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可哀想なクリフ様2

「はぁ…」

疲れた……。


もう第一歩目から踏み外した俺が悪い。

どんなに命令されていたとしても、カバーするのが俺の役目…務めだった。


ニーナ様以外の3人も探してはいるが…事件に巻きこまれているならあの3人も一緒にいてもおかしくはない。


もしこのまま見つからなかったら…1番怖いのはそれだ。

『みつかりません』

親はどう思う?生死がはっきりせず、『いない』のは、1番苦しむだろう。



もう不甲斐なさに押し潰されそうだ。


とりあえず、日程調整だ。水曜日の仕事を終えエドワードに時間をつくる。視察は先延ばしでいい。


コンコン

「入るぞ」

ノックをしても返事は聞かなかった。


「ニナのところへ?」

「そうだ。」

「違うと言うだけだっただろ?」

「…水曜日に会う約束を取り付けた。」

「わかった。水曜日、父上の具合が良ければ確認のために連れていく。あの姿絵のイメージでは確認は取れない。」

「…シャロン同席…。それが条件だ。」

「なぜだ?」

「知らん。その方が『やり込めやすい』と思ったんだろう。見くびられてるだけだ。俺も、お前も。」

「……」

「シャロンがいない時のニナは、少しだけだが感情が見えた。お前の胡散臭いものの言い方に腹を立てていた。だが、パーティーの時と同じ、シャロンを攻撃すれば先に感情的になるのはエドワード、お前だ。」

「…そうだな」

「何故そこまであの女にこだわる?何かあるのか?昔のように俺とお前がただの幼馴染みであれば『勝手にしろ』ですむ。が、今は違うだろ。何故答えない。…なら質問を変える。ニーナを嫌だと拒む理由はなんだ?」



「ニーナは…俺の妹かもしれないからだ。」


「…………は?」


「母親は違うはずだ。だが妹である可能性が捨てきれない。お前も言っていただろ。1%でも不安があれば、それは正解じゃない。」


「どこからそんな馬鹿げた話を聞いた…」


「ニーナをこの国に迎える…と聞いた時、俺は反対した。わざわざ連れてくるリスクを考えれば、この国の娘でいいと。説得にも行った。だが一向に話を聞かなかった。理由を聞いても答えない。ただ、子供の時に聞いた事を思い出した。『ニーナとお前は家族だ』と。」


「それは、最終的に『ニーナと結婚して家族になる』という事じゃかいのか?」

「そうだと思うさ!でも違ったらどうする?一緒に過ごしていれば、跡継ぎをと言われるだろう。ニーナも引くに引けなくなる!理由

を聞くまではどうにも出来ない。」


「…陛下がそんな馬鹿な事をするわけがないだろう。自分のもとへ取り戻そうとはしても、お前の婚約者になどするはずもない。」


「そうだ。そんな愚かな事をするよう人じゃない。でも怖くないか?人なんて何を考えてるか、家族だとしてもわからないんだから。」




「エドワード…。だからと言ってあの女と一緒にいる必要はないだろう。」


「俺だって相手がニーナでなければ別れてた。結婚相手を自分で決めようなどとは思っていない。」


「なら即刻わかれろ。水曜日までには別れろ。いや、明日でも今からでもいい、金をせびるならいくらかは出してやる。お前があの女といる事で被る損害を考えれば、手切れ金ぐらい安いもんだ。」


「…違うんだ…あの女は『ニーナと俺』の事を…何か知っている。」


「っっどうして今まで言わなかった!!俺が信用出来なかったからか?」

「……そうじゃない。」

「では何だ?考えがまとまるまで、暫く俺の家にでも住まわせておけばよかっただろう!!そうすれば少なくとも命を危険にさらす事はなかった!全て『今更』だ。俺もお前も、彼女を殺してるかもしれないんだぞっ!殺人だっ!!よくも落ち着いてられるな…」


「…………」


「…焦らないお前はどうかしてるよ。もし本当に妹だったなら尚更だ。」



「…言われなくても、後悔しかない。」


「何故あんな場所に住まわせていた?護衛も女中も侍女も1人…せめて護衛は増やすべきだろう。何故わざと減らした?」


「あれは死んだ母親がずっと住んでいた所だ。街でも王族の持ち物だと知ってる者はいない。護衛や何かをつけすぎると目立つからいない方がいいと言っていた。それにあの家の近くにジェイコブ牧場の宿舎があって、いつもそこに誰かいた。何かあればいつでも対応できるのだ…と。だがつい最近主が亡くなったらしい。後は放置されていた。」


「はぁ…その浅はかな考えを責めても始まらないからそこはもう言わない。お互い様だしな。それよりまずニーナが1番だ。兄妹なのかどうかはその後だ。」


「クリフ、俺はシャロンが何を知っているのか、もう暫く探ってみる。いつも通りにしておく。馬鹿みたいに買い物してるが、半分以上は商品は入っていない空箱だ。自分で荷物を運ぶ事もしないから、気がつかないらしい。」


「どうせなら全部そうしてくれ。とりあえず、俺は仕事を済ませてくる。……これからは、1人で行動せず相談してくれ。」


クリフはそう言い残して部屋を出た。




「…はぁ。全て悪手だった。」

俺はニーナの事も、クリフの事も、傷つけただけだ。

考えたらわかりそうな事なのに、…ただ本当はニーナに会うのが怖かった…とは言えない。


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