【ソーセージ mari & mari】 〜#20 あ、しまった、聞いてなかった‥‥ こんな時はどおするべえ⁈
【あ、しまった‥‥‥ こんな時はどおするべえ⁈】
「うるさいなあ、いったいいつまでがなるつもりかしら」
ごみたまりは辟易していた。
みずたまりに小言をいわれるのは毎日のこと。
でも、これ細かすぎね?、と言い返したくなるようなこともある。
今日は、掃除機をかけた後その汚れた掃除機を綺麗に掃除しな
かったので極度に綺麗好きなみずたまりの尾を踏んだ。
「よくまあ、面白くないことをしゃべり続けるものね。
あら、よく見ると、みずたの唇ずいぶん荒れてるなあ。
あれで大きく口開いたらヒビ裂けるんじゃね。
いやゼッタイ痛そう〜」
「で、あんたはその件についてどお思ってるの? これからどおやって
いくつもり?」
へ、と息が止まったごみたは不意をつかれていた。
しまった、全然聞いてなかった。
やばい、みずたの目はマジだ。結構大事な話してのかしら。
返事によってはマズイことになるかも。
でもあたしは、相手の気持ちをスルーやノーリアクションで
ごまかしたり、逆ギレして逃げるような女じゃないわ。
背中に冷たいものが流れつつも、ごみたはリップクリームを
取り出し、こちらを凝視しているみずたの唇に優しく、塗ってあげた。
「こ、これでよし♡」
少なくとも本人は無事に済んだつもりだった。