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哀愁ただよう剣士の日常  作者: 戴宋
第一章 異世界転生
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第一章 異世界転生14 オーク砦⑤

やっと書けました。

すいません

扉を抜け部屋に入る。すぐに部屋かと思ったが通路に出る。一本道を10mほど進むと扉があり、躊躇せずに中に入る。唖然とした。

 入り口の広さと部屋の間口を考えると大きすぎる空間に出た。材質のわからないか白い床、礼拝堂のように高い天井も同じく白い天蓋に覆われてる。何よりも驚いたのは広さだった。隣にも部屋がある以上有り得ない広さ。現代的な感覚で言えばバスケットコートが2面取れるほどの空間がそこにあった。部屋の中央に独鬼がいた。それ以外には誰もいず、何も存在しない。壁面や天蓋が光っているのか中は明るい。現代に生きていた俺にとっては何でもないが、他のメンバーにとってはこの明るさそのものが驚きだろう。


 独鬼から4mほど離れて正対する。互いに踏み出せば剣が届く距離だ。独鬼からはまるで緊張が漂ってこない。左手に鞘に収めた刀を提げてる。長さは柄を合わせて1m30センチほどか。通常の日本のイメージの刀より、刃幅もあり、厚造り。打ち刀を一回り大きくした印象だ。独鬼は興味深そうな視線をこちらに向けてる。


「それほど緊張はしてないようだな。1対1での戦闘に慣れているのか。冒険者や傭兵は数に任せて戦う。そんなイメージがあるんだがな。貴様は違うのか?」


「事情があってな、多数対1よりもこっちのほうが馴染んでる。」


「まあ楽しませてくれるなら何でもいいさ。俺を殺さなければ貴様が死ぬ。その覚悟で戦ってくれ。もちろん貴様の命も仲間の命も保証されているがな。」


 そう言いながら兜を投げ捨てる。癖の無い白髪の長髪が姿を現す。右のこめかみ辺りから角が髪の間から突き出してる。左はやや髪を押し上げる出っ張りが有るだけだ。口元には鋭い犬歯が見える。角と歯さえなければ、単なる美形そんな印象だ。オークという野蛮なイメージはまるでない。

 少し興味を覚え、話しかける。


「独鬼、ハイオークは皆、あんたのような外観なのか?何というか、オークとはかけ離れてる。上位種と言うよりは別種族だ。」


「個体差はあるな。ハイオークの中で原種に近いものは俺のような外観をしている。後は基本的には混血だからな、オークに近い者もいれば、人間、エルフに近い者もいる。共通するのは能力が価値を決める。それのみだ。」


 独鬼はこちらに話しながら鞘を剣帯に固定し、左手を添え鯉口を切る。


「お前の準備が良いなら始めよう。俺たちの砦は戦闘中だ。あまり現場を離れるのも拙い。」


 独鬼に目を据え、右手で長剣を抜き、左手で短剣を抜く。短剣を体の正面に、長剣をやや後ろに引きつつ右側面に構える。


 息を整え、気を練り上げる。武器と鎧に気をまとわせる。肉体強化には気を回さずに、武装の強化に留める。


「来ないのか?悪いが時間つぶしには付き合わないぞ。」

「心配しなくてもそんなつもりはない!」


 大きく踏み出しながら、右手の長剣を切り下げる。右足を半歩引き、独鬼はやり過ごす。そのまま俺の右側面から刀が胴を凪ぐように襲いかかる。上体を逸らしつつ、左足に体重を戻し、大きく後ろに飛ぶ。その後をなぞるように独鬼の刀が空気を焦がしつつ通り過ぎる。着地したと同時に左足で踏み込みつつ左手の短剣で胴を凪ぐ、が独鬼は手首を返して刀で迎え撃つ。左手を支点に体を回す。同時に長剣を振る。その後を追って短剣で斬りつける。・・・・どちらも不発に終わる。

 互いに距離を取る。


「2刀の連携にも慣れてるな。少しは楽しめそうだ。少し本気になろうか。楽しませてもらおう。」


 上段から脇構えに移行する独鬼。


(まだ余裕はあるが、想像以上に洗練されてる。剣より強い。)


 独鬼の体の周囲にゆらぎが発生する。オーラのようなものが体にまとわりつく。


「一段階あげるぞ。持ちこたえてくれよ。」


 ダン!という響きを後ろに残して、独鬼が突っ込んでくる。刀は右側面に構えたまま、距離を詰めてくる


 想像以上に速い。練り上げていた気を身体強化に回す、50%程の割合。身体の反射が上がる。

 独鬼が目の前に踏み込んできて、大きく刀を打ち込む。両剣で押さえ込む。身体強化のおかげで力負けはしてない。剣にも気を通してるが、独鬼の刀のほうが出来が良いらしい。こっちの武器は元々ウルフが装備していたものだ。膠着を嫌い、腕を押し込むと同時に後ろに飛び退く。それを追うように刀が振り抜かれる。目の前を刀が通り過ぎる。独鬼が脇構えに戻る。ただし今度は左側面に刀を構えている。左足は前。


 独鬼の身体から陽炎のようなオーラが立ち上る。独鬼の視線を防ぐように左手の短剣を構える。

 どちらともなく円を描くように互いに位置を変える。身体は互いに向けたまま。少しずつだが、独鬼の放つオーラが圧力を帯びてくる。独鬼の構えが脇構えから剣先が起きあがってくる。それと同時に向き合ってくる圧力が更に上がる。


(技量の底が見えない。まともにやって勝てる気がしないが・・・。)


 独鬼の圧力に対し左足を半歩引き、左手を後ろ、右手の剣を前に。全身に気を巡らせ、特定部位が力まないように注意する。


(先手がとれるかどうか・・・・。)


 どちらも動かない・・・・。

 独鬼の表情は変わらず、汗も見えない。こちらは汗が滴り落ちてくる。


(汗が落ちる。目に入れば不利になる・・・・が、解っていれば。)


 汗が滴り落ち、ウルフの目に落ちる・・・・瞬間、双方動く。独鬼が踏み込んだ瞬間、左手を振り上げつつ短剣を投げ打つ!左手はそのまま長剣の柄に添え両手持ちで中段に。

 独鬼は飛び込んできた短剣を鋭い呼気を込めて打ち落とす。刀身の半ばから切断される。更に踏み込みつつ、下から上に刷り上げる。

 ウルフは刷り上げられた刀に対し間合いの内側に踏み込む。長剣を両手突きのままに前へ!気を100%練り込み速度も倍化。突き通すと見えた瞬間。


 「カシン!」という音と共に、長剣の剣先が切り飛ばされる。その後を追うように右手に激痛が走る。慌てて左手に持ち替えながら後ろに飛び退く。


 右手の感覚がない。激痛はあるが指が全く動かない。


 独鬼が構えをとく。刀を担いで歩み寄ってくる。


「現実なら肘から先を落とした状態だ。続けても構わないが、満足いく戦闘はできないだろうな。ここで止めるか?」

まだまだ続きますが

次は早めで

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