時の記憶編13
ガチャ、バタン
「ハーレムさん、おはようございます」
「おはよう、雨音さん」
「ナナさんも謹慎中で、話も進めにくいので、雨音さんに日本支部の事、説明してもらおうかな」
「私がですか・・・」
「はい、よろしくお願いします」
「分かりました、それと会話形式はやめさせて頂きます」
「どーぞどーぞ、その前にお茶入れていいかな」
コポコポコポ
「・・・・・」
「では、はじめさせて頂きます」
パチパチパチパチ
我がTime Memory社日本支部は、非常勤社員や派遣社員もいるので、大体300人程度の会社です。
支部の表向き社名は、TM商事日本支店で、外資系会社です。
業務内容は、貿易会社になっています。
建物は、地下2階地上5階建ての自社ビルです。
地下2階は、シェルター、地下1階は、倉庫、1階は、ロビーと喫茶&Book、2階3階が、一般部署で、4階が、時憶課、5階が、課長室・部長室・応接室・会議室・大会議室になっています。
時憶課は、レアメタルを扱うレアメタル課で、その他の課は、食品・燃料・水etcです。
なので一応、新人社員研修の時に、レアメタルの事もみっちり仕込まれます。
当然ですが、フロアごとに入退室が管理されていて、自分の所属するフロアと地下1階倉庫、1階フロア、5階フロアの一部のみ入退室できます。
地下1階の倉庫に行くには、課長の許可を取らないと、勝手には入れません。
ちなみに、ハーレムさん情報だと、1階喫茶店の昔ながらのミートスパゲッティが、素朴で美味しいらしいです。
一般部署との交流もありますが、レアメタル課が、時憶課だということは他部署の課員・課長・部長も知りえない情報です。
ただ、レアメタル課の課員は、あだ名で呼んでいるので、おかしな課だなと思われているのも、事実です。
そんな時は、海外出張が頻繁にあるので、外国の人に親しみやすい様に、という設定になっています、そんなに出張はありませんが・・・。
そんなTM商事日本支店の社訓は、文武両道質実剛健、鍛えぬかれた体には、鍛えぬかれた魂が宿るをモットーに会社の行事として、サバイバルキャンプ大会や遠泳・俳句・茶会にキッチンバトル・雪山登山大会などなど、何のために行っているか分からない様な、大会がたくさんあります。
大会で良い成績を収めた個人や課には、何か景品の様な物があるみたいなのですが、本人にしか知らされず、他人に話してしまうと、権利を没収されてしまうので、取ってみない事には、景品が何なのか分からないみたいです。
「それと雨音さん、雨音さんの事話してよ、なんか終わりそうだったから」
ちっ・・・チチチ
「ん!?時計の音か」
「・・・・・」
続けます、私事雨音は、以前少し触れましたが、もう一度説明させて頂きます。
Time Memory社が、独自開発した高性能AIで、世の中的には発表していないので、存在自体知られていません。
世界中の、ありとあらゆる情報にアクセスできます。
ただし、アクセスの場所や時間によって、レベル設定がされてあり、担当者のレベルによりアクセスが制限されています。
レベル1でいうと、例えば病院、交通関連、役所や一部の衛星等です。
当然、個人情報なので守秘義務があります。
会社を退社する際には、この情報を消されるというか、思い出せなくなる処理をされます。どういう方法か分かりません。
会社に入社する時、上記の事を処理します、という旨の誓約書にサインさせられます。
普通に貿易会社で、レアメタルを取り扱っていた、という内容を刷り込まれます。
なので、退社した人との接触は、原則として禁止されています。
それに、レベル2以降の事は、残念ですが、私には説明できません。
「なぜかと言うと、私の担当ハーレムさんが、まだ、レベル1だからです」
「・・・・・・・声になってますョ」
「・・・ハーレムさん、ここら辺で良いでしょうか」
「良いですとも!僕がレベル1だから、しょうがないですねっ!!」
「そーですね」
「早くレベルを上げて説明させてください」
「分かりました」
「気を取り直して、メモリますか」
「了解しました」
「では、まずNSのⅠ地区です」