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鯉の天昇り  作者: 陽
第二章
16/16

15話  修行再開

今設定を煮詰めてるので投稿頻度が下がると思います。&勉強そろそろしないとヤバイのでしてます。

 翌朝

 早速デスタの修行が始まった。

 デスタの修行相手は紅陽(こうよう)、蛇人族の女性だ。

 彼女の修行方法は、俺みたいなスパルタではなく実に理にかなった方法だった。

 彼女が魔物を弱らせ、デスタがトドメを刺す。

 簡単かつ効率的な方法だ。

 紅陽が言うには、魔物を倒すと経験値が手に入るらしい。RPGゲームによく似ているな。


 そういえば、俺が魔物を倒した時も何か力がみなぎる感覚があった。ごく僅かな感覚だったが。

 あれが経験値の正体だったのかと思うと納得できる。


 しかし、デスタは「めっちゃ力がみなぎるっす!!」

 と、言っていた。

 俺が感じた感覚と大きな違いがあるのは何故だ?

 俺も力のみなぎる感じはあったが、それ程大きな感じはしなかった。

 これがレベルの差だろうか。

 俺は毎日、魔物を狩りまくっているからな。

 レベルの差があるのも仕方ない事だろう。













 デスタの修行が始まって少し経った頃


 最近、少し気になる事がある。

 森の魔物が以前より弱く感じるのだ。

 俺が強くなっただけ、と言うのも違うだろう。

 子供の魔物が多くなった訳でも無い。

 魔物は常に繁殖期らしく、大人の魔物と子供の魔物の割合は変動しないらしい。


 俺が違和感を感じてすぐの頃、紅陽にも聞いたが

 俺と同じ様な違和感を感じていた。


 デスタは「え?そうっすかー?」と呑気な事を言っていたが………

 まぁ、デスタはあてにならないだろう。


 俺が魔物弱体化の理由を考えていると、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた。

 あれは………族長か?


「おーい!コウタ様!」


 そんな大声で叫ばなくても聞こえてるっての。

 そういえばあの竜を似たようなことを言っていたな。

 今の俺と同じ気持ちだったんだろうか。


「族長、久しぶりだな。そんなに急いできて一体どうしたんだ?」


 族長は息を整えながら用件を話した。


「実は……ワシらの仲間が危ないんじゃ!

 助けてくれ!」


 興奮状態の族長を落ち着け、詳しい話をしてもらう。


「あれはつい先日じゃ、一匹の蛙が突然体調が悪くなったんじゃ。

 ワシはただ調子が悪いだけだろうと様子を見ていたんじゃが、同じような症状で体調不良を訴える者が大勢出てきおったんじゃ!

 これはまずいと思った時には遅かった。

 始めに体調不良を訴えた者は死に、今も大勢が重篤な状態で弱りきっておる。

 このままではワシら一族は滅んでしまうんじゃ!

 どうか助けてくれ!」


 ふむ、なるほど。

 つまり、みんな死にかけってことか?

 ってやばいだろ、すぐにでも助けに行かないと!


 いや、まてまて。

 俺が助けに行ったところで何ができる。

 そもそも何故こうなった?



 考えてみるか………



 そもそも、一番初めに体調を崩した蛙が現れたのがつい先日だ。

 族長が言っていたから間違いは無いだろう。

 つまり、少しの時間で一族中に広まった事になる。


 一体何が原因でこうなった?


「族長、体調を崩した蛙には何か共通点は無いのか?」


「共通点ですか……あるとすれば、あの壁の方向から体調不良の者が増えていった事ぐらいじゃ。」


 壁?あぁ、人が中から出てくる壁か。

 多分あそこには人間の国があるんだろう。


 あの壁の方向から体調不良者が出ているのは分かった。

 あの壁、いや人間の国(仮)から何か出ているのか?

 例えば毒とか………


 人間の環境汚染で生き物が死んでいくのは地球でもよく耳にした。

 毒が流れ出してる可能性はゼロでは無さそうだ。


 そうか!毒が流れ出しているなら説明がつく。

 毒なんて水に溶けてしまえば目には分からない、

 それに波紋のように広がる。

 森の魔物が飲む川や池の水にも毒が広がっているなら、魔物が弱っていた事も説明がつく。


 このままだと蛙族はおろか、この森の魔物全体に被害が出てしまう。

 そうなる前に原因を突き止め、毒の流出を止めなければ………






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