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プロローグ
私は暗闇の中でうずくまっていた。
誘拐。
31世紀にもなってそんなことがあるなんて。
ではなく、そんなことすら知らない子供だった。
怖い。
それだけで頭がいっぱいだった。
何かの箱のようなものの中に、
閉じ込められていた。
監禁。
たぶんそういうことだったのだろう。
暗黒の中。
自分の居場所すら確認できない事が一番不安だった。
それが限界を迎えた時
私は変化した
その日のうちに私は助けだされた。
そして、私はその日から人ではなくなった。
人はこう呼び、蔑んだ。
―――鬼―――