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時憶課 ~Time Memory~ 今日も時の記憶が宙を舞う  作者: 七之七


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時の記憶編33

「おはようさん、ハーレム」

「あ!おはようございます」

「健やかにしてたか」

「はい」

「ナナさん、心配してたんですよ、何かあったんですか?」

「いや、特に何も無い」

「そうですか・・・」

 何かあってもここで話す訳ないよな、ナナさんの事だし。

「ナナさん、おはようございます」

「おー久しぶりせんちゃん」

「ハーレムさんもお久しぶりです」

「おお久しぶりです千ちゃん、びっくりしましたよ」

「千ちゃん今日から出社かい?」

「はい、お陰様で、ようやく出社出来ました」

「よかったですね」

「随分と休んでしまって、ナナさんには、ご迷惑ばかりお掛けしてしまって、大変申し訳ございませんでした」

「大丈夫だよ、気にしないでよ」

「そう言って頂けると少し気が楽になります」

 千ちゃんとは、僕と同じ年ですが入社は一年先輩です、何故長期休暇をしていたかというと、女性なのですが登山が趣味で、一人でどんどん登って行ってしまう人なのです。

 千ちゃんが、いつものように一人で登山の出掛けた時、ある山で滑落してしまって、意識不明の状態だったらしいのですが、会社の通信機で救援信号を送ったらしく、早期に発見され一命を取り止める事ができたのです。

 本人も緊急通信を、送った事も覚えていないみたいで、滑落した時には、もう駄目だと思ったと、また山にのぼりたいと、奇跡的に意識が回復した病院のベット上で、言っていた姿にとても驚いたのを覚えています。

 その後、リハビリや検査やなんやかんやで、結局一年半も会社を休む事になってしたった。

 後で千ちゃんに「よく一年半も休ませて貰えましたね」って聞いた時のことです。

 私もね「ご迷惑をお掛けしますので、退職させて下さい」って、お見舞いに来た課長に言ったの、そうしたら課長がね「千の地区を代わりに俺が担当して、きっちり千にノルマ付けるから、絶対に千を辞めさせないでれ」とナナさんが言ったらしくてね、課長は「分かった」と一言返事をしたって言ってたの。

 と言っていた。

 だから、一所懸命にリハビリも出来たって言っていた。

 ナナさんの事だから、ノルマもちゃんと達成していただろうけど、会議の結果さすがに現状維持はまずいだろうと言う事になってしまい、滑落した時に千丈ケ岳という山に登っていたこともあって、

No1000(千ちゃん)になってしまったとさ。

 ナンバーの付け方は、僕的には意味不明ですが、多分ナナさん提案だと思います。

「はーい、ミーティング始めますよ」


 ズズズズ ズズズズ ズズズズ ズズズズ

 すでにお昼です、今日は久しぶりにそばをすすっています。

 ナナさん、フクさん、千ちゃん、僕ですすっています。

「ナナさん、本当にありがとうございました」

「いーよ何度も、気にしないでよ、今辞めたらもったいないだろ」

「よーよね、もったりなりわよ」

「フクさん、食べながらしゃべらないで下さいよ」

 そうなんです、千ちゃんは、行動もアクティブですが、ノルマも優秀で会社を休む前までは、その時のフクさんよりちょっと上位でNo217のニーナちゃんと呼ばれていた。

 ズズズズズ

「でも知らなかったですよ、ナナさんが千ちゃんの地区担当していたなんて」

「お前なー、朝のミーティング何聞いてんだよ」

「え!?」

「そーよハーレムさん、千かっこナナかっこ閉じるって、いつも課長言ってるじゃない」

「え!!?」

「えビックリじゃないよ、自分の番が過ぎたら人の事聞いて無いだろ」

「そ、そんな事は・・・」

 ズズズズ

「そねにですね、早く復帰出来るようにって、退院二週間前頃からナナさん病院に毎日来てくれて、システムの変更ヶ所とかアップグレードの事とか、AIのバージョンアップとか操作方法の変更とかとか色々教えてもらったんです」

