禁呪王
先日、感想を久しぶりにいただき、テンションが上がっているため、書き上げれたものです。私の原動力は読者様の喜びの声と感想。そしてココアです。一昨日の8月6日は私の誕生日で、なんと祝ってくれたのは家族と親戚と従兄弟だけ。
その従兄弟もわざとなのか原爆投下時間にラインで誕生日おめでとうの一言。
不謹慎な話はこれまでにして……。
そして、読者の皆さんが思ってるかもしれない私のロリコン疑惑について。
このことは先日の感想で華幻&エジソンさんと言う方の感想でお返ししたのですが……ここで書くと長くなっちゃうので、気になる方は感想欄へどうぞ!
そして感想を!(誘導)
俺とエリシアとソラとルナの四人は抱きしめ合うヤリ……勇人とユウキを見つめながら暇を持て余していた。
「勇人。お前のハーレムたちは助けに行かなくていいのかよ」
「もちろん助けるよ!だって彼女たちは俺の大切な人たちだからな!」
「ねぇねぇユウト、あたしは?」
「もちろん大好きだよ!」
あぁ、もう俺何も言わない。代わりに金属バットがこの世界にもあるのなら後ろから思いっきりかっ飛ばしたい気持ちにはなっていた。
もしもあったら本気でやろう、今の状態なら死なんだろうし。
「なぁ、なんか俺たち囲まれてないか?」
「ようやく気がついたのかよ……」
勇人は周りを見回しユウキは白銀のガンブレードに姿を変える。
……ちょっとそう言うの使ってみたいって気持ちがある。だってガンブレードなんて非現実的な武器なんてロマンを感じるじゃないか。レールガンとか妖刀とかロボット兵器とかチキンボムとか。
チキンボムならこの世界でもできそうだな。ロボット兵器とかもクロが動かしている我が家も一応ロボット兵器とか呼んでいいんだろうな。
そんなことを考えながら俺は腰から剣を抜刀する。
視線の先には何もいない。と言うよりも周りを囲む周囲にはこれと言って敵影はない。
それは俺たちの感覚で言えばだ。
この城には何故か廊下に全身鎧が等間隔に飾られている。
見ようによっては自分の国の生産力とかを思わせる。
それがもしも霊体が乗り移るための身体としたら?
流石にそんなことは考えもしないだろう。兵士もちゃんといるのに何故そこまで城を固める必要がある?そう思うからやはりこの鎧たちはただの飾りだと思う。
でも、的な気配がするのも全てこの鎧だ。
カチャリと金属の動く音が鎧からなり俺たちはそれぞれの武器を握りしめ鎧に向かった。
「せやぁ!」
先手を打ったのは勇人だった。視力がほとんどない状態でよくもまぁあんなに動けるもんだな。恐らくユウキと魂が交わっているからユウキと会話をしてユウキが勇人の目となり剣となっているのだろう。
そして進化したユウキの白銀の刀身が鎧を腹部から真っ二つに切り裂く。
崩れ落ちて行く鎧を見て、簡単に倒せると思った勇人は再び剣を構えもう一体の方に向かう。
視力と言う戦闘には最も必要なものが欠けている状態の彼には後ろに注意をすることはできなかった。
「っ!馬鹿野郎!」
俺は先ほど勇人が倒した鎧に向かってコートの内側につけていた投擲用ナイフを投げつける。
だが、その投げられたナイフは鎧の隙間に入るがうねうねとした何かに止められ、地面に落ちた。
「あれって……」
エリシアが呟く。彼女の見ている勇人が倒したはずの鎧はうねうねとした生物によって再生していた。
「スライムじゃな……」
そう。この世界では下手したらドラゴンよりも強い種族であるスライムだった。奴らが鎧の中に入っている。
前にスライムと戦った時は俺も足を失った相手だ。視力を失いかけている勇人には荷が重すぎる。
「勇人!お前は先に行け!こいつらの相手はお前じゃ危険すぎる!シアとソラとルナも勇人のサポートしながら行け!」
「お兄ちゃん一人じゃ無茶だよ!」
「ルナちゃんの言う通りだよ!私は残って戦うよ!」
俺の言葉を聞いてなお、戦おうとするエリシアたち。
「すぅ……」
息を思いっきり吸い込む。
「早く行けッ!!俺なら大丈夫だ!だから今は勇人のサポートに徹してくれ!戻って来る頃には終わらせとくさ」
笑ってそう言うとエリシアたちは顔を見合わせて頷きそれぞれの持つ武器を納めて走って行った。
足音が遠のいて行く。
ここから離れてくれてよかった。心の底からそう思う。
『ははっ。君は本当に不思議な子だね。そう言えば今の君はナツキ・アルマス・クラウスハルト…リューク・リーネハイム……どっちで呼べばいいのかな?』
「知るかよ。今の俺はただの相川那月だ。それ以外の何者でもない」
この声を聞くとどこか懐かしい様な、聞くことができて嬉しい様な……それでいて絶望を感じさせる声…声のする方を振り返るとそこには鎧を纏ったスライムたちをいとも容易く消滅させていく見知った少女の姿。
よく地球にいたころに写真を撮っていた少女の姿。だがそれは仮初めの物だ。
「さっさと本当の姿を見せろよ禁呪王」
