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鯉の天昇り  作者: 陽
序章
2/16

1話  鯉の大地昇り

初投稿よろしくお願いします。

 俺は気がついたら転生していた。

 そして俺の身体はとてもスモールに………

 エラができ、ヒレができ、鱗ができた。

 五月によく見るあれ……そう、鯉になっていたのだ!

 意味が分からない、どうしてこうなった?

 そうだ、思い出せ、何があったかを………



 ____________________________________________


 俺の名前は滝宏太。

 あの有名な滝廉太郎の子孫なんて話はなく、

 リコーダーさえ吹けないという

 音楽の才能の欠片もない絶賛受験期の高校生だ。

 今は明日の模試に向けて勉強している。


「えーと、ここはベクトルの足し算と引き算か、こっちは空間ベクトルかー、難しいな。

 確か、こーしてあーしてこうだ!

 よーし、あってるねぇ。次は……

 えっと…むにゃむにゃ…」


 ヤバイ、眠くなってきた。

 このままでは俺の模試が終わる。

 マズい、マズいぞー!!!………スゥスゥ


 ____________________________________________




 そうだ、寝てしまったんだ。俺は。

 ……いや、寝てすぐ転生ってのもおかしい。

 心筋梗塞とかで死んでしまったのかも知れない。

 ガーン!こんな歳で死ぬとはなんて不運なんだ。

 前世でやりたかった事もいっぱいあったのに。


 ……仕方がない、転生したことを受け入れるしか無いな。

 前世で何度も見たことがある。転生と言えば俺TUEEEだ。

 俺もTUEEEできるかもしれない。何故鯉なのかは知らないが………まぁ、希望を持って生きて行こう。


 そう心に決め、前を向いて生きて行く事を決心した。


 一区切りついた所で自分の状況を整理してみる。

 まずここはどこだろうか。

 上には眩しい光点が一つ、下には岩と砂。

 周りは………魚?10cm〜1mぐらいまで大小様々だ。

 下をよく見ていると何かが見える。

 目を凝らしていると頭に声が響いた。


 《使用可能スキルに以下があります。使用しますか?


 スキル ─空間把握─ 》


 なんだこの声?

 と思い周りを見渡すが変わった様子は無い。

 よく分からないが返事だけでもしておこう。


「え〜と、お願いします。」


 その瞬間、頭に物凄い量の情報が流れてきた。

 今のこの状況、見ている物体の説明、

 その他もろもろが視覚に表示されたのだ。


「おおっ!これはすごい!

 なんか異世界っぽいな!!」


 思わず声を出してしまった。

 と、次の瞬間激しい頭痛が俺を襲った。

 おそらく大量の情報が流れてきたからだろう。


 《痛みを感知しました。頭痛耐性を入手しました。》


 さっきと同じ声だ。頭痛もなくなった。

 きっとあの声のおかげだろう。ありがとう。


 取り敢えず空間把握?を使って周りを見てみる。

 自分は今、水の中にいる事が分かった。

 そして、上の光点は恒星と表示された。

 おそらく太陽の様な感じだろう。

 近くには大きな壁が連なっている事が分かった。

 一箇所だけ穴が空いており、

 そこから人が出入りしているようだ。

 あの壁の中には国でもあるのだろう。

 出てきた人達は大きな剣や弓を背負っており、

 魔物がどうとか話しているようだ。


「これマジで異世界来ちゃったんじゃね?

