結果発表
ルナ達の事もあり進行は遅れたが、何とか全ての組が試験を終わらせ、後は結果を待つだけとなった。
「いよいよだねルナちゃん!」
「う、うん……」
ナーシャの怒鳴り声が未だに耳に残っているのか、ルナは少し怯えている。
「では、試験の結果から考慮した対ルフトラ学園選抜メンバーを発表する!」
ルナを含めた殆どの生徒が身を引き締める。
「アレクサンダー・ヒストリア! 前へ!」
「はい」
最初に呼ばれたのは明らかに近接型だと思わせるようなゴツイ男。制服が悲鳴をあげるかの如く筋肉がしっかりと見えている。
「あいつは誰だ?」
「アレクサンダーさん。一流魔術師ヒストリア家の長男でありながら一族では落ちこぼれと貶されでいました。しかし日々の筋トレと身体強化の魔法を駆使して後継ぎとして認められるようになった人です」
「そんな細かい情報、どこから仕入れてくるんだ?」
「企業秘密です」
と、ナーシャは微笑む。
「次! ルナ・ドロップス!」
二番目にルナの名前が呼ばれる。
「あ、はいっ!」
ルナは慌てて返事をして急いで前に出る。
まぁ当然だろう。と、ハンスは思った。しかし、ルナが二番目に呼ばれたのならルナよりも好成績だった奴がいるということだ。
「最後に……クルシュ・ワーグナー!」
「はい!」
クルシュ・ワーグナーという名前が呼ばれた途端、歓声が湧き上がる。クルシュは生徒に手を振りながらゆっくりと前に出る。
「あれがここのトップか」
淡々と歩いてくるその風貌はまるで全ての生徒を引き連れて来ているような圧があった。誰もが実力を認めるその少女は今、ルナ達の横に立った。
「今、ルフトラ学園に挑む本校ベストメンバーが決まった! 交流会は一カ月後、各自それぞれのやり方で交流会に備えてもらう為、授業の欠席を特別に許可する!最高のコンディションでルフトラ学園を打ち砕いてもらおう!」
校長が手を掲げ、生徒たちはそれに合わせて歓声を上げる。
「では、本日の授業は終了! 解散!」
生徒たちは一斉にばらけ、ルナもナーシャの元に向かう。
「おめでとうルナちゃん!」
「ふーん、当然ですっ」
「その割には一番驚いていたけどな」
ハンスが呆れて言う。
「ルナちゃんにしばらく会えにくくなるのは残念だけど、みんなの分まで特訓頑張ってね!」
するとルナはナーシャからあからさまに目を逸らし、
「あ、あーうん……がんばるよー……」
明らかに挙動不審になっているルナを見て、ハンスはまさかと思いながら聞いてみた。
「なぁ、まさかとは思うがお前本当はただ授業サボりたいからメンバーに――」
「あー!うん、私すっごく頑張っちゃうぞー!」
ルナはハンスを地面に叩きつけながら高らかに宣言した。
「私も一生懸命応援するからね! それじゃ、バイバイルナちゃん!」
ナーシャはルナ達に手を振り、寮へ走り去った。
「――さて、ルナ?」
杖の姿をしている為、表情などは分からないが、声のトーンがルナに圧をかける。
「う、うん……」
「色々と話したいことがあるが、もう日も暮れるから、とりあえず部屋に戻ってゆっくりと、な?」
「……はい」
ルナとハンスは校舎を背にトボトボと歩いて行った。