第一章 異世界転生12 オーク砦③
やりたいことは考えてました。が、どうやって導入するか悩んで
つまってました。
独鬼は拍手していた手を止めると、こちらの陣営を一人一人確認する。
「ハイランダーが3人、腕利きの傭兵?冒険者というやつか、そこの女とお前はそこそこ使えそうだな。ハイランダーの中では二刀の女が腕が立つか・・・・」
俺、レジー、アビーを品定めしてるようだ。
「討伐すべきオーク砦に潜入して、何もせずに帰るのも変な話だし、無傷で外に出せば、俺にも問題が生じるかもしれん。一つ腕試しに付き合ってもらおうか。応じないのなら増援を呼ぶ。おそらくお前たちなら生き抜けようが、子供らは間違いなく死ぬぞ?応じれば子供らには手を出さない。」
「独鬼といったな、お前の言うことが信用できると思うのか。そもそも何の目的なんだ?」
「名を聞こうか、話をするのなら、互いに名前くらいは名乗ってもいいだろう?」
「ウルフだ。目的はなんのためだ?」
「目的か。ここの砦のリーダーはここを拠点にして、人間の都市の侵略を考えてる。俺はそれ自身には反対だし、差し止める立場だと思ってくれていい。」
「なら何故腕試しが必要なんだ?」
「おれ自身の目的のためにだ。俺の部下の力試しの意味もある。この砦に配置されてるハイオークの半分は俺の部下だ。残り半分はもう一人のリーダーがいる。そいつはお前達からすれば敵と断言してもいいような存在だろうな。だから腕試しに付き合ってもらう。報酬はお前達を無事に解放する、この一点のみだ。」
「独鬼、俺がお前の言うことを信じれると思うのか。」
「いや思わない。ただし選択の余地もないとは思うがな。お前達のほうが人数が多い。力ずくで俺を倒して、逃げ切れると思うならそうしてもいいだろう。ただしその場合は戦闘そのものの規模が大きくなる。個人戦ではなく、集団戦に巻き込まれる。想像してみろ、この砦のオーク、ゴブリン、全てを相手取って、子供達を護衛できるのか?潜入ルートを逆にたどって逃げたとして、完全に戦闘に巻き込まれずに逃亡できるのか?」
(むう、くやしいがこいつの言う通りか、ここを突破できたとして、外で戦闘に巻き込まれれば、子供達が全く巻き込まれない保証はない。ただここで安全に子供が解放されるかどうかも不明だ。)
「腕試しが必要なんだな?それなら俺にも交換条件がある。ただ、このグループの正式なリーダーは俺じゃない。意見の調整が必要だ。少し話す時間をくれないか?」
「いいだろうウルフ、ただしこの場で相談しろ。少しだけ離れてやるが、同じ室内で相談しろ。子供達はこちらで抑えてることを忘れるな。」
アビーが少し苛立ってる。アビーに軽く触れ、集まるように指示する。
「みんな一度集まってくれ。相談したいことがある。」
ハイランドの3人、それと残りのパーティメンバーみんな集まってもらう。
「あいつの提案は3人とそれぞれ戦いたいというものだ。俺は条件つきでうけようと思う。」
ハイランドの3人を代表して、アビーが発言する。
「あいつらは3人しかいない。いくらハイオークと言ったって、通常ならこの人数で負ける心配はない。何故あいつらの言うことを聞く必要がある?」
「レジーはどう思う?あいつらは普通のハイオークだと?」
「そうねえ、あのリーダーの独鬼は普通じゃないわね。まったく殺意を憎悪も抱かずに冷静に話すハイオークなんて、見たことないわよ。それと付き従ってる二匹というべきか、二人もね。普通なら、こっちに挑発をかけてきてもおかしくない。それなのに、独鬼が話してる間は、うなりもしない、後ろに控えてる。ハイオークはオークの上位種族だけど、普通は野蛮なはず。でもあの二人には訓練されて、抑制された気配しか感じない。普通じゃないと思うべき。それと集団戦になるのは賛成できないわ。子供達が安全とは言えないから。」
「そうか、なら、俺の提案は『あいつらの腕試しに付き合う。』交換条件で、『子供達は先に脱出させる』。この条件なら受けてもいい。その場合は、マルティン、アラン、それとバラン、コニーさんは先に脱出してもらいたい。メリーズとアリスも連れて。ここに残るのは、俺、アビー、レジー3名のみで、腕試しに付き合った後に脱出する。」
アラン、アリスが顔色を変える。
「ウルフさん、そんなの納得できません。子供達が大事なのも、危険だから先に脱出させたいのも分かります。でも、残った3名が危険すぎます。」
「そうだぞ、ウルフ。確かにその人選なら子供達はキャンプ地まで確実に救出できるが、残った3名は完全に貧乏くじだ。お前は良くても、アビーさん、レジーさんが納得できないだろう。」
アビー、レジーの顔色を伺う。
アビーは冷静、レジーはなんだか楽しそうだ。
「ウルフ、私の立場としては貴方の提案にのってもいい。バラン、コニーがいれば子供達の心配はしないでもいい。包囲されてもなんとか逃げ切る。無理でも可能な限り、オークどもを道連れにする。」
