王子は優しくない
次の日
勉強する子が4人増えた。
今は9人。
勉強を教えていて困るのは、筆記用具なんだよね。買い足して欲しいとは言えないし、支援金が増えたら問題解決だし、それまでは私が立て替えて凌ぐしかないよね。
エイダが来る。でもその時どう対応しよう。その日はもうすぐだわ。
「ニナー!あそぼー!!」
「お歌うたおー!」
俺が先、私が先と言われるけれど…疲れる。
「今日はここまでです。」
そう言うと、みんな「疲れた~」「もうイヤだ~」といって部屋から出ていく。
「ニナ」
「ん?ああリト君。何か質問?」
リト君は授業が終わると、いつも解らないところは質問しに来る。優良生徒だわ。
「あんた本当に結婚すんの?」
「するつもりはないよ。」
「ふーん。じゃあいいや。」
それが質問だったのかな?
リト君はすぐに行ってしまった。
「はぁ…」
今のところ見つかっていないけど、私の姿絵が至る所に貼られているらしいのよね。
だからって全く外に出ないという訳にもいかないよね。見つからなければいいけど、さすがに無理なのかしら。
気になって仕方がない事が1つ。
マール君は元気かしら…。
いつかは私もいなくなるけど、こんな別れ方はしたくないんだよね。
手紙を書こう。けど、レターセットも何もないわ。ノートの切れ端に書くわけにもいかないし、買いに行かなきゃ駄目ね。みんなの筆記用具も必要だし。
「ニナ、どこ行くんだ?」
「ああ、リト君。ちょっと雑貨屋まで。」
「…1人で大丈夫なのか?」
「うん、深く帽子かぶっていくし、髪の毛であまり顔がはっきりしないようにして行くから。」
「ついてってやろうか?」
「ううん、大丈夫よ。」
もし誰かに追われて怪我でもしたら迷惑になるもの。
この街に可愛いレターセットがおいてるお店があるかしら。角を曲がろうとして人にぶつかった。
「……ゴメンナサイっ!」
「……ニーナ?」
……嘘でしょ…何故こんな所にいるの?
この国に来てから1度も会いに来る事が無かったエドワードと、何故ここで出会すのよ…。
走って勝てる気がしないわ。双子でのりきろう!
「申し訳ありません。大丈夫でしたか?」
「ニーナ…」
「ニーナ?」
「ニーナ・サナス、君だろう?」
「私はオリビア・スミスですが…」
「……」
「どうかなさいましたか?」
めちゃくちゃ怪しまれてる…
「申し訳ありませんが、俺と一緒に来てくださいませんか?」
「何故?」
「訳は後でお話します。」
「理由も仰らずに行けるはずもありません。」
いく気はありません!
「待って、もし君がオリビアだと言っても連れていく。」
「ちょっと、何ですか?ふざけないで下さい。何の権利があってそんな事…」
「俺がこの国の王子だから。権限はそれでいい?」
「そんな嘘か本当かわからない事を言われましても」
「マール君が『君がいない』って毎日泣きじゃくっているみたいだよ。」
…っなんて酷い男なの!?今ここでそんな言い方するなんて!
「……その子が毎日泣いているのと、私は何の関係が?」
マール君…もっと早く手紙を書くべきだったわ。




