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准男爵の後悔2

 私は開発を失敗した領地を去る前に、公爵に挨拶に向かった。

 開発に失敗し、公爵の期待に答えられずに、この地を去るのだから、ほとんど裏切りに等しいような行為である。

 ただただ自分の無能を恥じるばかりだ。


 私は恥ずかしさから、公爵の前に出るのを躊躇う気持ちになってしまった。

 しかし、公爵は、領地としていただいた土地は、公爵の公都から離れてはいたが、それ以外のことでは、私を最初からこの地の開発に参加した者と同じように扱ってくれた。

 公爵の率いる官僚たちは、この土地の開発ノウハウなども知る限りのことは、こちらが質問さえすれば何でもきちんと教えてくれた。

 開発に必要な魔石、苗木その他の物資も公平に、きちんと最低限の金額で分けてもくれた。

 正直、上司としては、これ以上はないと思える上司だったと思う。


 それを考えると、公爵に挨拶もしないでこの地を立ち去ることは、余りに義理を欠き、貴族としての礼儀に叶わない行為だと私には思われた。

 私は恥を忍んで、退去の挨拶に向かったのだ。


 私が公爵に面会を求めると、通された部屋は私の子爵という地位に相応しい部屋だった。

 私は型通りの挨拶を交わした後、本題に入る前に、まずその部屋に付いて話題にした。


 「公爵、このような上等な部屋に通していただき光栄なのですが、私には過ぎたる待遇で肩身が狭い思いをしております」

 「何を言うランドランス子爵。 其方の爵位ならば、この程度の部屋に通すのは当然のことであろうが」


 公爵は私の言葉に、ちょっと不思議がる顔をされた。

 そのことに私の心は針で刺されたように痛んだ。 今から自分はそれが過ぎた待遇であることを説明せねばならないのだ。


 「公爵、私が今日ここに来たのは、私自身の無能を公爵に告白し、叱責を受ける為と言うのも一つの理由です。

  言葉を選ぶ意味もありません、単刀直入にお伝えします。

  私は領地の開発に失敗してしまいました。

  もうどうにもならず、公爵からいただいた土地を返上し、すぐに王都へ戻る算段になっています。

  閣下に多大な温情を掛けていただいたのに、この始末です。

  どの様に閣下に罵られようが、そのまま受け止めるしかない身です。

  今は確かに子爵ですが、戻ればすぐに降格が待っていますから、私は現在はこの部屋に通していただける様な身分ではないのでございます」


 言葉にしだしたら、私は止まることができず、一気に捲し立ててしまった。

 公爵は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに少し悲しげな顔になられてしまった。


 「ランドランス子爵。 うん、わかっている、しかしまだ王都に着くまでは子爵なのだ、ここではそのまま子爵で良いではないか。

  改めて、ランドランス子爵、其方も駄目であったか。

  実は其方以外にも何人もが、開発を失敗し、既にこの地を去り、王都へと降格を覚悟の上で戻っている。

  陛下もこの東の地の開発が大変難しいことは熟知しているので、戻る者が多いので、特別に当主の降格も家臣と同じ1段階にするという、温情ある特例を認めている。

  この地の開発に失敗したことは、残念なことではあるが、私はそれを責める様なことはしない。

  困難な事業であることは最初から分かっていたことではあるし、その困難を私自身が毎日感じてもいるのだ。

  其方は運がなかった、ただそれだけのことであろう」


 公爵から掛けてもらえた言葉は、私が想像していたモノとは全く違い、優しさに溢れる言葉だった。

 私は逆に申し訳なさが募ってしまい、咄嗟に返答する言葉が出なかった。

 公爵は言葉を続けた。


 「王都に戻れば、男爵に降格となるだろうが、それだけでは済まず、これからも様々な困難なことがあろう。

  諦めずに心を強く持って、これからの困難に立ち向かって行くが良い」


 私は少し心を立て直し、公爵の言葉に答えた。


 「閣下、私は陛下に特例を願わず、2段階の降格を受け入れるつもりでおります。

  ですから次にお会いすることが叶うとしたら、その時は私は准男爵になっていると思います」

