8話 未知との遭遇
ちょっと1000字ぐらいで投稿頻度上げようかなぁ。
聡明叡智
俺が転生したすぐの頃からお世話になっている凄いスキルだ。
この前も輪廻に干渉するとか言って新たな能力を見せてくれた。
俺がまだ見知らぬ能力を知る為にも、
俺がこのスキルを使いこなす為にも、
俺がさらに強くなる為にも、聞く必要がある。
・・・って事で教えて頂けません?
って感じで聞いたら案外あっさりと教えてくれた。それで肝心の能力がこんな感じ。
スキル『聡明叡智』
能力○能力作成
スキル、耐性を条件を満たし次第作成
する。
○解析鑑定
対象の解析、鑑定を行う。
○輪廻干渉
魂の輪廻に干渉する。
干渉によって他者と魂縁を結ぶ事が可能。
アルティメットスキルの占有能力。
○思考加速
思考力を任意で操作出来る。(1〜∞)
○高速演算
演算速度を任意で操作出来る。(1〜
∞)
と言うものだった。
能力作成とかなんでもやり放題じゃん!!
とか思ったけどそう言う訳では無いらしい。
どうやら条件があるとの事だ。
それもかなり厳しめの条件が。
・・・まぁ俺にとっては簡単らしいけどね。
俺の予想では相手の姿形をそのまま真似する部分変態が鍵になってくると思う。
姿形だけではなく相手の能力も真似出来るかも知れない。そうすれば後は聡明叡智がコピー的な事をしてくれるだろう。
・・・さて、俺の強化イメージが全部聡明叡智に頼りっきりなんだが良いのだろうか。
・・・・・ま、いっか。
俺が強くなる事に変わりは無いから良いよね?聡明叡智=俺みたいな所あるもんね?
・・・ってそれ俺の力0やん。
なんだか自分で言い訳してて悲しくなってきた。
はぁ。言い訳は置いといて次に行こう。
これは結構使った事がある能力。
解析鑑定だ。
これ何?って聞いたらそれが何なのか、
どう使うのか、現状再現可能か。
を詳しく教えてくれる。
イケメンを解析すれば前世ではなし得なかった夢のハーレムも………………!!!!
……っと。危ない危ない。危うく変態認定される所だ。スキルにも変態感溢れ出してるのにこれ以上変態になってたまるか。
落ち着いたところで次に行こう。
次は輪廻干渉。つい最近俺も知った能力。
"アルティメットスキルの占有能力"とある様に輪廻干渉は聡明叡智だけの能力では無いようだ。他のアルティメットスキルも持つ能力らしい。
他のアルティメットスキルの能力も気になるがその所有者も気になる。
仮に争いになった時(ならない事を願うが)
聡明叡智級のチートスキルなら此方も心してかからなければいけないな。
最後に思考加速、高速演算の二つだ。
これらは単純に超かしこくなる能力だ。
アインシュタインも真っ青だな。
さてと、聡明叡智の能力もなんとなく把握出来た所で今日も魔物でも狩りに行くかな。
こうして俺はいつも通り魔物狩りに出かけたのであった・・・が、
・・・・・おかしい。妙に静かだ。
嵐の前の静けさとでも言うべきか。
いつもなら何体も遭遇してもおかしくない頃だと言うのに、鼠一匹たりとも見かけない。
何か起きているのか?
仮に嵐の前の静けさだとして今後何も起きないという保証は・・・無いな。
楽観視するよりも調査した方が良さそうだ。
聡明叡智にも一応聞いておこう。
良い推論をくれるかも知れない。
聡明叡智!この状況どう思う。
《なんらかの事象が発生した事による大量絶滅、もしくは何者かによる大量撲滅かと。》
なるほど。
確かにその説は有力かも知れない。
俺の地球にいた頃の記憶をフル動員する。
地球の生物が大量絶滅した事と言えば・・・
・・・氷河期、火山噴火そして星衝突の三つぐらいだろうか。
でもそこまで寒く無いし、一面焼け野原でも無いし、ポッカリとクレーターが空いてる訳でも無い。
この三つの説はどれも的外れだろう。
となれば後は"何者かによる大量撲滅"か。
消去法だが今はこれが最も可能性としては高いだろう。
だが、俺が今まで倒した魔物はどれも強力だった。俺が簡単に倒すことが出来たのは俺のスキルのおかげだ。
この世界の人間がどれほど強いかは知らないが、人間だった頃の俺なら十秒も持たずに殺されていると思う。
まして大量撲滅だ。
人間に出来るとは思えない。
となれば後は・・・竜とか?
俺にはそのくらいしか思いつかない。
以前聡明叡智に聞いた話だと、この世界には竜と龍がいるらしい。
どちらも強力だが龍は世界の根幹を揺るがしかねない力を持つと言う。
こんな所に龍がいるとは思えない。いるとしても竜だろう。
《マスターのような存在の可能性を忘れ無いでください。》
・・・あ。確かに忘れていた。
みんなで遊ぶ時人数が足りなくて騒いでいたら自分を数え忘れていたと言う奴だ。
え?懐かしいけどちょっと違う?
まぁ、細かい事は気にするな。
確かに俺の様な存在がいる可能性は否定できない。
それこそ俺並みの力があれば大量撲滅は容易い事だ。(この辺りの魔物に限る)
可能性はこのくらいかと思っていたら
聡明叡智がもう一つの解をくれた。
《マスターの様な"知性ある魔物"の可能性も忘れないでください。》
との事だ。確かにそうだな。
俺みたいな"知性ある魔物"の可能性も充分にありうる・・・・・え?俺って魔物なの?!
俺は驚愕の事実に絶望した。
(絶望はしていない)
絶望はしていないが、驚いた。
俺っておたまじゃくしじゃ無いの?!
こんなに小さくて可愛らしい小動物だと思っていたのに・・・
お尻の尻尾なんかは愛しさを彷彿とさせるような愛らしさを秘めているのに・・・
なんでも、この世界の生物は全て魔素で出来ているらしい。
魂の周りに魔素が集まって生物としての形を成しているそうだ。
だからこの世界の生物は全て魔物に属してしまうらしい。
それはともかく、この辺りに"知性ある魔物"
がいるのなら今までの魔物よりもかなり手強い相手となるだろう。
知性のある魔物なら集団行動をする事も可能だと考えるべきだ。
一対一はなんども経験しているが、一対多は経験が無い。充分にその可能性を考慮して立ち回る必要がありそうだ。
・・・動いた。何かが動いた。
徐々に距離を詰められているのが分かる。
風をきる音が聞こえる。
それだけで素速い事が伺える。
目視での存在認識を試みる・・・が、見ることが出来ない。明らかに翻弄されている。
空間把握を使い状況の確認をする。
敵の数は・・・三体か。
動きから三体の魔物が連携して近づいてくるのが分かる。ほぼ確実に"知性ある魔物"だろう。
・・・ここで俺は閃いた。
"知性ある魔物"ならコミュニケーションを取れないか?
何か理由があってこんな事をしているかも知れないし、理由が分かれば今から起こるであろう不毛な争いを抑えられるかも知れない。
早速話しかけてみよう。
こうしてさらなる敵、未来の仲間との邂逅を果たしたのだった。
カエル族が知性的なのは同属(仮)
だからです。
人間が魔物に属さないのは人間がボーダーを引いているからです。