 ヒャッホー!!」


 とか騒いでると、

 奥からデカい魚が来るのがわかった。

 体長約1m、大きな牙を持ち食われればひとたまりも無いだろう。


「もしかして、俺の方に来てる?」


 と、次の瞬間大きな口を開き、此方に向かって来た。

 なんとか避けようと身をくねらせ左に避けたが、

 魚の巨大な身に衝突し、大きく飛ばされてしまった。

 まぁ、生きているだけでも幸いだろう。


 《痛みを感知しました。衝撃耐性を入手しました。》


 再びあの声が響いた。

 今度は衝撃耐性を手に入れたらしい。

 耐性はあって困るものでは無いと思うので

 ありがたく思っておこう。


 それはさておき、この環境がかなり危険な場所なことが分かって来た。何度もあんな奴に襲われて

 生き延びれるほど運が良いはずが無い、

 それに生き延びる力があるわけでも無い。

 これは対策する必要がありそうだ。

 おそらくこの世界は異世界だと思うので、何か魔法的な事ができないか考えてみる。

 今の俺の周りには水が沢山あるので、この水を上手く使えないだろうか。


 《スキル─水操作─を製作可能です。

 製作しますか?》


 今度は水操作を手に入れられるようだ。

 今の俺に必要なスキルかもしれないので、

 制作しておく。


 《スキル─水操作─を製作中。製作終了しました。

 これにより水を解析可能です。解析しますか?》


「お願いします。」


 《………水の解析を終了しました。

 酸素、水素、魔素によって構成されています。

 スキル─原子操作I─、─魔素操作I─を製作可能です。製作しますか?》


「お願いします。」


 《スキル─原子操作I─、─魔素操作─を製作中。

 製作終了しました。》


 今度はいろいろと手に入れたようだ。

 これがあればあの魚とも戦えるかもしれない。


 それにしてもあの声は誰なのだろうか。

 こちらから呼び出す事はできないだろうか。

 試してみるか。


「あのー、誰でしょうか。返事をしていただきたいのですが………」


 《お呼びでしょうか、マスター。》


 よかった、返事をしてくれたようだ。

 それにしてもマスターとはどういう事だろうか。


「えっと……あなたは誰ですか?」


 《私はスキル─聡明叡智(そうめいえいち)─です。》


「なんでさっき俺の事をマスターと呼んだんですか?」


 《あなたが私のマスターだからです。

 故に、あなたが敬語を使う必要はありません。》


 そうかそうか、そうゆう事か。

 うんうん意味が分からないな。

 えーと、聡明叡智?がスキルで俺がマスター?

 なんか俺が聡明叡智の所有者みたいだな。

 これはもしかするととんでもないスキルかもしれない。チートって奴か?

 取り敢えずその確認をしよう。うん。


「聡明叡智さんは俺のスキルなんですか?」


 《その通りです。》


 やはり俺のスキルらしい。

 って事は堅苦しい敬語を使う必要も無さそうだ。

 一応、長い付き合いになりそうな相手には挨拶をしておこう。


「聡明叡智、これからよろしく。」


 《はい、よろしくお願いします。マスター。》


 取り敢えずこれから何をしようか。異世界に来たって人間じゃないから街なんて行けないしな。

 そもそも、なんで俺は鯉に転生したんだ?

 俺がこんな姿になった理由が知りたい。

 でもその理由を知る者なんているのだろうか。

 いるとしても神様ぐらいだろうか………神様なんているのか?

 いや、いるに違いない。異世界には神様がいるのが普通だ。少なくとも俺の知識ではそうだ。


 でも神様に会いに行くにはどうすれば良いのだろうか。


 取り敢えず、この鯉生を謳歌してみるか。

 もしかしたら神様に会えるかも知れない。

 それがいつになるかは分からないが………





















 そして鯉としての命を終えた頃


 俺は死んだ。我ながらよく頑張ったと思う。

 身体を見ると、無くなったはずの人としての身体がそこにはあった。

 そして俺は今、真っ白な世界で寝ていた。


「……知らない天井だ。どこだここ。」


 と、その時何も無いところから人が現れた。


「お?やっと目を覚ましたか。いやーごめんね?

 この前は勝手に転生させちゃって。」


 この人は誰だろうか。この前ってなんだ?

