表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

魔法少女でありまして。

 




 ありえねぇ…何で俺がこんなことを。


 恨めしそうな目をしていた俺は、視線を自分自身の身体に移して再び溜息をついた。

 ピンクのリボンに首元のレース、腹が出たスタイルの上の服に、ひらひらの膝上10センチ以上はあるスカート。


 そして、何よりも問題なのは…。


「な、い、ん、だ、よっっっ!!!!!!」


 股間にあるはずのあいつが無い。

 そして、あいつが無いなら、胸にあっていいはずのものも。


「ないんだよ…」


 女になるなら!女になるならさ!!あったっていいだろ!?!?

 ボンッキュッボンを期待した俺の気持ちは!?!?ふざっっっけんな!!こちとら好きで女やってんじゃねえ!!


「やめろ、秩序に欠ける」

「お前はな?胸あるもんな??」

「そういう話じゃないだろ、馬鹿なのかお前」

「はああああん!?!?」


 右隣から俺に嫌味を言う黄色の派手な服に身を包んだ美少女。眼鏡をかけたスタイル抜群の魅惑的な彼女を見た者は、所謂目がハートになるに違いない。


 だが、俺は正体を知っている。


 こいつは…こいつの正体は……。


「ムッッッキムキの、男子高校生でええええええええええええっっっっすうう!!!」

「君、そういう夢のないことを言うんじゃない」

「…ケッ」


 諌めるように言ってくる左隣の美少女を見て、俺は顔をしかめる。青色の綺麗な服に身を包んだ細身の活発そうな彼女は、形の良いお尻を強調するように片足に重心を傾けていた。


「お前だって、男子高校生だろうが」

「そんなことわかっているに決まっているだろう。そんなこと言ったら、君だってそうじゃないか」

「…」


 俺はこいつらが嫌いだ。煩いし、まず性格が合わない。片方は嫌味ばかりだし、片方は正論しか言わない。今まで生きてきた中で俺が極力避けてきた人種である。


 だと言うのに、一緒に戦う運命だとか言いやがる。


「たまったもんじゃねえな」

「それには同意だ」

「僕もそれには同意かな」


 珍しく意見が合った俺たちは、ギロリと前方の敵を見据える。


「それじゃあ、」

「まあ、」

「行きますか」


 俺たちは、


「「「魔法少女」」」
















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