15話 修行再開
今設定を煮詰めてるので投稿頻度が下がると思います。&勉強そろそろしないとヤバイのでしてます。
翌朝
早速デスタの修行が始まった。
デスタの修行相手は紅陽、蛇人族の女性だ。
彼女の修行方法は、俺みたいなスパルタではなく実に理にかなった方法だった。
彼女が魔物を弱らせ、デスタがトドメを刺す。
簡単かつ効率的な方法だ。
紅陽が言うには、魔物を倒すと経験値が手に入るらしい。RPGゲームによく似ているな。
そういえば、俺が魔物を倒した時も何か力がみなぎる感覚があった。ごく僅かな感覚だったが。
あれが経験値の正体だったのかと思うと納得できる。
しかし、デスタは「めっちゃ力がみなぎるっす!!」
と、言っていた。
俺が感じた感覚と大きな違いがあるのは何故だ?
俺も力のみなぎる感じはあったが、それ程大きな感じはしなかった。
これがレベルの差だろうか。
俺は毎日、魔物を狩りまくっているからな。
レベルの差があるのも仕方ない事だろう。
デスタの修行が始まって少し経った頃
最近、少し気になる事がある。
森の魔物が以前より弱く感じるのだ。
俺が強くなっただけ、と言うのも違うだろう。
子供の魔物が多くなった訳でも無い。
魔物は常に繁殖期らしく、大人の魔物と子供の魔物の割合は変動しないらしい。
俺が違和感を感じてすぐの頃、紅陽にも聞いたが
俺と同じ様な違和感を感じていた。
デスタは「え?そうっすかー?」と呑気な事を言っていたが………
まぁ、デスタはあてにならないだろう。
俺が魔物弱体化の理由を考えていると、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた。
あれは………族長か?
「おーい!コウタ様!」
そんな大声で叫ばなくても聞こえてるっての。
そういえばあの竜を似たようなことを言っていたな。
今の俺と同じ気持ちだったんだろうか。
「族長、久しぶりだな。そんなに急いできて一体どうしたんだ?」
族長は息を整えながら用件を話した。
「実は……ワシらの仲間が危ないんじゃ!
助けてくれ!」
興奮状態の族長を落ち着け、詳しい話をしてもらう。
「あれはつい先日じゃ、一匹の蛙が突然体調が悪くなったんじゃ。
ワシはただ調子が悪いだけだろうと様子を見ていたんじゃが、同じような症状で体調不良を訴える者が大勢出てきおったんじゃ!
これはまずいと思った時には遅かった。
始めに体調不良を訴えた者は死に、今も大勢が重篤な状態で弱りきっておる。
このままではワシら一族は滅んでしまうんじゃ!
どうか助けてくれ!」
ふむ、なるほど。
つまり、みんな死にかけってことか?
ってやばいだろ、すぐにでも助けに行かないと!
いや、まてまて。
俺が助けに行ったところで何ができる。
そもそも何故こうなった?
考えてみるか………
そもそも、一番初めに体調を崩した蛙が現れたのがつい先日だ。
族長が言っていたから間違いは無いだろう。
つまり、少しの時間で一族中に広まった事になる。
一体何が原因でこうなった?
「族長、体調を崩した蛙には何か共通点は無いのか?」
「共通点ですか……あるとすれば、あの壁の方向から体調不良の者が増えていった事ぐらいじゃ。」
壁?あぁ、人が中から出てくる壁か。
多分あそこには人間の国があるんだろう。
あの壁の方向から体調不良者が出ているのは分かった。
あの壁、いや人間の国(仮)から何か出ているのか?
例えば毒とか………
人間の環境汚染で生き物が死んでいくのは地球でもよく耳にした。
毒が流れ出してる可能性はゼロでは無さそうだ。
そうか!毒が流れ出しているなら説明がつく。
毒なんて水に溶けてしまえば目には分からない、
それに波紋のように広がる。
森の魔物が飲む川や池の水にも毒が広がっているなら、魔物が弱っていた事も説明がつく。
このままだと蛙族はおろか、この森の魔物全体に被害が出てしまう。
そうなる前に原因を突き止め、毒の流出を止めなければ………