時の記憶編19
「お疲れ様です」
「あ、お疲れ様です、七生さん」
ここは、午前中にナナさんが、メモしていた事故現場だ、ナナさんと、話しているのは誰だろう?
「どうですか、状況は?」
「そーですね、今はなんとも、詳しく知れべてみないと分かりませんね」
「そうですか、怪しいと思ったのですが」
「七生さんが、言われるのだったら、そうかも知れませんが、どうしてそう思ったんですか?」
「モニターにノイズが、走ったんですよ、ザザザと一瞬」
「ノイズですか・・・」
「今期に入ってから、多く見られる様になったので、調べてみようと思って、それで立ち合いを、お願いしたんですよ」
「そうだったのですか」
「ちょっと調べてみても良いですか?時間大丈夫ですか?」
「どーぞどーぞ、ごゆっくり」
「助かります」
ナナさんは、なにしてるのかな、だいぶ時間たったな、話が終わってからと思っていたのですが、えーい、仕方がない。
「ナナさーん、ナナさーん、お疲れ様です」
「おー、どうしたハーレム、よくここが分かったな」
「それは、課長が、ナナさんがここに居るから、これを渡しに行けって、言われたんです」
ナナさんに、課長から預かった、黒い小さな箱をわたした。
「あーこれか、何だか知ってるか?」
「さー何でしょう?」
「開けたのか?」
「いえいえ、課長に、中は、見るなと言われたので、絶対見てません」
「そうか、良かったな、見るなと言われると、見たくなるものだけど、よく我慢したな」
「・・・・・」
「これにはな、手の平の血管をスキャンする装置と、GPSが内蔵されていて、勝手に開けると、中にある何かが、壊れるようになってるんだよ」
あっぶねー、次来る人占いが、はずれて良かったー、おじいさんありがとう。
「・・・・・」
ナナさんは、箱の中身を、直ぐ確認するかと思ったのだが、上着のポケットに、大事な物でないような感じで、ガサっと突っ込んだ。
それから、3時間くらい経ったのだろうか、謎の誰かと話しをしたり、会社では、見たことのない機械で、周囲を知れべてみたり、考え事をしてみたり、していた。
そんな時、ナナさんが、空を見上げて、小さな声で、Good after lifeと、つぶやいた。
「よーし、こんなものか」
ふー、やっと終わったのかな?何もしないで、ぼー-っとしているのも、結構疲れる。
「ハーレムも来た事だし、晩飯食べて行くか」
「やったー、ラッキーです」
「でもナナさん、まだ、5時で・・・」
僕の言葉を、さえぎる様に、謎の誰かが言った。
「七生さん、お帰りですか」
「えー、大体の情報は、集め終わりましたので、今日は、ここまでにします」
今日はって・・・まだ何か調べるのかな。
「それでは、お疲れ様です、結果出ましたら、連絡します」
「分かりました、長々と協力して頂き、ありがとうございました、お疲れ様でした」
ナナさんが、5回手を振った。
僕は、ペコリと、会釈だけした。
「ナナさん、ナナさん、まだ、5時ですよ」
「何度も言うな、分かってるよ、男は5時からだろ」
「何ですか、それ」
「いいんだよ、それより、焼き鳥行くぞ」
「それなら、早く行きましょうよ、お昼食べて無いので、お腹ペコペコです」
「お昼食べて無いって、そんなに忙しかったのか」
「・・・・・」
「それより、さっきの人、誰なんですか?」
「また、今度な」
「えー、最近、また今度、多くないですかー!!」
ん!!また今度・・・何かあった様な?まっいいか、焼き鳥だし。
「ナナさん、そこの焼き鳥屋さん、美味しいんでしょうね」
「食べてみたら、分かるだろ」
「それもそうですね」
「それにな、5時から食べる焼き鳥には、美味しさとは別の、男の勝手なロマンがあるんだよ、分かるだろ、ハーレム君」
「いえ、全然分かりませんけど」
「焼き鳥食べて、焼酎飲んで、勢いつけて、そこからがお楽しみだ」
そんなこんなで、5分くらい歩いただろうか、角を曲がると、焼き鳥の美味しそうな煙が見えてきた、大きな赤提灯が、ドーンと最初に目に入ってくる、いい感じの焼き鳥屋さんに現着した。
「ささ、ナナさん入りましょう」
のれん分け、すでに相席、クールビズ。
おあとが、よろしいようで。