「過激な選択ね、ウルフ。でもどうして?そんな選択をあのハイオークがのむと思うの?なんだか、提案すれば通る。そう思ってるように見えるわ。」
「アビー、ありがとう。レジーさん、そうだな。多分のってくる。そう思ってます。」
「なら任せるわ。精霊の加護を使って、もてる力を振り絞れば、多分、生き抜ける目もないわけじゃないし。死にたくはないけど、退屈しないならそれでも構わないし。貴方にのるわよ、ウルフ。」
「ありがとう2人とも。じゃあ、あいつに話を持ちかけます。」
話がついたと感じたのか、独鬼が近寄ってくる。子供達も追い立てられるように、こちらに近寄ってくる。
「話はついたかね?ウルフよ。」
「ああ、話はついた。お前達の腕試しにつきあってもいい。ただし条件がある。」
独鬼は口元に笑みを浮かべる。背後のハイオーク2人は一瞬表情に怒りをうかべるが、独鬼に手をかざされて、動きをとめ、再度跪く。
「条件か・・・・条件をつけれる立場か?と言いたい所だが、良いだろう、とりあえず条件とやらを言いたまえ。」
「腕試しに付き合う3人を除いて、先に脱出させてもらう。その条件なら俺たちは逃げないし、腕試しに付き合う。そのかわり、確実に子供達の安全は保証してほしい。」
独鬼は口元に楽しそうな笑みを浮かべる。背後の2人は抑制された態度を保つ。
「安全を保証するのは難しい。ただし、お前達の潜入ルートまではなんとかしよう。残ってほしいのはお前と、そこのハイランド人の女、エルフ。とはいえ、潜入ルートまでの安全保証のためには出て行くのを見届けないと保証とは言えないだろう。ウルフ、俺がついていくからお前も一緒にきて見届けろ。そして腕試しに付き合ってもらうぞ。」
「お前の提案を受け入れよう、独鬼。」
独鬼は背後の2人に声をかける。2人は立ち上がり、アビー、レジーに正対する。
「ここで待っていてもらおうか、ハイランドの戦士、そしてエルフよ。」
「アビーだ。私にも名前はある。」
「そうね、独鬼。私はレジー。エルフには違いないけど、ひとくくりは良くないわね。」
「アビーにレジーか、心配するな腕試しに勝っても勝たなくてもお前達も無事に解放してやる。それぞれに相手するのも決めてある。長剣2刀流のワーレンがレジーに、斧と盾もちのベレムがアビーと対戦する。その二人も人間の言葉も、エルフの言葉も理解する。大人しく待っていてもらいたい。」
そういうと独鬼は俺と他のメンバーを引き連れ、隠し通路を通って、井戸のほうまでついてきた。
「こんなところに抜け道があるとはな、古い砦だが、まるで調査を行わないとはな、呆れたものだ。」
「ここのリーダーはお前じゃないのか?」
「俺が率いてるのは一部のハイオークだけだ。他の奴のやることにそれほど興味もない。」
俺と独鬼が話してる間に、子供達が脱出していく。最後にマルティンが洞窟の中に入っていくと踵を返し、再び、礼拝堂の中に戻ってきた。中ではアビーとレジー、それに向き合うようにハイオークのワーレンとベレムが立っていた。うなりもせず、挑発もせず、犬歯や見た目の肌の色の変化がなければ人間の戦士と雰囲気も変わらない。こんなに抑制された種族だと思っていなかった。
知ってか知らずか独鬼がこちらにむいて話す。
「こいつらは俺の部下の中でもそれなりに使える2人だ。見た目をどうにかすれば人間に混ざってもおそらく問題ないやつらだ。ただし、普通のハイオークはここまでいかない。この2人と俺の部下は少し特殊だと思うがな。事実、もう一人のハイオークのリーダー、ガッシュは単なる野蛮な阿呆だ。」
(戦闘の興奮も緊張もこいつらにはないのか。なぜこんなに落ち着いているのか?)
「で、腕試しはどこでやるつもりだ?」
「ここでやる。ただしこことは違う空間でだ。俺を信じてもらうしかないがな。俺の神が俺にもたらした避難地で戦ってもらう。」
「避難地だと?ここと違う空間?どういうことだ?」
「なあに大したことはない。ただし隣接した空間だからな。そこでは派手に戦っても回りに音は伝わらない。そして完全に1対1で戦ってもらう。このゲートを抜けた空間が避難地だ。いまさら信用しないということもないだろうが、お前は俺とともに、他の2人もそれぞれの相手とともにゲートをくぐってもらう。ここにきて怖気つくこともないだろう。ゲートを抜けた空間では空間案内人がいる。それぞれに注意を聞くことだ。終わればお前達のキャンプ地の近くに出口を用意しよう。」
独鬼が何かをつぶやいて、礼拝堂の奥の扉を開く、その向こうは廊下ではなく、光があった。ゆらめく光が。俺はこの光をどこかで見たような気がする。訓練の地からルナのいる空間に抜けた時に。
色んな小説読んで、設定が薄いな、人物が薄いなと思ってます
すこしずつ学習しますw




