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マッドサイエンティストと遊ぼう!  作者: ニー太
13 ゴスロリと小太刀で遊ぼう
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二十一世紀後半の科学技術備忘録

 近未来SFは厄介なジャンルである。未来にあるものをいくら空想しても、現実の科学の進歩はその想像力をあっさり追い越してくれるからだ。

 近未来ではなく、はるか未来を描くSFにおいても、それは同様といえる。ン十年前のSF作品を読み返してみると、「ああ、こんな未来世界は有りえない。××が無い。○○になっているはず」などと思ってしまうことが、しばしばある。


 この作品は二十一世紀後半の日本を舞台にし、環境保護運動が盛んで科学技術の進歩が悪と見なされ、人類の発展が停滞気味という設定でもあるため、部分的にしか目立って進歩していないという設定になっているが、この設定そのものが、SFの未来予測を追い越す現実の進歩に対する、ささやかな抵抗と防波堤と言い訳と逃げ口上とその他いろいろと言えよう。




・BC兵器

 ユニーク兵器と呼ばれる暴徒鎮圧用のBC兵器に限っては、使用と製造を認められている。

 代表的なのは、空気感染により体中に赤い湿疹と共に猛烈な痒みをもたらし、ほぼ行動不能に追い込むが、後遺症や副作用は無い『レッドトーメンター』。


・クローン

 人間のクローンはすでに可能になっているが、多くの国で禁止されている(日本で西暦2000年に規制する法律が作られた)。

 万が一作られてしまった場合は、クローンが通常の人間として扱われるよう、法律で定められている。

 日本の裏通りは元より、世界各国の裏社会において、臓器密売や人身売買目当てに、クローンは密かに作られている模様。


・クローンの記憶移植

 現在の科学力では出来ないという事になっているが、可能な者も何名かいる。

 特定の国家機関や組織にて、それが可能な技術が秘匿されている。本編の主人公である雪岡純子も可能。


・部分クローン

 クローン技術の応用で、体の欠損部分を補う。記憶移植同様に、現在の科学力では不可能とされているが、雪岡純子を含めた一部の者には可能。

 胎児の状態で必要な部位だけを取り出して、培養保管する。当然胎児は死ぬが、それは肉体的に生命活動を終えただけで、厳密には死ではない。少なくとも純子は霊魂が宿る前にそれらの処置をこなす。


・携帯電話

 指先サイズ。大きさは一円玉ほど。スイッチを入れてホログラフィーの画面を空中に呼び出し、その画面から操作するのが基本。

 顔の前に画面を出したまま歩くのは、道徳上の問題が有るとされる。しかしディスプレイを出さないと、細かい操作ができない。

 失くしやすいという欠点もあるため、カードサイズの携帯電話を使用する者もいるが、指先サイズの方が圧倒的に主流。


・コンセント

 大脳を刺激し、感覚を鋭敏化させて、集中力と反射神経を高める薬品。第六感さえも研ぎ澄まされ、人によっては薬の効果がある間は、霊魂が見えるようになる者や、弱めの予知能力を得られる者もいる。

 主にカプセルタイプ。胃に入ると即座に解け、中の成分は胃と小腸上部より吸収される(アルコールと同様)。

 一錠だけであれば副作用は無いが、二錠服用することによって、人体に極めて有害な作用をもたらし、脳へのダメージで、高確率で廃人になる。二錠以上の服用は効果も増し、一錠の数倍の効果が得られる。

 裏通りの住人や戦場の兵士が銃撃戦前に服用する薬品。相手の手の銃の動きや撃つタイミングや、銃口の向きからの弾道さえも見切れるようになる。


・障害者補助装置各種

 科学技術の発展が悪であるかのような風潮の中で、例外的に認められている分野であるが、この分野だけが認められても他が認められていないため、流用も応用もできず、コストパフォーマンスは悪く、障害者の全てが利用可能にはなっていないのが現状。

 視覚障害者には脳波受信入力装置による電子義眼があるが、高額なうえに機械の寿命が短い。

 サイボーグ工学の進歩により、部分欠損の補助も可能にはなっているが、これまた高額である。脊髄損傷により動けなくなった者は、簡易的な外骨格フレームを装着して、脳波入力によって体を動かす事ができる。

 サイボーグ工学の権威である霧崎剣教授は、一般人や貧困層でも購入できるように、コストをどれだけ下げるかを最大の課題とし、人類全体の科学技術停滞の封印を解けば、その可能性はおおいに高まると主張している。


・人工子宮

 日本においては少子化対策の一環も兼ねて、堕胎した胎児を出産まで育てる事ができる人工子宮が、産婦人科には必ず置かれている。胎児の堕胎の際に、すぐに人工子宮へと送られ、そのまま保護する事が可能。

