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時の記憶編17

 ガチャ、バタン、ウィーン

「すべての認証完了、システムを起動します」

「おはよう、雨音さん」

「おはようございます、ハーレムさん」

「今週からは、バリバリ仕事するよー」

「今週からとは、どういう事ですか?」

「なんとなくネ」

「了解しました、ではまず、KFのYM地区です」

「音声出ます」

「ザザザとうザザザありがとザザザ今まで一緒にザザザザザれて」

 なんだなんだ、途切れ途切れで聞きずらいな。

「感度上げます、気を付けて下さい」

「了解!」

「おまえが、今まで居てくれたから・・・ありがとう」

 うー、感度上げるときついなー。

「雨音さん!衛星、サーモ出して」

「了解しました」

「アドレナリン上昇します」

「よし!準備OK」

「目視の映像出ます」

 パッ

 その細く開いたまぶたの先には、白い老犬の様な、大きな顔が映った。

「クウーン、クウーン」

「そうか、そうか大丈夫だよ、お前の事は、娘にお願いしてあるから、心配しないで元気でな」

 頭をなでていた手が、パタリと落ちた。

「クウーーーーン」

 なんとも言えない、切ない鳴き声の後、時の記憶が始まった。

 パッ

 えっ!!なんだこれ!!ページが真白だ!!

「雨音さん!?ページが真白になったよ!?なにこれ!?」

「申し訳ありません、分かりません」

「至急、上司に報告した方が、良いのではないでしょうか」

「そそうだ、ナナさんに通信して」

 プ・プ

「どうした?ハーレム}

 ハッ!今日に限って早い!

「えっとえっと、あのですね」

「落ち着け、どうした?」

「あの、ページが真白になってしまって」

「・・・・・」

「そうか、分かった、システム落として、今、会議室に居るから直ぐこい」

「それじゃ、雨音さん後よろしく」

「了解しました」

 ガチャン、バタン

 タッタッタッ

 コンコンコン

「ハーレム入ります」

 ガチャ

「あれ!課長も居たんですか?」

「おまえ、課長もとはなんだ!」

 バタン

「すみません、つい」

「丁度ナナと別の件で、話していた所だ」

「話は、ナナとの会話で聞こえた、状況話してみろ」

「はい」


「という感じでページが、真白になりました」

「そうか、ナナはどう思う」

「そーですね、ハーレムは、当然初めてだよな」

「ない、もちろんです」

「それは、ホワイトアウトだな」

「えっ!ブラックアウトみたいな事ですか?」

「ちょっと違うかな、ブラックアウトは、簡単に言うと、思考の加速だが、ホワイトアウトはだな」

「ごほんごほん、ごほん」

「何ですか課長、ナナさんの話、途中じゃないですか」

「また、レベルの問題ですか!?」

「それもあるが、今は、ちょっと微妙なんだよ、分かってくれ」

「ナナさん、ナナさん、教えて下さいよ、お願いします」

「課長が、駄目って言ってるんだ、今度ちゃんと話すよ」

「・・・分かりました」

「そそれより、ほら、ナナ、ちょうどハーレムも来た事だし、話していた件、言ったらどうだ」

「それもそうですね」

 んん!何か嫌な予感が・・・。

「会社の決算が、9月なのは知ってるな」

「もちろん知っています」

「毎年決算前の8月末頃に、今年の6月時点でのNo20以内が、本部に集まって、No20会議、そう!通称、エヌ・トゥエンティーが、開催されるんだ」

「へー、そんなのあるんですね、No20って、僕と何の関係があるんですか?」

「はっはっはっ」

「何ですか、課長、笑って」

「おまえも鈍いな、わざわざお前に話してるんだ、分からなか?」

「と、と言う事は、僕も行けるのですか?No20以内でもないのに!!」

 ヤッター!ヤッター!ヤッタースイス!

「そうだ、よくある展開だろ、ナナ説明してやってくれ」

「なんとなくは、分かるだろうけど、俺のお供で、一人同行出来るんだよ」

「ま・ままじっすか!!!」

「本当だ、それを、誰にしようかと、課長と話していた所だったんだよ」

「そんな時、ハーレムからナナに通信が来たから、これも良い経験だなと言う事になって、ハーレムに決めたんだ」

「タイム・イズ・マネーだな」

「ナナさん、課長ありがとうございます」

「もう、行っていいぞ、必要な物とか、後でナナから聞いて、準備しておけよ」

「はい、課長、分かりました、失礼します」

 ガチャ、バタン

 やったー!初スイスだ!、ナナさん、どんな美味しい所に連れって行ってくれるのだろうか、すごく楽しみだ、楽しみすぎるYOー。

 この時、楽しみすぎて、食べる事ばかり考えいて、すっかり、ホワイトアウトの事を、記憶の端にも留めていなかった事が、未来の僕に、決断を迫られる事になるとは、思いもよらなかった。










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