9 修行
長くかいてみました
とうとうグロムが強くなります!
「狂気をあなたに惚れさせることです!」
この子なに言っちゃってんの?
「いや無理ですから」
「できるできないじゃなくて、やるんです! それしか方法はないんですから」
ぐぬぬ
そうだけどさ、無理じゃん
「大丈夫です、あの子の好きな男の人は大体わかってますから」
「どんな人ですか?」
「それはですね、強い人です」
「心が強い、ですか?」
「心と体、どちらともですね」
「難しいな」
「大丈夫ですよ、怒りさんに話して修行すればいいだけですから」
「ああ、なるほど」
1人で強くなるのには限界があるし、相手がいた方が早く強くなれる
しかもお父さんみたいなきついものじゃないだろうし
「わかりました! 頑張ります!」
「では、怒りに変わりますね」
「さよならー」
その後、メルの雰囲気が変わる
「やっと私の番か」
「久しぶり」
「そうだな、それで、私にして欲しいことって何?」
「僕、強くなりたいです!」
「だから私の弟子になりたいと?」
「は、はい!」
弟子って
完全に乗り気じゃん
「師匠! よろしくお願いします!」
「おう! まかしとけ」
やった! 頑張るぞ!
------1時間後
「おらおらおらぁ、もうへばってんのか?」
「はあ、はあ」
くるしい! 死んじゃう!!
メルが言った修行内容は極めてシンプルだったが、鬼だった
「なんだよ! 10時間マラソンって!」
「おいおい! 普通だろ! 一生懸命走れ!!」
「死ぬーー!!!」
結果僕は走りきった
しかもそんな地獄みたいな日がずっと続いた
そしたら体の余計な肉が無くなり、バランスの良い感じで筋肉がついた
それは1ヶ月間続いた
------1ヶ月後
僕は1ヶ月間ずっと修行を続けた
その間に狂気は1度も出てこなかった
善意さんが何かしてくれているのだろうか
そしてその1ヶ月の間にたくさんのニュースがあった
その中で1番びっくりしたのは、異世界からの勇者が団体で召喚されたらしい
しかもみんなとても強くて成長も早いらしい
「メル、今日も修行を」
「悪い、もう無理だ」
「え?」
どういうこと? 僕が全然強くならないからもう無理って意味?
「どうしてだよ」
「もう帰らないといけないだろ」
「あ!!」
そうだ、メルがここにいるのは1ヶ月間だけ
もう1ヶ月はたっている
「うん…そうだったね、いままでありがとう」
「え…ありがとな、また今度遊びに来る」
「うん、きっと来てよ」
なんで間があったんだ?
ガチャッ
「おーい! メル! 来たぞ!」
「久しぶり、父さん」
「久しぶりだな?、1ヶ月間一緒にいなくて泣かなかったか?」
「泣かねえよ! ぶっ飛ばすぞ!」
「ははっ、冗談だ」
「ったく」
いいコンビだ
本当にメルは帰るのか
…なんだこの気持ちは
まだいてほしいけどしょうがない
わがままはダメだ
そのとき、自分の心がふたつに割れた
「おいグロム、帰らせていいのか? 狂気は? 善意は? もう飽きたのか」
そうじゃないけど、しょうがないし
「この1ヶ月間お前は何をしていた、ただ強くなるためか? 違う、狂気を惚れさせるためだ、そのためにはメルがいてもらわなくてはこまる」
そうだな、でも
「でもじゃない、帰らせなければいいだけだろう、なんでそんな簡単なことがわからない」
そんな簡単なことじゃないんだ、メルに残ってもらうには
「簡単なことだ、あの男を殺せばいい」
殺す? そんなことできない
「じゃあ自分が上だと示せばいい、そしたら嫌でも従うだろう」
だけど…
「ったくめんどくさいな、いいことを教えてやる、僕はお前の 本心 でできている疑似的な人格だ、お前がなんと言おうと僕が本心なんだ、だから勝手に決められたらこまるんだよ」
本心 とやらはそう言うと、グロムの中に入り込んできた
そのせいか、グロムは自分が本当に思っていた本心が爆発した
そうだ、殺さなければいいだけだ、だから殺さないように殺すんだ
「ラングスさん、お話があるんですが」
「おまえは確かグロムだったな、で、なんだ?」