「やだなぁ〜。これは君の望んだ姿なのに…まぁ、君の頼みなんだ。二つある本当の姿のうちの一つを見せてあげるよ」
そう言い禁呪王は身につけていた衣服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になる。
「さ、これが本当の姿だよ」
「そういう冗談はいい。お前の目的は何となくだけどわかる。俺を殺しにきたんだよな?」
俺がいうと禁呪王は口角を上げて言う。
「あははっ!本当に君は良いよ!どうしてボクの愛おしい人の魂を埋め込んだのに覚醒しないのかなぁ!勿体無い!本当に勿体無い!!」
禁呪王は狂ったように叫び、自分の腕をまるで刃物のように尖らせ自分の胸に突きつける。
穴の空いた胸にもう片方の腕も突きつけ、肉を引き裂く。
「あははっ!あははっ!痛い!イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイッ!!!あぁ、気持ちよくなってきた……!」
全身血だらけになる禁呪王を見て吐き気がしてくる。だが、やつから目を背けたらすぐに殺されそうだと思い剣を構え指輪を拳銃に姿を変えさせ構えておく。
「ぐあぁぁあっ!!!」
金切り音のような悲鳴をあげる少女の肉体から這い出る混沌とした黒。
色々な生物を切ってはくっつけ切ってはくっつけを繰り返したかのような身体の化け物。そしてその化け物の背には灰色の翼が四つ。その下の方には元々ここにも翼が生えていたと言わんばかりにむしり取られたような傷跡。
俺はその姿を見て気持ち悪くなりながらもどこか懐かしく美しいと思ってしまった。
「それが本当の姿か……」
『…怖気付かないんだね……』
「あぁ、恐怖心はあるけどそこまでじゃないな。むしろ少し美しいと思ってしまった自分の美的センスを疑いたくなったよ」
『そう……。そう思ってくれるってことはボクの愛おしい人の心が出かけているってことかな……』
そう言うと禁呪王は翼を広げ羽を弾丸のように飛ばす。
「うぉっ!?」
驚きながらも俺は剣と銃で撃ち落とす。
「いきなり撃つなよ!」
『ねぇナツキくん。ひとついいかな?』
「あぁ?俺を殺そうとする上に話を聞かない奴の話なんて俺は聞かねーぞ」
『うん。それじゃあナツキくん。君は先祖返りってわかるかい?』
スルーかよ。そう思いながらも先祖返りと言う言葉を考える。
隔世遺伝と言う言葉があるが、これとは別の話をしているのだろうか?
隔世遺伝とは、個体の持つ遺伝形質が、その親の世代では発現しておらず、祖父母やそれ以上前の世代から世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のこと。間歇遺伝や先祖がえりの一部も、この隔世遺伝によるものだと言われている。
『あぁ、そうそれだよナツキくん。どこからか持ってきたかのような考えだったけどそうじゃなかったら君の知識力をボクは侮っていたと言うことになるね』
「うるせぇ!こっちに飛ばされる前にテレビでやってたから覚えてただけだ!悪いかよ!?」
『ま、君が考えることはその通りだよ。でもちょっとだけボクの言いたいこととは違うんだよ。ボクの言っている先祖返りはそのままの意味だよ。君の何代か前の先祖に天魔族の長を務めていたボクの愛おしい人、リューク・リーネハイム。その人の子孫が君なんだよ。君の世界に過去に飛ばしたナツキ・アルマス・クラウスハルトの魂が転生先として選ばれた肉体が君の肉体だった。だけどそのナツキの魂はあまり表に出ることができなくなった。それはリュークの血を濃く引いていた君の肉体にはクソな神様方が力を封じるための呪いを君にかけていたんだ。すると君の肉体ではナツキと言う魂とリュークと言う魂が融合して今の君、相川那月と言う人格が生まれたわけだよ』
「で?それがどうしたんだ?」
『ん〜。バカなのはリュークの所を引いてるのかな?物分かりがあんまり良くないなぁ…』
よくわからないことで貶されて腹がたつがこいつの話を聞いてると自分の知らないものを知ることができるから我慢だ……我慢だ……。
『まぁ、簡単に言うと、君の中でリュークが出てきたり、ナツキが出てきたりするからどちらかの魂が君の肉体を乗っ取ろうとしても乗っ取れないってのが現状だよ。君にとってはそれで良いんだろうけど、ボク的にはそれが困るんだよなぁ〜』
「そんなこと言われても俺には何もできないし、それと今俺を殺そうとしているのに関係があるのか?」
『うん。関係は大有りだよ。ボクはリュークに目覚めて欲しいんだよ。だからあまり良い選択じゃないけど、今ここに新しい肉体を生成してそこにナツキ・アルマス・クラウスハルトの魂を吹き込み新しい生を生きて貰う。別に彼は肉体なら何でも良い。でもね、リュークは自分の血が濃くないとダメなわけだよ。だから、君には記憶を無くしたまま、君を知る人がいない地へ転移させる。記憶のない君ならリュークも容易に出てこれるだろうからね』