 「何故、その様に意地を張ることがある。

  せっかくの特例なのだ、1段階の降格で良いではないか」

 「いえ、私はこの地に来る時に、先代陛下からいただいた領地を返上するという、恩を仇で返す様な過ちを犯しています。

  そしてこの地では、開発に失敗するという大失態を演じています。

  どちらも大きく降格に値する様な事柄です。

  これで1段階だけの降格で済ましていただくのは、あまりに貴族として無様です。

  私としては2段階の降格でも十分過ぎる温情だと思うのです」

 「なるほど、そうか。

  そこまでの決心ならば、その点に付いてはもう何も言うまい。

  しかし其方は正直者であるな、降格のことについてもそうではあるが、こうして私に別れの挨拶に律儀に来るのも、その証拠だ。

  開発に失敗して王都に戻る者は、私に顔を見せるのは気がひけるのであろう、きちんと別れの挨拶に来たのは、其方が初めてだ。

  爵位が下がろうと、普段の身の置き場が王都とこことに離れようと、何かの折には顔を見せてくれると嬉しい。

  再見を楽しみにしているぞ」


 公爵との別れの会談は終わった。

 別れ際、公爵が呟く様に言った言葉が気になった。 その言葉は私に向けたものだったのか、それとも内心がふと口から出てしまったのだろうか。


 「全てを失って王都に戻ると思っているだろうが、運は逆に拾ったのかもしれないぞ。

  逆に私は、もしかすると時勢という運気から大きく離れて、もう戻ることも出来ないのかもしれない」



 王都に戻り、私とその家族は、情けないことではあるが、私の母親の実家を頼ることになった。

 私の元家臣達は、私が王都に戻った時にはもうすでにそれぞれの新しい寄親が決まっていたし、心配していた領地を去って行った元領民達も、もちろん元の自分たちの居住地に戻る事は出来なかっただろうが、王都周辺での人手不足もあり、みなそれぞれに新しい居場所を見つけたらしい。

 実はそういう情報も、全て母親の実家の伯父から聞いた話なのだ、「元家臣や元領民達に関しては何の心配も必要ない」と。

 ただし、領民達はすぐに大丈夫だろうが、家臣達は自分達の常識を変えることに最初は苦労するかもしれないとのことだった。


 私たちが頼った母親の実家は、元は今では遠い私たちの家の本家に当たる、ハイランド伯爵家の寄子の男爵家だった。

 父が母を娶る時には、まだ父は祖父から受け継いだ男爵だったので、まあ、一門の中でちょうど良い相手ということだったのだろう。

 その後、父がハイランド一門から完全に離れ、王家に忠実な家となり爵位も子爵に上がったのだが、祖父がそのことを生前危惧していたのと同様に、母の兄である伯父も心配していたらしい。

 「一門を離れ、王家に忠実に仕えるのは、代替わりというリスクがあるからなぁ」と。

 まあ、その祖父の危惧や、伯父の心配は私の代でしっかりと当たってしまったのだけど。


 伯父は長く単なるハイランド伯爵家の寄子の男爵として、ハイランド家に仕事を任されたり、時によっては直接王家から仕事を受けるという生活をしていた。

 まあ、良くいる普通の男爵家だ。

 ところがここで、私にとっては悪い転機ではあったが、伯父にとっては大きな幸運をもたらす転機になったのだ、公爵とブレイズ伯爵の領地交換は。

 伯父は、領主が去ってしまった領地の一つを陛下から賜る恩恵に預かったのだ。

 王都に残った全ての男爵がその恩恵を授かった訳ではないから、きっとそれまでの働きを、ハイランド伯爵家か、それとも王家かは分からないが、評価してのことなのだろうと思う。


 私は当初、伯父を頼ることに躊躇いを覚えていた。

 領地開発を任された元寄子の男爵家の財政なんて火の車に決まっている。

 私はかなり裕福な方の子爵であった自覚があるのだが、それでも領地開発に失敗して今の事態なのである。

 とても領地開発に乗り出したばかりの男爵家に、私の家族を受け入れる余裕があるとは思えなかったのだ。


 私は、どこか別の家に受け入れてもらえるところを探すべきだと、頭では理解していた。

 しかし、自分でも愚かなことだと思っているのだが、元は西の町直近の領地を任されていた子爵だったというプライドが邪魔をして、なかなか受け入れてくれるところを探すという決心が出来なかった。

