王子は優しくない2
「結構酷い事を言うんだね。俺の婚約者様は。」
「……先程から何を仰っているのですか?私は貴方と婚約などしていません。」
「それは、君じゃなくて俺が判断するから、気にする事はないよ。違うならすぐに帰してあげる。」
クール様の言っていた通りだわ。
『自分で判断するまで引かない。』
オリビアでも連れて行くって、そんな事をされたら正体がばれるわ。すでに、間違いないと思われてるんだから。
「俺も時間がある方ではないから、一緒に来てくれる?」
私に胡散臭い笑顔で言った後、「連れて来い」と冷たい顔で騎士に言った。
まわりには騎士が4人…。そりゃ王子を護るんだからいるでしょうけど!
「何やってんの?」
「え?」
連れていかれそうになってる私の手を握ったのはリト君。
心配で追いかけて来てくれたんだ!優しい!
「買い物いくんだろ。早く行こう。」
「そうだね。私達は用がありますので、失礼します。行こう。」
「ちょっと待て!」
「いいよ。放っておいて。」
エドワードは追いかけようとする騎士を止めた。
「…いいのですか?」
「ああ、居場所は掴めたから。」
「なにアイツ?知り合い?」
「人違いしてたみたいなの。リト君が来てくれて良かったよ。」
もう少しで強制連行されるところだったもの。
マール君…毎日泣いてる…て。それは本当なんだと思う。
「どうしたんだよ?」
「ううん、何でもないよ。」
そこからは何事もなく買い物が出来たけれど、つけられるよね。きっと。
・・・・
男の子にニーナが連れていかれた。
「へぇ。」
ニーナを好きなのは、見ていればすぐにわかる。俺はめちゃくちゃ睨まれた。
「俺の婚約者は子供に大人気だね。」
俺に見せない顔が後いくつあるのやら。子供達にはどんな感じなんだ…。
まぁいい。あの男の子…おそらくニーナは孤児院にいる。
男の所にいるって訳でも無さそうだし、見張りでもつけておけばいい。
だが院長は男だろう。あまり長くは置いてはおけない。
「何かあったのか?嬉しそうな顔して。」
クリフが怪訝な顔をしている。
「ああ、オリビアを見つけた。」
「オリビアを?」
「言い張ってはいるがニーナだ。ニナもオリビアもニーナだ。」
「なら何故連れて帰らないんだ。」
「居場所はわかっている。」
「また逃げられるぞ。」
「伯爵の所へ連れていく。そう簡単には逃げない。問題も解決はしていないしな。」
「それもそうだな。」
「…本当に面白い女だな。見てて飽きない。」
「……そうだな。」
クスクス笑う俺に、クリフが呆れながら言った。
問題は『妹』なのかどうか。
馬鹿みたいな話だが
大事な問題だ。