 母体が事故にあった際の胎児保護にも用いられる。流産しても、時間経過や状況によって蘇生することが可能。

 受精卵の状態からでも出産まで成長させられるので、人工代理母としての機能も果たせる。

 二十一世紀前半の現時点で、現実でもすでに人工子宮の研究は進められており、そう遠くないうちに実現するのではないかと言われている。


・ドリームバンド

 仮想世界に意識を飛ばす装置。形状はヘッドギア。頭にかぶって使う。

 脳波を受信することで操作し、電磁波を脳に浴びせて幻覚を見せる事で、プログラムされた仮想世界にトリップする事が可能となる。

 主にゲーム目的で使用されているが、合法ドラッグ、ヴァーチャルセックス、精神病患者への治療といった用途にも用いられる。

 電磁波を水準以上に強めた違法ドラッグや、拷問用途などもある。

 合法的な用途でも、長時間の連続使用は脳に悪影響を及ぼすデータが出されている。


・脳波受信入力及び電磁波による脳への直接視聴覚化

 ドリームバンドと障害者補助装置は特例として認められているが、一般的には禁止されている。脳波入力だけでも、携帯電話等に用いられる事が熱望されているが、環境保護派の強い反発により、ほとんどの国で許可が下りていない。


・バーチャフォン

 指先携帯電話の次世代機種。腕時計、アクセサリー、イヤホンなどに組み込まれている。

 これまで禁じられていた脳波による操作が可能となり、スイッチを入れた後は、操作の大部分が頭で考えれば可能になる。まだ指で操作しなくてはならない部分もあるが、たまに画面を弾く操作が要る程度。

 価格はかなり高めで、品薄。、表通りよりも先に裏通りで普及している。


・バトルクリーチャー

 自軍の兵士を死なせないため、無人兵器、ロボット兵器の開発が行われる一方、コスト上の問題がどうしても付き纏った。それを簡単に打破する方法として、低コストで量産できる生物兵器が登場し、瞬く間に世界中の戦場に投入された。

 人間への強い殺戮本能を植えつけられたバトルクリーチャーの大量投入は、ある意味空爆よりも効果が大きい。人のいる場所に放てば、彼等が勝手に兵士や市民を殺害するために徘徊する。また、敵軍はその対処に兵士を割かれる事になる。通常兵器や空爆よりも低コストで、多くの効果が見込まれる。

 初出は米中大戦であり、アメリカ側が作って中国に大量にばらまかれた。大都市はもちろんのこと、田舎に至るまで、バトルクリーチャーによって蹂躙された。

 しかし中国側もその技術を盗み出し、アメリカ本国に大量のバトルリーチャーを放つ。結果、大戦から三十年以上経った現在でも、両国には野生化したバトルクリーチャーが人里から離れた場所に生息し、たまに人の前に姿を現す脅威となってしまった。

 人間を混ぜたバトルクリーチャーの製造は国際法で禁止されているが、お構いなしに混ぜて使う国や武器密造密売組織が、数多く存在する。


・防弾繊維

 防御性能こそ優れているが、動きが鈍くなる防弾プレート付きのボディーアーマーとは異なり、普通の服と全く変わらぬ重さと暑さの繊維。通常の服に編みこむ事が可能。

 裏通りでの銃撃戦では回避する事が前提とされるために、動きを鈍らせる防弾プレートよりも、こちらが主流になっている。

 アラミド繊維ほどの耐熱製は無く、通常の繊維と組み合わされているために、耐火性能としてはあまり頼れない。ただし防御性能は上回る。

 防弾繊維の進歩に合わせて、銃器の威力も上がっていき、絶妙なシーソーゲームとなっている。故に裏通りにおいては、防弾繊維で銃弾を受けた場合、「防げるか防げないかは50%」という通説になっている。


・防爆シート

 米軍が開発した、爆破の衝撃を緩和するシート。何度も爆撃を食らえば破損していく。主に戦争で使われるが、現時点では米軍のみ保有。

 重量の問題で、戦車や戦闘ヘリに張る際には、部分的にのみ用いられる。


・ホログラフィー・ディスプレイ

 パソコンや携帯電話のディスプレイは、大半が空中に投影するホログラフィー・ディスプレイになっている。

 大概、画面は複数呼び出せる。裏からは見えない。反転、ある程度の距離を移動も可能。

 電車の中では、多くの乗客が顔の前にディスプレイを出している。電車内で複数のディスプレイを出すことは、他者のディスプレイと重なってしまう事にもなりかねないため、マナー違反という風潮である。


・溶肉液

 バトルクリーチャー対策に作られた薬品。戦場に置いてはポピュラーな存在。弾頭に仕込んで使用する。

 たんぱく質に反応してたんぱく質を取り込みながら増殖し、溶解を促す。生命力の強いバトルクリーチャーも、当たり所によっては、溶肉液を仕込んだ弾頭の銃弾一発で行動不能、もしくは死亡へと追いやれる。


・超音波振動鋼線

 真やシャルルが用いる武器。ユキオカブランドの武器。

 大抵袖の下に仕込んである。

 超音波震動を発生させるのは、そう長い時間ではなく、任意のタイミングでほんの数秒。震動させていなくても切れるので、扱いには注意が必要。先端には小さな錘が付いている。先端の鋼線部分は切れないように出来ている。

 伸ばした鋼線部分のある程度任意の場所のみ、脳波でスイッチを押して、震動を発生させることができるので(ドリームバンドと障害者補助装置以外は違法)、手元に巻いてある鋼線部分や、手で触れた部分に震動は発生させない。


 この備忘録は、作者の気まぐれで、新たな項目が追加する事があるかもです。

 あるいは追加してほしい要望があっても、追加するかもです。

 あまり難しいことは書けません。

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