嫌われるニーナ3
「オイッ!お前はなんだっ!」
泥棒と言っておいて今さらその質問はおかしいでしょ…
「君…いい加減にしなさい。何の事を言ってるのか知らないけど、女に物をぶつけるなんて最低よ!」
「うるさいっ!泥棒っ!」
「その泥棒って何の事を言ってるの?何故そんな突拍子もない事になるの…」
聞いてみるけど、泥団子がなくなるとすぐに逃げたし…。
けど…見学に来ただけで泥棒扱いって…さっさと帰ってほしいから言ってるのかしら…
泥団子までなげて…。
まぁ、ここに住んでる子は大人が嫌いな子もいると思うけど。
「あんた、いつまでも突っ立ってたら邪魔。こっちで教えてやるよ。めんどくせぇけど。」
市で会った少年が側によんでくれた。
よかった…このまま大した収穫もなく泥まみれで帰るところだったわ。
「あんた市場にいた女だよな?助けて貰った借りがあるから教えてやるよ。」
「ありがとう。では泥棒扱いされる理由をおしえてくれる?私に帰ってほしいだけ?」
「…そうじゃねぇよ。ただ前に勉強を教えに来たとかいう女が、俺達皆で貯めてたお金を盗んだんだ。それに俺達とやたら一緒に出かけると思ったら、万引きしてそれを全部俺達になすりつけた…。警察でもボナースの子だって聞いたら『やっぱり』って。」
「何て酷い人なの。院長は?ちゃんと説明に行ったんでしょう?」
「何言ったってムダだよ。俺達に親がいないし貧乏…ただそれだけで話も聞いてもらえなかった。」
これは、私が牢でいた時と一緒だわ。
『話も聞いてもらえない』
マール君と一緒に…伯爵の子と一緒にいたんだから犯人に違いない。何も調べる事なく捕まった。
この子達はボナース院の子だから、調べないまま犯人扱いされた…
「それは、どこの警察?調べたのは誰かわかる?」
「…そんなの聞いてどうするんだよ。」
「……どうにも出来ないけど、どうにか出来る時があるかもしれないでしょ。その時役にたつかもしれないじゃない。」
「…ロルフ署の、エドガーとかいうオッサン」
「ロルフ署のエドガーね。」
「俺達が何か言ったらわざと難しい言葉を使ってきて、解らなくて帰る事もある。誰も味方なんていない。」
…知識がないって…それだけで辛い思いをするんだわ…。
私も今まで何もしてなかった世間知らずで、仕事を選ぶのも難しいし状態なんだし。クール様の言うとおり、伯爵の家に住まわせて貰えてるか生活出来てるだけよね…。
それにしても…本当にこの国の警察はどうなってるの!?こんな事をしている人ばっかりじゃない!
…伯爵に一言言ってもらうべきよね。これは領主の管理でもあるんだから。
領民を守るべきよ。
支援金の額、お金の流れ、受領証、全て調べあげる。
怪しい動きを確認しないと!
この場所で何かしたからって、エドワードやクリフにニーナだって気づかれる事はないと思うし。私の未来の妨げにはならないよね。
あの日何もかも盗られて、騙されて裏切られて…私の気晴らしをさせてもらってもバチはあたらないよね。…多分。
もちろん子供達の為でもあるけど。




