表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/61

第十二話 予想外は突然に

分かったことは、自分が魔術を使えないこと。


魔術を構成する文字を破壊することで、魔術は発動させられなくできること。


ってくらいなもの。


何だかんだ言っても、自分の身を守るくらいはできそうなんじゃないか。


あとは、ゴブリンの軍、というくらいだから規模や進行方向、知性、能力などは把握しておくに超したことはない。


最悪の展開も予想しておこう。


例えばーーだ。


俺のように召還された者、あるいは転生したものが軍を率いているケース。


この場合、無暗に戦闘するよりは避難という手段をとるべきかもしれない。


未知の道具による攻撃。


あるいは、銃のような兵器を持ち出す危険性もある。


銃+魔術で、例えば電磁銃<レールガン>とか作られてていた場合は、即避難だ。


まだ、小型のマシンガンなら可能性はあるかもしれない。


二つ目、これはゴブリンの武装が予想を上回った場合。


人、あるいは魔物、獣人より盗み、知識をえるという部族らしいが、その技術がこちらを上回った時は勿論、非難する。


命は一つしかない。


大事にしなければならない。


まぁ、俺のは跡付けでもいいくらいだが。


如何せん、情報が足りなさすぎる。


「ノアさん、ゴブリンの進行具合はどれくらいですか?」


「え、あっ、はい。北方の、3つほど奥の山を越えたところだと」


「種族的にみて、この村までの到着予想は?」


「日が14回昇ってから、でしょうか」


約二週間。


より具体的な情報が欲しい。


「ルゥ、クロエ」


「ハーイ」


「ナン、デスカ?」


声が2つ聞こえる。


おかしい、喋れたのはルゥだけだったのではなかろうか。


ってアーラ、何食べてるの?


水色っぽいソレはもしかして?


「クロエ、ルゥを食べてるのか?」


「ルゥ、イイ、イッタノ、デ」


ここは異世界だ。


確かに、俺の関与するところではないと思う。


けど、それでもだめなものはだめだ。


しっかりと、意思を伝えていなかった俺にも責任はあるのだが。


「クロエ、それにルゥもだ。よく聞いてくれ。俺は、友達同士で喧嘩したり、食べあったりして欲しくはない。ルゥもクロエも、どちらも俺の大事な友達なんだ」


「ゴメ、ナサイ。レンサマト、ハナス。ウラヤマシ、ダタ」


あぁ、そういうことだったのか。


「ゴメン、俺の配慮が足りなかった。けどね、そんなことをしてしまったら、他の魔物もルゥの体を食べたり、もしかしたら、クロエのことも狙ってくるかもしれない。折角できた友達を失ったら俺、悲しくて泣いちゃうよ」


本当に、そんなことを思ってしまったら涙が出そうだった。


情に脆い。


情けない。


「ワカリ、マシタ」


「キヲツケルー」


気をつけなければならないのは、こちらも同じ。


魔物の習性については、しっかりと学ばなければ。


勉強しなきゃ、だなぁ。


「うん、ありがとう。ところで、二人にはゴブリンの様子をみきて欲しいんだけど……頼めるかな?」


「デキルー」


「マカ、セダ、イ」


「じゃあ、夜に詳しく話をするよ。そうだ、ノアさんやネアちゃんーはいいか。さっきみた話は」


と振り向けば、あんぐりと口を開けているノアさんを心配するネアちゃんがいた。


すごく泣きそう。


これ、とにかく何とかしなければならない。


「救患だ、ドクターはいるか、この中にドクターはいるか!?」


思わず叫んでしまったが、いるはずもないか。


異世界だもんな。


「いや、冷静になれよ……病気って感じではなさそうだし、とりあえずベッドには運ぼ。皆、手を貸してくれる?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