時の記憶編14
あれから、さらに1週間が経った。
「よー、ハーレム久しぶり」
「わぁー、あはようございます」
「だだ大丈夫でしたか」
「何が?」
「何か?じゃないでよ、まったくもー!!」
「ハイハイ、そこ!ミーティング始めますよ」
コツコツコツコツ
「ナナさん、大丈夫でしたか?」
「やー、フクちゃん、おはよう」
「すっごく、心配したんですよ」
「それは、悪かったね、心配のお返ししないとな」
「もー、ナナさんったら」バシッ
ナナさんが、思い切り張り手された。
「いったた、フクちゃんの本気痛いのだから手加減してよ」バシッバシッ
ナナさんが、独楽のようにクルクル回されている・・・・。
「そうだ、ナナさん」
「なんだよ、ハーレム」
「無事、出社出来た事を祝して、お祝いしませんか?」
「なんで、自分でお祝いしないといけないんだ?」
「普通は、お祝いしてくれるんじゃないのか?」
「おまえ、どーせ俺のおごりだろ」
「まーそうですね」
「そーですね、じゃないだろーが」
フフフフ
「そうだ、フクさんもどうですか?」
「私もですか?・・・良いですよ」
さすが、フクさん付き合いが良い。
ナナさんが、連れて行ってくれるところ美味しいから、今回はどんなお店かな、期待しちゃうな。
でも、ナナさんが、意外な事を言った。
「でもなー、謹慎明けだし、あまり出歩くのも・・・、一応体裁もあるしだなー・・・」
「・・・・・」
「ナ・ナ・ナナさんが、そんな事思っているなんて、すげー意外です」
「おまえなー、俺の事どうおもってるんだよ、まったく」
そう思っているに決まってます。
ピコン!!!閃いた。
「そうだ、ハーレムが、家に来たいって言ってたし、家来るか?」
「本当ですか!、僕は、是非行きたいですけど、フクさんは?」
「行きます、行きます」
さすが、ふくさん、即答でしたネ。
「いつにしますか?」
「そうだな、明日の19時にするか、ちゃんとノルマ達成しろよ」
「分かりました」×2
そして翌日の夕方、梅雨のせいか、今にも雨が降ってきそうな曇り空のした、傘も持たずに来てしまった、帰り雨だったらナナさんに傘借りよう。
ピンポーン・ピンポーン
「ハーレムです」
ウィーン
ピンポーン
「空いてるから、入れよ」
ガチャ、バタン
「おじゃましまーす」
ピンポーン・え!
「フクです」
「フクちゃんも入りなよ」
ガチャン、バタン
「あら、ハーレムさん、今来た所でした?」
「僕も、今来たところです」
「やっぱり、ハーレムさんがELVに乗る所が見えたので、走ったのですが、間に合いませんでした」
「えーすみません、気が付かなくて」
「いえいえ、たいしたことじゃないから」
「おーい早く上がれよ、そんな狭い玄関で話してないで」
「はーい」
フクさんが、僕の耳の横で、気持ちいい大きな声で返事した。
ナナさんの部屋は、よくある2DKで、対面キッチンがって・・・ん!大量の漫画本が・・・綺麗に壁一面に並べられている。
「なんですか、この漫画本の数は・・・」
「ふぇ~」
フクさんさんが、オウムの寝起きのような声を発した。
「見れば分かるだろ缶詰だよ」
「え!漫画本の事じゃなくて、缶詰!?」
なななんと、居間のテーブルの上には、凄い数の缶詰が、山積みにされていた。
「なんですか、この缶詰の数は・・・」
「何度も言わせるな!缶パだよ缶パ!」
聞いたの初めてですけど・・・。
ナナさんの説明によると。
謹慎が、いつまで続くか分からなかったので、今まで食べる機会がなかったものや、食べてみたいと思った缶詰を、ネットやらなんやらで、買いあさったという事みたいだ。
そしたら謹慎が、思ったより早く解けてしまったので、缶詰が大量に余ってしまい、そこに、タイミング良く僕と、フクさんが、実食を手伝わされることになったのだった。
「まー早く座れ、乾杯しよう」
プッシュー×3
「かんぱーい」×3
ゴクゴクゴク×3
「プッハー」×3
「すごい!見たことのない缶詰が、いっぱいあるわ」
「そうだろ、そうだろ、注文するだけでも2日間係ったよ」
ナナさん、恐るべし、いったいいくつ注文したのやら。
たしかに、キンチンには、缶詰の空き缶が、見えるだけで、ごみ袋大で3袋ある。
「よし、缶パ始めるか!」