表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/51

時の記憶編18

 今回は、ナナさんの仕事風景を、覗いてみようかと思います。

「おはようございます、ナナさん」

「おはよう、ハーレム、今日も健康か!!」

「はい!もちろん健康です」

「健康第一だからな!ユーコピー!」

「アイコピー」

 最近ナナさんは、このやりとりにハマっている、何の影響か知らないが、ちょっと面倒くさい。

「ナナさん今日は、良い所、見せてくださいね」

「何だよ!良い所って!」

「まーまー、宜しくお願いします」

「おまえなー、見せろって、文字でか」

「・・・・・」

 どうでもいいやり取りが、ありましたが、さあ始めましょう。

 ガチャ、バタン

「おはようございます、ナナさん、認証完了、オールOK、システム起動します」

「おはよう、今日もよろしくね!みっちゃん、ユーコピー」

「アイコピー」

 ナナさんの相棒AIは、みっちゃんと言って、以前は、違う名前だったのだが、あの件で、オールリセットされてしまったので、違う名前にしたと言う事だった。

 なぜ?みっやんにしたのかと聞いたけど、教えてもらえませんでした。

「よーし!みっやん、ガンガン、メモって行くよー、ユーコピー!」

「あ、アイコピー、TK地区アドレナリン検知、高めの22ページ展開します」

 パッ、パッパッパッ・・・・・・。

「よし!それ!それ!それ!それーっ!ユーコピー!」

「あっ!ナナさん!早い早い早いー---!」

 ぉぉおおお、ナナさんこんなに早いのか!!さすが1日300メモ超え。

 ・・・・って!なんだコレ!ずっとこんな調子で、メモっているのか、しかしナナさん、いろんな意味で変すぎますよ。

 そんなこんなで、11時50分には、108メモを達成!!今日のノルマを、軽くクリアしてしまった。

「ふー、おつかれ、みっちゃん」

「ハア、ハア、ハア、お疲れ様でした」

「今日は、これで終わるね、あと、メモ82連絡入れておいて、よろしく、ユーコピー!」

「ハアコピー」

 ガチャ、バタン

 ナナさんが、帰るみたいです、お昼のお誘いはあるのか!!

 と、少しは期待してみましたが、何のお誘いも無く、そのままロビーをスルー、会社を出たので、尾行してみましょう。

 真っ直ぐ駅に向かい、電車に乗って、何駅か過ぎた駅で、電車をおりた。

 そのまま改札を、出るのかと思ったら、さすが、ナナさん、きっちりお昼は、駅の立ち食いそば屋さんでした。

 メニューはというと、コロッケそばにミニカレーのセットです。

 そばが、出されるや否や、素早くおつゆを、2回すすり、コロッケを、ちっさくひとくちパクリ。

 そばが、半分になった所で、コロッケを潰し始めた。

 ポッ、ポッ、ポッ、ポッ、ポーン


「1時になりましたので、ここから実況中継が、繋がります」

「実況席のタチロウアナ、解説に尾行中のハーレムさん、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」×2

「おっとーいきなりー!なんとー!コロッケを箸で潰し始めたー!目突き炸裂かー!、さらに混ぜ始めたー!混ざった!混ざったー!ここで、混ざったおつゆをー、ひとくちすすったー、混ざり具合を確認したのでしょうか?尾行中のハーレムさん、どう見ますか、解説よろしくお願いします」

「よろしくお願いします、そーですね、ナナさんの、あの、ちょっとだけ笑った感じは、ベストな混ざり具合だったのでは、ないでしょうか」

「さすがハーレムさん、ナナさんの、細かい表情の癖まで、観察していますねー、ナナさんを、勝手に師と仰いでるだけの事はありす」

「おっとーズズズとすごい勢いだー!ここでー、そばを完食したー!さらに、コロッケ汁をひとくちすすったー!」

「しかし、まだミニカレーには、ひとくちも手を付けていないぞー!」

「ハーレムさん、今後の展開は、どのように予想されますか?」

「まったく予想できない展開です、でも、おかしいですね、せっかくコロッケを混ぜたお汁が、少し余っていて、もったいない気がしますが・・・」

「やっとここで、ナナの右手が、箸から離れたー!スプーンが、タッチを要求しているー」

「おっとー!素早くタッチしたー!」

「ここでそのまま、ミニカレーをフォールに行くのかー--!!!」

「いやっ!行かないー!左手でミニカレーを回し始めたぞー!」

「なんと!カレーの掛って無い、白米側を丼ぶりへ近づけたー!」

「いったいー何をするんだー!」

「まさかーー-!!丼ぶりのトップロープから、ミニカレーの急所にー、コロッケ汁バスターを決めに行ったー!また行ったー!」

「さらにー混ぜたー!」

「すかさず、左手で丼ぶりを持ったー、コロッケ汁を一気に飲み干したー」

「右手のスプーンは、放してないぞー!」

「まだ、ミニカレーは、カウンターの上に、横たわっているー」

「さぁー、ラストスパートだー、おー、いつの間にか、左手でミニカレーをフォールしている、一気にスプーンで口にかきこむー--!」

「ワーン・ツー・スリーー--!」

 カンカンカンカーーン

「勝者ー--ナナーーー」

「なんとー、一回もコロッケそばミニカレーセットペアにタッチ許す事なく、勝ち切ったーー」

「見事だったのは、ミニカレーにコロッケ汁を混ぜるという必殺技で、立ち食いスタジアムのカウンターの上に、コロッケそばミニカレーセットペアをねじ伏せたー」

「ハーレムさん、あれは、なんと言う技なんでしょか?」

「さー分かりません、後でナナさんに聞いてみます」

「いかがでしたか、ハーレムさん、興奮冷めやみませんが」

「最後の方は、ちょっとだけ笑いながら、いっきにフォールしたのは、見事としか言いようが、ありませんでしたね」

「では、とある駅の、白熱の立ち食いスタジアムからの中継を、終わりにしたいと思います」

「いづれまた、お会いしましょう、解説のハーレムさん、ありがとうございました」

「ありがとうございました、今度実食してみたいと思います」

「それでは、失礼します」

 ナナさんが、清々しい勢いで、暖簾を手で、パッと開けて、お店を後にした。

 駅から、10分くらい歩いた所で、ナナさんの足が止まった。

 あれ!ここは・・・・・。

 











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