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クロノ・レボルト〜2度目の革命〜  作者: 田坂屋台
交流会編
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おいでよマーリシティ

 二人は部屋に入り、向かい合うように座った。


「さて、ルナ?」


「う〜、私もサボりたいからって交流会に出ようとした訳ではありませんし――」


「あー、そっちの話は今はいい」


「え?」


 説教されると覚悟していたのでハンスの言葉にルナは少々戸惑った。


「いや、少しは交流会に関係することか。ルナ、お前には交流会当日までに俺のサポートなしで魔力を完璧にコントロールできるようになってもらう」


 ハンスの言葉にルナは首を傾げた。


「えー、なんで? 私は今のままでもいいと思うんだけど」


「確かに本来なら今のままでいいと思う。普通の杖だったらな。俺は一刻も早く元の姿に戻りたい、けど俺が元の姿に戻れたとして、そのあとお前はどうする?今のままだと少し前の状態に逆戻りだ」


 ルナは話を聞いて少し不満げな顔を見せ、


「でもいっぱい練習したりしたけど全然コントロール出来なかったもん」


 ハンスは体を横に逸らし、唸った。


「そこなんだよなぁ」


「ん? どゆこと?」


 ルナが不思議そうに聞く。


「お前魔力の調整はヘッタクソのくせにかなりの数の魔法が使えるだろ? それも全属性。普通ならただの火の玉とかが出るのが精一杯の筈だ」


「それは昔先生も言ってたけど、出来るもんは仕方ないじゃん?」


 と、ルナは開き直る。


「まぁ、一応何かしらの原因があるはずだ。それが解決出来たらお前は天下の大魔導士になることだって出来る」


「ほんと!」


 ルナは目を輝かせ、身を近づける。


「ああ本当、本当。俺の知り合いでもお前より魔力の多い奴は居ない。魔力のコントロールさえ出来ればお前は無敵だ。だから今日はゆっくり休んで明日に備えろ」


「はーい」


 ルナはハンスを離しベットに飛び込む。


「おい、だから雑に扱う――。まぁ、今日はいいか」


 ルナは枕に顔を埋めてすぐに寝息をたてた。その様子を見て、ハンスはベットからだいぶ離れた所までフェアリー・フレンズを使って移動してから休みを取った。




 翌朝、ルナは街へ出かける準備をしていた。


「ねー、ハンスー。この服どうー?」


 赤いワンピースを身に纏い、ルナはくるっと回ってハンスに見せびらかす。


「どうって、お前が気に入ればそれでいいだろ」


「女の子は他人にどう見られているのか気になっちゃうの! 何でもいいから何か意見言ってよー」


「はぁ……そうだな……あ、そうだ。ちょっとその帽子被ってみろ」


 ハンスが見つけたのはクローゼットの中に埋もれていたトンガリ帽子。ルナはそれを引っ張りだして被ってみた。


「あー、うん。上の方がなんか寂しかったからこれでスッキリした。」


「ねー、これ本当に似合ってる?」


「少なくとも俺はいいと思ってる。ほら、わかったらさっさと出かけるぞ」


 ルナは少し不満げになりながらも鏡に映る姿を見てまんざらでもないように微笑む。


「準備出来たよー!」


 ルナはハンスを握りしめて寮から飛び出し、そのまま街へと一直線に走って行った。


「着いたよー。ここがマーリシティだよ」


 キャメロン王国の中心部に位置するマーリシティ。国王アーロンが住む聖城がシンボルとなっており、豊富な魔力が常に街全体を覆っている。


「凄い魔力の質だな。これだけ人がいて全く息苦しさを感じない。それどころかいつもよりも調子が良く感じる」


「このお陰でこの国の人たちはみんな長生きしているの。凄いでしょ!」


「この感じ、もしかしたら魔力操作の上達に使えるかもな」


「とりあえず、この辺ぶらぶらしようよー。私も久しぶりに来たんだから」


 ルナとハンスは街中を歩き回った。


「あー! 新しいアイス売ってるー! ちょっと寄って行こうよー!」


 しかし、息抜きは充分にあっても、


「ねーねーハンス、これとこれ使ってデコ杖していいー?」


「人の身体で遊ぶな! というかもう付けてんじゃねーか!」


 修行と呼べるものは何一つなかった。


「あ、ここにお店出来たんだ。ねーハンス、ちょっと寄って行こう――」


「なぁ、お前おもいっきり遊んでるよな? ただ単に遊びたいからこの街に来ただけだよな?」


「そ、そんなことないよ。修行前のルーティーンだよ。ルーティーン」


「はぁ……この調子じゃ今日のところはもう――」


 ハンスが不意に言葉を区切る。気になったルナは辺りを見回すと、道の真ん中でおどおどしている小さい女の子がいた。


「ハンスー。あの子、迷子かなぁ?」


 しかし、ハンスは答えない。


「もう、慈悲がないんだから。ねー! あなた、どうしたの? 迷子?」


 ルナは女の子に近づき、手を差し伸べるが、女の子はその手を振り払う。


「ば、バカにしないで! 誰が迷子になってるって?」


 小さな身体でルナを見上げる姿は可愛げがありながら、その瞳は威圧感を与えているような気がした。


「で、でも周りからはどう見ても迷子……」


「私が迷子になってるんじゃないの。私が探しているの。私の兄をね」


 女の子の言葉に怒りが混じっているのをハンスは感じた。




















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