「ちょっと待てよ。俺の人権ガン無視かよ?」
『うん。そうだよ?逃げようとしても無駄だよ?』
俺はすぐさまこの場を離れようとしたが、身体が動かない。
なんとか動かせる首で手足を見るとそこには空間が裂けて現れたであろう半透明の鎖が俺の体を縛り付ける。
『ふふっ。これでもう君の体はリュークのものになる……【肉体生成】【魂移植】』
おそらく禁呪王の固有の禁呪なのか禁呪王のそばに俺に似た肉体が生み出されていた。
そしてその肉体に向かって俺の心臓部から淡い光を放つ球体の何かがその肉体に向かって行く。
そして肉体は目を開き、言葉を発した。
「まさか、俺を異世界に送った奴に体を作って貰うとはな……。どういう風の吹き回しか……いや、何となくそこのナツキといた時に覚えてるから良いか」
『おはよう。この世界のナツキくん。ボクはあっちの世界のナツキくんをこの世界のどこかにランダムで転移させて記憶を消そうと思うんだけどいいかな?』
「どうしてそんなことを俺に聞くんだ?そんなのはお前の勝手だろう?まぁ、アマテラスが好意を抱いているこいつを助けようと思ってはいるが、どうにもこの肉体は動かしにくい。そのうえ、多分だがステータス的にそこにいるナツキと俺で一つのステータスを半々にしているんじゃないか?」
『流石、伊達に王様やってないね』
「王様なんかじゃない。俺は自由気ままに旅をして妹に国を任せっぱなしの唯のダメな兄貴だ」
『ごめんねナツキくん。放っておいてしまって。これから君を転移させる禁呪と記憶を消す禁呪を使うから、最後に言うことある?』
本当に自分勝手な奴だな……。ここは腹を括ろう。抵抗しても殺されるくらいなら記憶を消されて転移させられる方がマシだ。エリシア達には申し訳ないが……。
「そうだ、ナツキ……って言うのは何だから覇王!」
「ん?どうした?」
「俺が転移させられるとエリシア達を不安にさせてしまうから旅に出たとでも伝えてくれ。お前がいるのは……うーん、禁呪を使った副作用とでも誤魔化しておいてくれ。俺がどこかに転移したのはそれが影響って事で。あ、お前の指輪返しとくよ。これはお前の大切な人のものらしいからな。それと………みんなに伝えて欲しい。好きな人ができたときは俺のことを考えずにその人を好きになって欲しい。自分勝手なのは重々承知だが、俺の好きな人たちの幸せを願う。大好きだと。そう伝えて欲しい」
「あぁ、必ず伝えよう。覇王の名に誓って」
俺はその言葉を聞き安心して目を閉じ、走馬灯のようにエリシア達と出逢ったことを思い出していた。
あぁ、楽しい日々だった。
元の世界じゃ異端だった俺もこの世界では受け入れてくれる人たちがいた。
大切で大好きな人たちが。
さよならを伝えたかったがそれも叶わない。
いや、こう言うときはアレだ。
『じゃあ君をどこかの地へ飛ばすよ。【転移】』
俺の身を包みこむように光の柱が上がる。
「……またな」
こうして俺は、相川那月の人格及び記憶の一切合切を葬り去られた。
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「ハイネ!こっちに人間族の男が倒れてるよ!?」
「人間族の男が倒れてるくらいで騒ぎすぎよフリージア」
耳の尖った少女達が森の中を木々を伝って跳び回る。
そして着地したところには黒髪の青年が傷だらけになり倒れていた。
「うーん。どうしよっかこの人」
「そうね……。とりあえず長老のところに連れて行きましょ。話はそこからよ。私たちが勝手に決めたら村の禁忌に触れることになるかもしれないからね」
「そうだね!じゃあ私が運ぶよっ!」
「えぇ、お願いね。あなたの弓は私が待つわ」
そう会話をしながら男を担いだ二人の少女は森の奥へと姿を消した。
はい。あとがきは本当に個人的なものです。
この小説を流し読みをしているそこのあなた!
そう。あなたですよ!あなたにはもう森○のミルクココアを一ダースで買ってもらわないと気が済みません。
と言うわけでココアください。最近飲んでないんです。
ココア……ココア…ココアココアココアココアココアココアココアココアココアココアココアココアココアココアココア…………。
すごく飲みたい。
今更ですが、元々ペンネーム的なのはココアにしようと思った私です。それほどココアを愛しています。
心がぴょんぴょんする……ゲフンゲフン。
まぁ、そっちのも好きです。ダッテロリナンダモノー。
そして読者の皆様。前書きにも話したと思いますが、私の原動力はココアと感想でございます。
ココアを頂くと、今執筆中のアリアが書けて、感想だと幼女愛好家を書く原動力となっております。良ければお願いします(笑)
ただ愚痴りたかっただけでもあります。それではまた、いつか。書きあがった時にお会いしましょう。