 そんな愚にもつかない逡巡をしていた時に、伯父の方から声を掛けてきてくれたのだ。

 どうやら母が私のその状況を見かねて、伯父に頼んでくれたらしい。


 「ウォーリス、何を愚図愚図している。

  何の心配もする必要はない、すぐに私のところに来れば良いのだ」

 「しかし、伯父上。

  伯父上も領地を拝領し、そこの開発に取り組み出した真っ最中と聞いております。

  そんな時に私たちが迷惑をおかけするなんて」

 「ウォーリス、お前は本当に現実が見えていないな。

  今はどこの家でも開発のための家臣が枯渇しているのだ。 それは私のところも変わらない。

  お前は甥だから、家臣という訳ではないが、わざわざ2段階の降格を望んで准男爵になったということは、それなりの覚悟も出来たのだろう。

  それなら、他よりは私の下で働いて、今までの自分の見識の間違いを見つめるが良かろう。

  ま、私としても助かるからな」


 伯父は考えられない程気楽な調子で、私たち家族を自分のところに来る様にと言った。


 「良いのでしょうか、私たちがご迷惑をおかけして」

 「少しも迷惑などではないから安心しなさい。

  さっきも言ったであろう、今は開発のための家臣がどこも足りていないのだ。

  お前が私のところに来てくれる事は、お前達の利にもなると思うが、私もそれによって大いに助かるのだ」


 私はその伯父の好意を受け入れることにした。


 「ただし、これだけは言っておかねばならない。

  お前は私の甥であるから、家臣ではなく家族に準じた扱いにするが、自分でも分かっていると思うが、もう子爵ではなく准男爵だ。

  それを忘れず、子爵だった時と同じ態度を周りに見せてはいけないのだと肝に銘じる様に。

  それと、お前が前の領地を返上し、新たな領地の開発に乗り出した経緯を私は理解している。

  そこには大きな間違いが一つある」


 ここで伯父は私から視線を外し、一度その視線を父に向け、もう一度私に戻してから話を続けた。


 「その大きな間違いというのは、領地開発を失敗したということではない。

  新たなことに乗り出す時に、自分でそのことをしっかりと考えずに、もう一家の当主であるのに、他の者の意見に流されてしまったことだ。

  それだから、現状の把握もきちんと行わずに、無謀なことに乗り出してしまったのだ。

  お前がもし現在の状況をきちんと把握しようという努力を当時していて、その上でなおかつ失敗をしたのなら良いが、私にはそうは見えない。

  そもそも、きちんと把握していたなら、領地返上は有り得ないことだったからな。

  はっきり言おう、お前の父の考えはもう今では古いのだ、時代に合っていないのだ。

  これからはお前が本当の一家の当主として、自分の考えで物事を進めなさい」


 私はその伯父の言葉に、本当に頭を思いっきり殴られたような衝撃を受けた。

 私はそれまで、今回のことを自分の考えで進めて失敗してきたと思っていた。

 だが、伯父に言われて、その瞬間頭の中でそれまでのことが一瞬で駆け巡った。

 そしてその駆け巡った記憶の中に、自分自身が一生懸命に考えたり、考えるために情報を自ら得ようとする姿は一瞬たりともなかったのだ。

 父に言われたこと、家臣に言われたこと、私はそれまで自分で考えて行ったこと、命令したことが、全てそう誘導されていただけのことであることに、その一瞬で気がついたのだ。


 私は顔から血の気が引いたのが自分でも分かった。

 そして伯父が、そんな私のこれまでの状況を理解している意味も分かった。

 母はこれまで、そんな状況の私に気がついていて、それを心配し、兄である伯父に伝えていたのだろう。

 母の顔を見ると、心配そうに私の顔を見ていて、私の推測が正しいことが分かった。

 父は顔を下に向けて見られない様にしてはいたが、少し震えていた。


 その父の姿を見た伯父は、少し父の弁護もした。

 「お前の父が、お前を貶めようと思ってしていたことではない。

  我が義弟は、自分の息子が失敗をしない様にと、自分なりに精一杯、己の信じる道をお前に指し示していたのだ。

  ただ、その判断基準は、もう既に過去のものであって、今の時代には合わないものであったのだ。

  一つには自分が一線からは退いた身であったからかもしれない。

  酷な言い方だが、私でも気がついた時代の変化を、若いお前が見落としてしまったのは、お前自身が一家の主人である自覚が足りなかったからだろう。

  譲られた後も、お前は心ではまだ父を一家の主人だと思っていたから、自分で判断する気持ちに欠けていたのだ」


 全くぐうの音も出なかった。



 伯父の仕事を手伝うようになってから、私は王都周辺の新たに領地を得た者たちが、みんな領地の経営に成功していることを知った。

 私は最初、ただあり得ないと思った。

 新たに領地を得た者のほとんどは、伯父を含めてだが、かつての私よりも爵位の低い者だった。

 自分より爵位が低かった者だとしたら、新たに領地経営を始めた時に持っている金銭的余裕は、私より少なかったはずだ。

 いくら王都近くの方が、環境的には穏やかだとはいえ、経済的な余裕が少なかったはずの者が、私とは違って領地経営に成功しているなんて、あり得ないとしか私には思えなかったのだ。


