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時憶課 ~Time Memory~ 今日も時の記憶が宙を舞う  作者: 七之七


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時の記憶編30

「おはようございます」

「ハーレムか、おはようさん」

 ナナさんは、カフェでエスプレッソを極甘にして飲んでいた、僕は炭酸入りリンゴジュースを注文した、読み方は良く分からない。

 朝食は、各自カフェに行って食べたり、部屋に運んでもらったりしている。

 昼食は、会場の隣の部屋にビュッフェが用意されており、談笑しながら参加者全員で食べている。

 ナナさんは、色々な人に話しかけられたり話かけたりしているけど、僕は以前、唯一会った事のあるNo2さんに「元気にしてるかい」、「はい」と答えたくらいで、皆さん僕にはあまり興味が無いようで、話かける勇気もありません。

 お昼休憩は、2時間あって、9時から18時までお昼休憩のみです。

 9時から18時までは、外室退室一切禁止で、通信機も持ち込み不可です。

 今日は、すでに会議3日目で、特に何事も無くここまで進んでいる。

 会議の内容はというと、リメモリーやメモの件、サバイバーについての対応や、何故起きるのか起きてしまったのかなどの事例をあげて話し合っている。

「ハーレムそろそろ行こうか」

「はい」

「昨日の夜はどうした?」

「みつこさんと二人で、ホテルのレストランに食べに行きました、とても美味しかったです」

「そうか、それは良かった」

 

「着席」

 ガタガタガタ

「会議を始めます」

「まず、昨日の案件の続きから・・・」

 暇だな~なんて思いながら、昨日までの事を思いだしていた。

 昨日の夜、ナナさんは誰かと約束があったみたいで、会議が終わったら別行動になった、僕は街に出掛けようと、みつこさんに言ったのだけれど、みつこさんは、ナナさん居ないからホテルのレストランに行こうと言うので、トップダウンでホテルのレストランに決まってしまった。

 僕の事を、心配してくれているのか、頼りないのか分からないが、料理はとても美味しかったので良しとしよう。

 到着初日の夜は、生演奏でヨーデル聞きながら食事ができるお店に連れて行ってくれた。

 その日は、有名なヨーデル歌手がお店に来ていたみたいで、満席で立ち飲みの人もいた。

 4人掛けの丸テーブルに3人で座ったら直ぐに、ルーゲンブロウ?というビールとバケットに山盛りのパンが出て来た、ナナさんはパンをつまみにゴキュゴキュとビールを飲みだした。

 ナナさんが、パンを3個食べた所で、ラクレット、レシュティ、マカロニと続けて出て来た。

 すでにビールから赤ワインに変わっていて、ほろ酔いのナナさんは、陽気に手を叩いている。

 僕とみつこさんはというと、周りに圧倒され少し取り残された感じで、ナナさんのまねをして、手を叩いている。

 料理全部美味しかったなー、ヨーデル楽しかったなー、なんて思っていたら、あっという間にお昼になってしまった。

 ガタッ

「おい、ハーレムお昼だぞ」

「あっ、はい」

 振り向くとナナさんは、既に何処かへ行ってしまっていた。

 今日も、ぼっちかと思いながら、どれも美味しそうだな、なんて目移りしてたら、今日は少しだけ違ったみたいだ。

 後ろから肩を、ポンと叩かれた。

「こんにちは、No806さん」

 振り向いたら、知らない人が、ニコニコと僕の事を見ていた。

「はじめまして、No806さん、ハーレムさんでしたね」

「僕はNo61で、シンガポール支部のロイと言います」

「は、はじめまして」

 あーびっくりした。

「はじめまして、ハーレムさん」

 今度は、耳元で声がした。

「は、はじめました・・・」

「フフフ冷やし中華ですかぁ?私は、No88オーストラリア支部のラプティーよ、ヨロシクネ」

 今度は、ブロンズボーイッシュ美女から声を掛けられた。

「私、日本に凄く興味があるけど、今まで行った事がなくて、でもね今度行く予定ができたの、すてきなハーレムさんにエスコートお願いしたいなーと思って、声をかけさせてもらったのよ」