「えー、だから出社して来なかったんですか、教えてくれれば僕も何かお手伝い出来たのに」

「ノルマがなー」

「ノルマがねー」

「・・・」

「お前の担当変更もあったし、早く復帰してもらいたくてな、さすがに3地区はきつい」

 こぽこぽこぽ、ナナさんは、そば湯をぐびぐびと飲み込んだ。

「ナナさんは、私のAIセバスチャンで作業していてくれたから、セバスチャンにも色々教えてくれて、今日復帰したばかりなのに凄く作業やりやすかったよ」

「そんな事もできるんですか!」

「しかしなー、みっちゃんとセバスが、仲良くなりすぎちゃって大変だったぞ、ご飯食べに行く約束とか、飲みに行く約束とかしててよ」

「えー-!!そんな事できるんですかー!!」

「声大きいよ」

「すみません」

「お前達知らされて無いのかな?仮想空間にみんなアバタ作ってるぞ」

「えええー-!!」×3

「じゃあ内の雨音さんとかも、アバタあるんですか!?」

 ぐびぐび

「さーな、聞いてみれば」

「私の兄貴もですか!」

 そうなんです、フクさんは任侠映画が大好きで、AIを兄貴と呼んでいます。

「嘘だよ、うそ、はははは」

「もーナナさん、変な嘘をつかないで下さいよー」

「本当ですよ、ナナさんが言うと嘘に聞こえないのですから」

 でも、本当に嘘なのだろうかと思ってしまう、よく考えれば情報交換なんて当たり前の事だし、僕たち下っ端に知らされてないだけで、リアルなのではないだろうか・・・。

「そろそろ行くか」

「ごちそうさまでした」×4


 ガチャ、バタン

「お昼は、何をご馳走になったのですか」

「そばですよ、いつものお店です」

「美味しかったですか?私はラーメンを頂きました」

「いつも美味しいよあのお・・・って、雨音さんラーメン食べれるの!!」

「ふふふ冗談ですよ、ハーレムさんが、いつも満足そうに帰って来られるものですからつい」

「もーびっくりさせないでよ」

「はいはい」

 何か昼のナナさん話の後だけに、妙にリアルに感じてしまった。

 kopokopokopo

「さあ準備OK、始めましょうか」

「了解しました」

「SK-E地区に強い反応があります」

「ページ開いて」


「Fuー雨音さんお疲れ様、ちょっと遅くなっちゃね」

「お疲れ様でした」

「なんとか今日のノルマは、クリア出来ましたね」

「良かったよ、お昼馬鹿にされたからね」

 でも・・・、いつもの事ながらノルマがクリア出来るって事は、それだけ亡くなってる人もたくさんいるって事だし、なんか複雑な気もするな。

「じゃまた明日」

「あしたまにあーな」

「何それ?」

「なんとなくです」

「・・・」

 ガチャ、バタン

 いつも思うのだけれど、僕たちがメモしてない時のリメモリーは、どうなってしまっているのだろうか?時の空間を彷徨っているのだろうか?僕には当然分からないや。

 ナナさんに聞いてみようかな、ナナさんもう終わってるだろから、晩御飯をごちになりながら、聞いてみようかな。

 プププ

「ナナさんですか、もう仕事終わりました?」

「何だハーレムか、カツアゲか?」

「何だはないでしょう、可愛い後輩じゃなですか、カツアゲでもないです、ナナさんに聞きたい事がありまして」

「いつもの居酒屋さんに居るよ」

 プッ

「はいわ・・・」

 いつも切るの早いなー。

「でもやった、今日の美味しいは何だろうなフヒ」

 その時、今日の美味しいに頭の中が一杯で、僕の肩に手を伸ばしている人がいる事に、全く気が付かなかった。










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