 ……面識がないな。多分初めて会う人だろう。


「えーと、あなたは誰ですか?後、前に一度

 会った事ありましたっけ?」


「え?あー、そうか。前は君ずっと気絶してたもんね。

 じゃあ改めて、僕は神だ。

 今は君が前にいた世界の管理をしてる。よろしくね。」


 これはたまげた。神様か。本当にいるとはびっくりだ。


「か、神様ですか。それで神様が俺に何か用ですか?」


「……うん、その事なんだけどさ、君にお願いがあるんだ。

 僕が管理してる世界の管理権を奪おうとする他の神がいるんだよ。

 君にその神をやっつけてほしいんだ。

 あ、僕自身がやっつけに行けば良いって質問は無しだからね。僕そんなに強くないから。」


 色々と突拍子がなさ過ぎて話を上手く飲み込めない。俺に神を倒せとか言っているが俺もそんな力があるわけが無い。ハッキリ言って無理だ。


「えーと…俺が他の神様を倒せばいいって事ですよね?」


「うん。その通りだよ。」


「あの……どう考えても不可能だと思うのですが。」


「ああ、そうだね。確かにその通りだと思うよ。今のままならね。」


「今のままって……何か方法があるんですか?」


「ああ、あるんだよ方法が。

 その方法ってゆうのはね?君の魂を何度も転生させて強くする事なんだ。」


「魂の転生ですか……そんな事が可能なんですか?」


「もちろんだよ。君の鯉生もその一部だったしね。」


 なんて事だ、いつの間にか俺は神を倒す準備をしていたようだ。ってか俺に拒否権無いのおかしくないか?普通どうするか俺に聞くだろう。


「あのー、その話を辞退する事って出来ないんですか?」


「……ああ。僕よりももっと上位の運命神って神様が既に決めちゃった事だからね。

 って事で頑張って!」


「いやいや。急に頑張れって言われてそう簡単に頑張れ無いですよ!」


「だってこればっかりは応援ぐらいしかしてあげられないからなぁ。

 ………あ!そうそう忘れるところだったよ。

 実はね、君が持ってる……聡明叡智だっけ?

 あのスキルって君が一度目の転生をする時に魂の成長と共に与えられたスキルなんだよ。

 その魂の成長ってのが転生するたびに起こるから君はあんな感じの超強いスキルを何度も手に入れられるわけ。」


 こんな感じで神様は俺にいろいろと話してくれた。


 魂は普通、生まれ変わる時に一度分解されて再構築される事。

 その時に記憶もスキルも何もかもリセットされる事。

 魂の再構築に必要な物質の中にスキルを成す物質が含まれている事。

 魂の再構築も魂の成長と同じ事が起こる事。

 才能がスキルとして表れる事。

 俺の魂は再構築されずに転生する事。

 俺の魂は今の状態からスキルを成す物質だけをコーティングされる事。

 魂だけの世界では魂の最も深い核としての部分、俺の人間としての魂の姿が強く表れる事。

 そしてこの仕組みを作ったのは運命神である事。



「おっと、もうそんな時間か。突然で悪いけど君がここにいられるのもそろそろ限界みたいだ。

 そろそろ二度目の転生をしてもらうけど……

 準備は大丈夫?」


「本当に突然ですね……準備も何もまだ承諾してないんですが………

 まぁ、良いです。避けられない運命みたいなので。

 仕方がない事ならその範囲内で楽しませてもらいますよ。」


「ありがとね。そのうち転生が始まると思うからそこで待っててね。」









 …………そしてその直後、俺は白い光に包まれ、再びあの世界に降り立っていた。おたまじゃくしとして。







はいどーもーー。ひなたです。

初投稿という事で張り切って書かせて頂きました。

まぁちょっとテンションがキモいかもしれませんが、大目に見てください。お願いします。

それと至らぬ点がありましたら教えていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。

バイバーイ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 一度鯉になったことと何度も転生することになったくらいしか分からないです。何が言いたいんですかね……。 寝て死んだの?いや驚かないの?って普通に疑問が出てきました。 プロットを作れと言いません…
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