「僕と戦って欲しいんです、そして僕が勝ったらメルを置いていってください」
唐突すぎるが今は時間がない
「あっはっはっはっ! メルってそんなにモテるタイプだったっけか?」
「いいでしょうか?」
「ま、暇だしいいだろう、俺が勝つけどな」
それを聞いていたお父さんとお姉ちゃんが、僕をガン見しながら話しかけてくる
「ダメよグロム! めいわくでしょ!!」
「でも俺は見てみたいな、息子が戦うところを」
「父さんまで…」
「じゃ、決まりだな、ルールは適当でいいだろ」
「俺が決めさせてもらうよ、剣は木製のみ、参ったと言ったほうが負けな」
「それでいいです、ありがとうございます」
「あと観客なんだが、俺の友達もいいか?」
「ラングス、お前友達いるんだな」
「よし、始めよう」
いい感じにスルーされたな
まあ戦えるからそこらへんはどうでもいいけど
------外
「じゃあ今からラングス対グロムの戦いを始める、ルールは参ったと言った方が負けだ!」
お父さんはオモチャの笛を吹いた
開始の合図だ
合図と同時に僕はラングスさんめがけて走り出す
そして手にもっている木刀を右斜め前に投げた
ラングスさんは左に避ける
だが僕が攻撃しやすい状態で待ち構えていた
僕は拳を前に出す
だが簡単に避けられる
「ちっ、早いな」
「ははっ、この速さにもついてこられないなんて、よくメルの男を名乗り出たもんだ」
いや名乗り出てないからな
そんなことを考えながら僕は後ろに下がり、攻撃をまつ
だがそれは全く意味がなく、僕はぶっ飛ばされる
しかもラングスさんが、追撃をしかけてくる
僕はよけれるはずもなく、壁にめり込む
「ぐっ、はああ」
「はははっ、ギブアップか?」
僕は参ったを言わずに立ち上がり、ラングスさんへと走り出す
ラングスは予想外だったのか、笑顔でまたすぐに攻撃してくる
「なに!?」
周りにいたみんながびっくりしていた
グロムがラングスの攻撃を避けたり、受け流しはじめたからだ
ラングスはやばいと思い、強力な一撃をいれる
グロムは腕が変な方向に曲がりながら飛んでいく
「あ! 悪い!!」
「大丈夫だ、参ったと言わないグロムが悪い」
みんなには完全に腕の骨が折れたように見えた
いや、実際に折れていた
「グロム大丈夫!? 誰か回復魔法を使える人を呼んで!」
「大丈夫だレビン、グロムを見てみろ」
なんとグロムは立っている、しかも腕の骨は折れていない状態で
グロムは走り出す、だが前とは比べ物にならないほど早い
ラングスはいままで本気を出していなかった
でももう本気を出さないと勝てないと、本能でわかった
「うおおおおおおお!!!」
グロムはさっき投げた木刀を拾い
上から振り下ろし、ラングスへ攻撃する
ラングスはグロムの木刀を弾き返そうとするが、すでに木刀は握られておらず、ラングスはグロムの木刀をぶっ飛ばす、この状態では防御できない
グロムは木刀を離した後、姿勢を低くしてラングスの腹に拳を叩きこみ、右に回した
「ぐおおおおっ!!!」
ラングスは回転しながら飛ばされていき、壁にめり込んだ
勝ったのか?
そんな甘い考えをぶち破るようにラングスは壁からでてきて能力を解放した
「能力解放、『身体超強化』」
そう言った瞬間、ラングスはグロムの目の前にいた
そのあと、グロムの腹に100回蹴りをして、1回強烈なパンチをくらわせた
グロムはすごいスピードで飛ばされていき地面を転がっていったあと、糸が切れたように動かなくなった
「グロム!」
そんな声はもう聞こえなかった
グロム死んじゃいましたね
戦うところを書きたかったので予定変更して無理やり戦闘シーンをつくりました
『裏情報』
グロムと同じ5歳達の中である事件がおきている、それは稀少能力大量発生事件である
稀少能力は100人から1000人に1人の確率だが、今回は5人から10人に1人の確率で発見された
稀少能力は危険な能力もあるため、今の5歳は警戒されるだろう
『ミニ情報』
怒りの人格はもともと男だったが、女の子の体に入ったせいで考え方などが体に引っ張られて、女の子のようになった
善意は103歳です