 私は、自分が領地の開発に失敗したのに、過去にブレイズ伯が成功したのは、経済的基盤の違いだと考えていた。

 開発を始めた当時はブレイズ伯も伯爵ではなくて、私と同じ子爵であった。

 私との違いは、ブレイズ伯には自分で経営しているカンプ魔道具店と、夫人の実家が経営していたエリス雑貨店が後ろにあったからだと思っていた。

 どちらも今ほどではないが、他の同様の店とは比較にならない大きな店なのだ。

 その経済的な優位差が、ブレイズ伯と自分の、成功と失敗という違いに繋がったのだと思っていた。


 確かに、それは否定できない事実ではあるとは思う。

 でもそれでは、伯父を含めた、王都周辺の新たに領地を得た者たちの成功は説明できないのだ。

 私は大きな疑問を抱えたのだが、そんな疑問はすぐに答えが分かった。

 使用している魔道具の性能差が圧倒的なのだ。


 私は今まで、公爵の影響下の場所にのみ暮らしていたので、カンプ魔道具店による新方式の魔道具を使用したことがなかった。

 この伯父の領地で暮らすようになって、初めてカンプ魔道具店の製作による魔道具を使うことになったのだが、従来の魔道具との性能差は圧倒的だった。

 従来の魔道具を使うのと、新方式の魔道具を使うのでは、掛かる経費が全く違い過ぎるのだった。

 一番の問題となる水の魔道具では、まず第一に従来型の魔道具では、一つの魔石が使い終わった時には、その魔石は駄目になっていて、魔石一つを買い換えねばならないのだが、カンプ魔道具店方式の魔道具は、魔力を貯めた魔石の交換だけで済み、その魔力を貯める魔石は10回以上繰り返し使えるために、従来方式の魔石1個を買うよりも、ずっと低価格で取引がなされている。

 そして魔石1個を交換すると、新方式の方は従来型より倍以上の期間使えるのだ。

 これでは勝負にならない。


 聞けば、カンプ魔道具店方式の魔道具は最初に売り出されたコンロから、この特徴は備えていたので、従来型をあっという間に駆逐して、店が大きくなったのだという。

 ただしこの方式の魔道具は、ほとんどの魔技師を単に魔石に魔力を込めるだけの存在にしてしまうので、公爵は魔技師の、そして魔導師全体の、つまり貴族のあり様を変えてしまうかもしれない技術として危険視した。

 そこで、この技術の有用性を認めて推進しようとした現在の陛下と、危険を見て大きく制限を加えようとした公爵の対立が深まったのだ。


 私はこんな重要なことにも、全く目が向いていなかった。

 西の町に自分の領内の物産をいかに高値で売るか、何が必要とされていて、何が売れるか、そんなことしか考えてなくて、周りを全く見ていなかったのだ。


 公爵は当然、この新方式の魔道具の有用性に気が付いていたのだろう。

 その上で、それが含む危険と天秤に掛けて、新方式を採用しない方向を取ったのだろう。

 ところが、陛下だけでなく、3伯爵は揃って新方式の有用性の方を選んだのだ。

 私の元々の本家のハイランド伯と、グロウヒル伯がそちらを選んだのは理解できる。

 何しろ、自分の息子と娘が、ブレイズ伯と一番最初から組んで、その魔道具の開発を行ったのだから。

 しかし、ブレディング伯までもが、それに加わっている。

 もし私が、祖父の様に片足は一族の方に重さは軽くても残していれば、それまではその新方式の重要性に気づいてなかったとしても、それを聞けば、どうしてブレディング伯までもがと疑問に感じ、もっと慎重に検討してみようと思ったのかもしれない。

 私はそこでもみすみす気付くチャンスを見逃していたのだ。

 私は目を瞑って生きてきたのだろうか。


 そして、王都周辺の新たな領主達が失敗しないで、きちんと領地経営が出来ているのは、皆、領地経営の仕方を習いにブレイズ伯に研修生を送り込んだからだと、伯父の家臣から聞かされた。

 伯父の領地でも、その開発手段は全てブレイズ伯家から教わった通りだそうだ。

 そしてブレイズ伯家では、誰でも疑問に思うことを質問すれば、その専門家の家臣が分け隔てなく、何でも教えてくれるというのだ。

 それだから王都周辺の貴族で、ブレイズ伯家のことを悪く言う貴族はないとも。


 私は東の地に居た時、自分とブレイズ伯を比較して考えていたのだが、こうして王都に戻りブレイズ伯、いやもう少し大きくブレイズ伯家のことを知る様になると、とてもじゃないが自分との比較対象になんてならないと思い知らされた。

 そして、より一層、自分が何も見ず、何も考えていなかったことを理解した。


 それに私が本当に打ちひしがれた事実は、私の元領地は、その後グロウランド子爵に下賜され、今ではグロウランド子爵は西の町の代官も兼ね、その領地は私が領主をしていた頃とは比較にならない発展を遂げているという事実だった。

 私に、物事を見て考えることが出来たなら、一時的な領地経営の落ち込みを耐えて、今のグロウランド子爵の様に、自分の領地として発展させることも可能であったかもしれないのだと思うと、あまりに苦い敗北感だ。


 公爵が最後に独り言のように呟いたこと。

 私はその真意が分かる気がしてきた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 良くも悪くも公爵が貴族然としている所。 敵側の貴族だから悪!としているのではなく、良い意味で保守派的な思考で動いている。
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