時の記憶編11
「No7の奥さんに会った事あるかい?」
えー!うっそー!ナナさん結婚してたんだ。
「いえ、無いです。そもそもナナさんの私生活は、まったく知りません、そんな話もしないです」
「次に、No806、むしの知らせと言う言葉は、知っているだろう」
「虫の知らせですか?はい、知っています、なんか頭の中で声が聞こえるとかなんとか」
「そうだ、一般的にはな、だが我社ではちょっと違う」
「無死の知らせ、と言って、Not Death Callと言っている」
「何が違うんですか?同じ、虫の知らせですが・・・」
「よく見ろ字が、違うだろ」
「・・・・・」
「まー聞け、無死の知らせを、故意に知らせられるとしたらどーする」
「そそそんな事って・・・・、大変な事じゃないですか!?」
「助かる人が、いっぱいいるって事になるじゃないですか」
「そうだな、これ以上の事は、本当に話せないが、No7が奥さんに、無死の知らせを送ったという、疑いがかかっている」
「えっ!!!ナナさん、そんな事も出来るんですか?」
「そうだ、まだNo806には無理だが、No20以内に5年以上通期で入った課員に、行ってもらう仕事だ」
「だったら、別にナナさん、悪い事したわけじゃないんでしょ」
「違うっ!!!、さっき君の言ったが、助かる人がいると言っただろ?」
「逆に聞くが、寿命とは別に、全員助かったらどうなると思う」
「それは・・・・」
「だから、この人には続きがあると判断された人にだけ、知らせる事になっている」
「そそそんな事!!だれが決めているんですか!!」
「それは・・・、私も知らない」
「神様がいるって、言ってるんですか!!!!」
「分からないって言ってるだろ!!!、まーおちつけ」
「そーですね、すみませんでした」
「経緯としては、昨日の夜、日本支部の課長が、おかしな履歴見つけた」
「そして、直ちにスイス本部に連絡した事によって、私が調査の目的で派遣されたといった所だ」
「今、課長は、No7を探しに行っている所だ」
そーいえば以前、ナナさんと昼飯を食べている時に・・・。
「ハーレム、むしの知らせって知ってるか?あれは本当の事だぞ、それは・・・・・」
と、言っていたな、料理に夢中で、冗談かと思ってちゃんと聞いて無かったな、感のいい人が聞けるとか言っていたような・・・、そもそも感ってなんだろう、ちゃんと聞いとけば良かったよ、失敗した。
続けてNo2さんが、話だした。
「人生は、本である」
「何ですかそれって、どういう事ですか?」
「我社創設の初代様の言葉で、人生をたとえるなら、薄い本もあれば、分厚い本もある、本人しだいで、続編も出たり、別の話に進めたりもする」
「濃い内容であったり、逆にそうでなかったりする、途中で話が終わらないようにするために、無死の知らせが、あるという事だ、殆どの本は完結しているのだが、ごく稀に途中の本もある、そのような人を我社では、パイオニアと呼んでいる」
「無死の知らせ規定5条というのがあってだな、ここで知りえた知識を身内及び知人に知らせてはならない」
「それなら、ナナさんの奥さんは、続きが無かったという事ですか?」
「それは分からん」
「ただ、あったかも知れないし、無かったかもしれない、無死の知らせの指示が来る前に、動いてしまったという事だ」
「そんなー、それじゃ知ってながら、言えないって事ですか?」
「そうだ、私たちは、そういう仕事をしているんだ、おまえも入社する時にいろいろ制約させられただろ」
「そいう事だ、人の生き死に係わる事だ、絶対厳守だ」
「それを破ったらどうなるんですか?」
「まだ、全容があきらかになっていないが、その時は、それ相応の処分が下される事になる」
「そんな事って・・・・・」
ピロリン・ピロリン
ポピロン・ポピロン
No2さんと僕の通信機が同時に鳴った。