 あーなんて健康的な感じの女性だろう、肩に水着の紐の跡がくっきり付いている。

「えー本当ですか、是非是非来て下さい、本気出しますよ」

「ワーありがとう、約束よ」

 お皿を持って、ぴょんぴょん飛び跳ねている、あーキュティー。

「ラプティーだけずるいよ、僕もその時一緒に行ってもいいかな?」

 おいっ!ロイ察しろよ!×2

「えーだって・・・、ハーレムが、良ければだけど・・・」

「も、もちろん大歓迎ですよ」

「・・・」

「じゃぁ、お近づきと言う事で、今晩お食事でもご一緒しませんか?美味しいお店見つけたの」

「OK、もちろんさ」

「ハーレムは?」

「僕はですね、妻と来ていまして、一緒で宜しければですが」

「もちろんさ、プラティーもいいよね」

「もちろん、OKョ」

 なんて話をしていたら、またまたあっという間に、お昼休憩が終わってしまった、殆ど何も食べれなかった。

 今日の午後の部は、ディスカッションだった、何をするかは、始まってみないと分からない。

 あーだこーだと意見を交換している、やはり世界は広いな、色んな人がいて、文化も違えば考え方も違う当然といえば当然だよなー、なんてぼんやり聞いていた時だった。

「日本支部、まったく会議に参加してないようですが、何か発言ありませんか?」

 そーいえば、ナナさん初日から今の今まで、一言も発言してないような気がする、してないよな。

 ナナさんは、何を話すのだろうか、メモメモっと。

「おい、ハーレム何か無いかってさ、ビシッと言ってやれ」

 へ?えー--っ!何ですか、このお茶目な展開は、当然何も考えて無いですよ!分かって言ってんですよね!

「日本支部、No806さんどうぞ」

 えっえー-ー!絶対ナナさんの仕込みだなこれ!二人笑うの我慢してるー!

「えー、えー、あっ!そうだ」

「どうぞ」

「ホワイトアウトって何でしょうか?」

 シーー--ン

 えっ!会場が静まり返った。

「ホワイトアウトって?」

「ホワイトアウトって何?」

「霧や吹雪の事言ってるの?辺り一面真白になる」

 ざわざわ、これはクルーンに入ってしまったのか!?ざわざわざわざわ。

 横のナナさんを恐る恐る見ると、目を閉じて、あ~ってな感じで天井を仰いでいる。

 何かやらかした感、てんこ盛りである。

 進行のNo2さんが、ざわざわを遮るように話だした。

「静かにして下さい、ご存じない方も多いと思いますが、そういった事象は、この仕事を始めたばかりの初期の段階でごく稀に起こる事で、AIとのミスマッチによる不具合が、生じた時に起こる事象の事です」

 あの時は、新人でもないのですが・・・。

「ミスマッチとは、どういった事でしょうか」

「発言の際は、挙手して下さいね、ロイさん」

「はい、申し訳ございません」

 ロイ、注意されてるよヒヒヒ。

 ロイが僕を睨んでいる、プラティーはクスクス笑ってる。

「そうですね、簡単に説明すると、AIが、あなたは何を言ってるの?みたいな感じでページに何を映し出したら良いか分からない状態ですかね」

「ハハハ、なーんだ会話が出来ないんだ、AIと通訳いるのか」

 クスクスと失笑が聞こえてくる。

 あー恥ずかしい、多分顔真っ赤だ。

「ナイスホロー、K2、パチパチ」

 天井を見ながら、ナナさんが小声でつぶやいた。

「はい、時間になりましたので終わりにします」

「起立」

 ガタガタガタ

「ライフ アンド デス」×全員


 と、いう感じで何とか今日の会議も無事に?終わった。

 お昼休憩に約束ので、みつこさんとロイとプラティーと僕と4人で、プラティーお勧めのお店に向かった。

 そこは、初日にナナさんが、連れてきてくれたヨーデルのお店だった。

 でも、前回よりは少し周りに溶け込めた気がして、おかげで陽気なヨーデルの歌声と、周りの人達の楽しそうな笑い声をつまみに、お酒がすすむ夜に完敗です。

 「ヤッホー!」

 






 

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