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時憶課 ~Time Memory~ 今日も時の記憶が宙を舞う  作者: 七之七


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34/56

時の記憶編35

「だし巻き濃厚で美味しいね」

「キャビアの軍艦巻き初めて食べましたけど、美味しいですね」

 ゴクゴク

 あーお酒が進みます。

「マスターお酒おかわり」

「はいよ」

 こぽこぽこぽ

「お酒は、わらくね」

 ぐびぐび

「うーん美味しい」

「お待ちどう様、次はお椀です」

「ナナさんいつもありがとね」

「ママ今日はごめんね、二人って言ったのに、仕込み増やしちゃって」

「いいわよふふふ」

「・・・・」×2

 あーあ、あの時私が「私も行って良いですか」ってナナさんに連絡すれば良かったなぁー。

 後悔先に立たずである。

 パカ

「う~ん良い匂い」

「今日は、百合根と人参のしんじょうに蓮根の素揚げゆずを添えてです。」

「紅白鮮やかだね」

「赤は京都の金時人参で、白は北海道の真狩百合根、蓮根は徳島産ね」

「ほくほくして美味しいね」

「今日の野菜は、そのままで美味しかったから、つなぎしか入れて無いよ」

「やさしい味で美味しいです」

「ナナさん次でしめね、何にする?」

 あれ!?今日は、しめ早いな、いつもだと後二品くらい出るのにな、残念だな。

「フクちゃん何がいい?ご飯か麺か何でもいいよ」

「何でもいいのですか?」

「はいよ、食べたいの言ってね」

「・・・それじゃあ、パスタがいいです」

「パスタね、はいよ」

 ガタガタ

「マスターご馳走さま」

「荒川さん、いつもありがとね」

「なっちゃんまたね」

「おやすみなさい」

 カランカラン、バタン

 何パスタかな?今日は、卵デーだから、たらこパスタかな?

「ナナさん今日は、しめ早いですね」

「そうだな、もう一軒付き合え」

「おー、どんなお店ですか?」

「お前も学習しないな、行ってのお楽しみだ」

「・・・そうでしたね」

「ナナさん、いつものエッチなお店行くの?」

「いつもって言うのやめてよママ、フクちゃんも居るんだから」

 ・・・残念、ちょっと期待してしまった。

「フクちゃんも大丈夫?エッチなお店じゃないからね」

「・・・行きますよ」

 ぐつぐつと、パスタを茹でる良い匂いがする。

 カタカタと炒めるオリーブオイルの良い匂いが、鼻をくすぐる。

「はいおまち、あさりのあっさりパスタね」

「ははは、マスター今日は卵押しかと思ったら、あっさりとかわされたよ」

「はははは」×2

「・・・」×3

「今日のあさりは、浜名湖産ね、美味しいよー、味付けは、シンプルに塩とお酒ね」

「う~ん美味しい」×3

 お酒とあさりの旨味が絡み合って、ぷりっとした食感がたまらない。

 クルクル一とあっさり完食。

「ごちそうさまでした」×3

 ガタガタ

「いつもありがとね」

「また来ます」

 カランカラン、バタン

「ナナさん、今日も美味しいでしたね」

「正義だったな」

「ナナさん、ごちそうさまでした」

「どういたしまして」

「ナナさん、次の場所は遠いのですか?」

「すぐそこだよ、歩いて5分位かな」

 テクテクテクと歩道が狭いので、一列になって無言で歩いていたら、一軒の民家の様な所で、ナナさんが立ち止まった。

 表札には、葉会?はあう?と書いてある、なんのお店だろう?

「ナナさん、ここですか?」

 ピンポ~ン・・・どっちのだよ!

 ガチャ

「いらっしゃいませ、どうぞお入り下さい」

 お店の中へ入ると、10人位座れるカウンターとソファーに大きなデーブルがあった、カウンターに二人座っていた。

「ナナさんここは?」

「バーだよ、表札にも書いてあっただろ」

「葉会?ばあって読むんですね」

「ナナさん、何か甘い香りがしますね」

「葉巻の香りだね、ここはシガーバーだよ、葉に会うと書いてるだろ」

「なるほど」

 カウンターのゆったりとしたソファーに腰掛けた。

「いらっしゃいませ、何になさいますか?」

「いつもの」

「僕はターキーロックで」

「13年ですがよろしいでしょうか」

「・・・ははい」

 ナナさんがクスっと笑った、違い分かるの?って顔だな。

「まーちゃんも人が悪いなー8年でいいじゃん」

「いえ、なっちゃんさんのお連れの方に失礼が無い様にと思いまして」

 ナナさんは、ここでもなっちゃんなんだな。

「私は、ジンライムお願いします」

「かしこまりました」

 すると店員さんが、ナナさんの前に箱の様な物を置いた。

「どうぞ」

 ナナさんが、かっぱと箱を開けると葉巻が入っていた。

「お前もやるか?」

「いえ、僕はいいです」

「ナナさん葉巻なんてふかすのですね」

「たまにな、ここでだけだけどな」

 カチャ、ジュボと葉巻に火をつけた。

「ナナさんタバコ吸っても大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ」

 店員さんが、スッと二人に灰皿を出した。

 なぜか、ナナさんが、葉巻をふかす姿を見て懐かしく思えてしまった。

 カチッ

「ふー-」

「意外だなー、フクさんも吸うんですね」

「私は、あまり吸わないけど、なんか吸いたくなっちゃった」

 カツッカツッと氷を慣れた手付きで割っている。

「おまちどうさまです」

 カランと氷の音がした。

「ナナさん良く来るんですか?」

「たまにな」

 ナナさんのたまには、あてにならないからなー。

 店員さんが、キュッポと丸い筒を開け、白いお皿の上にカランカランと、色とりどりのチョコレートをナナさんに出した。

 チープだなーなんて思っていたら。

「これが良いんだよ」

 ナナさんに見透かされてしまった。

「お前は、まーちゃんあれ出して」

「はい、かしこまりました」

 スススと僕の前に、小さな箱が出て来た。

「なんですかこれ!?」

 紺色の箱にココアシガレットと書いてあった。

「ははは、お前だけ吸って無いのもかっこつかないだろ」

「・・・では、吸わせて頂きます」

 はっかぽい味とチョコの味が混ざって微妙な味がした。

 クククとフクさんが、笑いをこらえていた。

「じゃフクちゃんには、ナッツ盛り合わせね」

 あー僕もナッツが良かったよ。

「ハーレムさんも一緒にどうぞ」

 流石フクさんです。

「ありがとうございます」

「注文すればいいだろ」

「だって、ナナさんの行く店は、殆どメニュー見た事無いから・・・」

「ははは、それもそうだな」

「そうだ、来週から二人、時憶課に来るらしいぞ」

「えっ!!」×2

「新人さんですか?」

「さ・あ・な」

「ナナさん知ってるんでしょ、教えて下さいよ」

「おたのしみだね」

「もーまたですか」

「楽しみですねー」

 おたのしみとお酒の美味しい夜は、カランカランと氷の鐘で、夜も更けて行くのでした。










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