時の記憶編26
「おはようございます、ナナさん」
「おはよう、ハーレム」
「みつこさんとは、順調か?」
「はい、おかげさまであれから2度程、食事に行きました」
「そうか・・・」
あれ、ナナさん表情がすぐれないな、どうしたんだろう。
「皆さんおはようございます、ミーティング始めますよ」
ガチャ、バタン
「おはようございます、ハーレムさん、認証完了しました」
「・・・」
「どうしましたか?浮かない顔してますよ」
「うーん、ナナさんが、いつもと違った感じがしてね」
「そうですか、何か悩み事ですかね」
「そうかもしれないけれど、ナナさんだし、考えても分からないから、気持ちを切り替えまして、9月の新期が始まるまで、メモを貯金しましょう」
「はい、了解しました」
「では、NNのⅮ地区です、病院に強い反応が3あります」
「OK、3ページ開いて下さい」
「映します」
パッ、パッ、パッ
1ページ目の男性は、末期の肺がんだった、年齢は92歳、サーモで病室を見る限りベットの周りに4人の人が映し出されていた。
2ページ目の男性は、脳梗塞で年齢は48歳、1人映し出されていた。
3ページ目の女性は、79歳で熱中症で運ばれて来た、こちらも1人映し出されている、今のところ3人とも意識不明の状態だった。
「おねえちゃん大丈夫か!!」
男性の声が、急に聞こえた。
3ページの部屋に男性が、入って来ていた、弟だろうか。
「おとうさん、おとうさん、聞こえる!?聞こえてる!?」
今度は、1ページ目から、女性の声が聞こえてきた。
娘だろうか、声が若い気がする、孫だろうか。
「おねえちゃん、おねえちゃん」
「すみません、あまり患者さんを揺らさないで下さい」
3ページ目の最初に映っていた人は、病院の先生だったらしい。
「ハーレムさん、1ページ目アドレナリン上昇します」
「ねえお父さん、最後に声を聞かせておくれよ」
「・・・・・」
この声は、妻だろうか。
「お母さん、うううう」
「さらにアドレナリン上昇します」
「おねえちゃんしっかりしてよ!目を開けてくれよ!」
「お前達そこに居るのか?」(心の声)
「お母さん、今・・・お父さんの口が、少しだけ動いたよ!お母さんの声が聞こえたんだよ!」
パッ、その時3ページ目に映像が映った。
「あー、友彦かい、私は・・・」
「あーーお姉ちゃん、見えるの僕が・・・」
「みえるさ」
「良かったよー!」
弟が手をぎゅうっと握りしめていた。
「私は、どしたの・・・」
「おねえちゃんは、熱中症で倒れたんだよ」
「そうなの・・・」
「先生姉は、大丈夫でしょうか?」
「ハーレムさん、3ページ目アドレナリン安定していきます、映像及び音声が消えます」
「意識は戻りましたが、まだ分からないで」プツ
「ほら見てお母さん、また動いた」
「本当だね、おとうさん・・・」
「お前たちのおかげで、良い人生だったよ」(心の声)
あー、心の声はしっかりしているけれど、もう声に出せそうにない。
「ありがとう、さ・よ・な・ら」
メモリーが始まった。
どこかのお店だろうか、男の子をしかっている、大泣きしてるなあ、ははは。
小学校の運動会かな?女の子が走っている、1位の子かな2位のこかな。
青年とカウンターでお酒飲んでる、つまみはお刺身、お寿司屋さんかな、奥に女性が写ってるな奥さんかな、二人とも良い笑顔してる。
飛行場だな、男性が手を振っている、横に居るのは奥さんかな、小さな男の子を抱っこして会釈している。
この男性は息子さんだろうな、海外転勤か移住でもしたのかな、病室でも声聞こえなかった。
赤ちゃんがないている、どちらかの孫かな、顔ちか!ほうずりでもいているのかな。
若くて綺麗な女の人が、うえれしそうに優しく笑っていた。
これが、メモリーの最後の一枚だった。
「ありがとうございました」
「Good After Life」
「2ページ目、アドレナリンが下がっていきます」
「3ページ目、完全にアドレナリン安定しました」
「そうですか、3ページ目の女性は、大丈夫そうですね」
「2ページ目、さらに下がります、間もなく消滅します」
結局、2ページ目の男性は、心の声も聞こえなかった、メモリーも出なかった。
「雨音さん、初めて3ページ開いたけど、2ページ目は映像だけだったのに、声が入り混じっていて、混乱するよ」
「そうですか」
「ナナさんの20ページとか、まじで意味分からないよ」
「ハーレムさんも、出来るようになりますよ、たぶん・・・」
「・・・そうだと良いのだけど」
「NS-T地区住宅街、アドレナリン上昇確認」
「よし、開いて」
「了解」
「お疲れ様、雨音さん」
「ハーレムさんも、お疲れ様でした」
「ふー、もうお昼か、ナナさん誘っちゃおう」
「雨音さん、お昼行ってくるね」
「いってらっしゃいませ」
ガチャ、バタン
今、この時も、時の記憶が宙をまう




