8体のゾムビー達がぞろぞろと不気味に姿を現して来ていた。
「!? あれが……ゾムビー……」
初めてゾムビーを目の当たりにし、恐怖を感じる主人公。なんやかんやで椅子に躓く患者A、こけてしまう。不気味なうめき声を上げながら、患者Aにゾムビー達が忍び寄る。
「ゾム……ゾム……!!」
「うわぁああ‼ 来るなぁああ!!!!」
手を振り回し、ゾムビーを追い払おうとする患者A。
しかし、
「バシュッ」
「え?」
「バッシャァァアア!!」
ゾムビーの体液は、主人公の顔面に盛大に降り掛かった。
主人公ツトムゾムビー、生誕!!!!