優しくはない王子2
昨日も思ったけど、食事はとても質素だわ。これも援助金をとられないようにすれば解決ね。エイダを何とかしないと。
それはさておき、今からお買い物。
服も必要だし、院にいる間に必要なものは今日買いそろえないとね。外に出るのは怖いけれど。
案内してくれるのはリト君。
「この町に服を売ってる店1つしかなくて、そこのババァがすげぇ嫌なヤツ。」
「そうなんだ…」
町に近付くにつれて私達をジロジロみている人が増えてる気がするけど…
「気にしなくていいよ。オレ達がくるといつもあんな感じだから。」
なるほど。どこにでもいるのね。こういう人達って。
「ええ、これくらい気にしないわ。」
「…あんた図太いとか言われない?」
「…時々」
「ほら、ここだよ。オレは外で待ってるから。」
もしかして、ボナースの自分といると迷惑をかける…って思ってるのかしら。
「一緒に行きましょう。私達はお客なんだから、商品を見るのは当たり前よ。」
店にはポッチャリしたオバサンが1人。
「いらっ……」
…この人、私達を見て『いらっしゃいませ』って言うのをやめたの?
そのくらい構わないけど。…子供にしたら怖いよね。
「あんたら、お金はあるんだろうね?」
……何を言ってるのかしら。
「ええ、持っていますのでご安心ください。」
棚にあるブラウスをとろうとすると信じられない事を言われた。
「汚い手で触るな。商品が汚れちまう」
………まぁ、これぐらい言われても構わないわ。手に取ったもの全て買えばいいんだもの。
スカート3枚、ブラウス5枚を手にとって、そのままお会計。
「おいくらかしら?」
「……」
私達が申し訳なさそうに服を選ぶ姿が見たかったのでしょうけど、私の財産はこの服を買ったくらいで無くならないのよね。
「お会計、早くしてくださる?」
「えっ、はい…」
「ふふ、ありがとう。じゃあリト君、次のお店に行きましょう。」
あとのお店も対応はいいとは言えなかったけど、唯一お菓子の店主はまともだったのが救いだわ。
「…やっぱり金持ちだな。」
リト君がボソッと言った。
「今はね。けれど働かなければ何も買えなくなってしまうわ。」
「でも買い物してもバカにされたりしない。お金をごまかされたりもしない。」
「ねぇ、リト君達は何故学校にいってないの?」
「……1年くらい前、オレが金持ちの生徒にケガをさせたって。それで全員行けなくなった。そんな事してないのに…」
「調べたのは誰なの?」
「…多分調べてない。もうオレが犯人だって決めつけられた。オレのせいでみんな学校行けなくなった…」
『私達は孤児だから教えてくれる人がいない…』ジョセフィーヌちゃんの言っていた事は、お金が無いとかよりも、こういう事を言ってたのね。
私は当分の間は就職活動も出来ないよね。ボナースにいる間、私が勉強を教えちゃ駄目かしら…?やってみたい仕事だったし。
院長に相談すると、二つ返事で返ってきた。
「ニナだっせぇ~!」
「そんなのも出来ないの~?」
逆に私が教わるのは芋の皮むき。
これは難しすぎるわ…。




