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お兄様と共に断罪ルートを潰してみせます  作者: AAA
第一部

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11/19

第11話 「恋の気配で上昇!? 魔王復活の兆しと断罪回避大作戦」

学院の朝。

セシリアはノートを抱え、廊下を歩きながら眉をひそめる。

昨日からなぜか、うっすらとゲージのようなものが見えるようになったのだ。

おそらくこれは、ゲーム内のパラメータ、闇ゲージと呼ばれるものに違いない。

闇ゲージが100%まで達すると、魔王が復活してしまうという設定だった。


「……ふむ、状況整理」

「リリアさんが誰かに恋している……

 それによって闇ゲージが上がっている!」


(誰に向けられた恋かはわからないけど、恋心そのものは把握できる……!)


「これは危険です! 断罪回避どころか、魔王復活フラグが立ちかねません!」


セシリアは廊下を全力疾走。

通りすがる生徒たちはまたしても目を丸くする。

「セシリア様!? また何か……!」

「魔王フラグです!!」


リリアが教室の窓辺で花壇の手入れをしている。

セシリアが息を切らしながら駆け寄る。


「リリアさん! 大変です! 闇ゲージが急上昇しています!!」

「えっ……?」

「誰かが誰かに恋をしているせいです! おそらくあなたの恋心が原因……」

「えっ、私の恋心?」

「……いや、誰に向けての恋かはわかりません!」


リリアはぽかんとして、頬を赤らめる。

セシリアは天然鈍感のまま、

「誰に向けての恋かは不明だけど、魔王復活を防ぐため全力で行動しなければ!」


セシリアはリリアの周囲を警戒する。

「誰かに恋をされている……魔王フラグに関係している!」

「……私?」

「はい! でも誰に向けられた恋かはわかりません!!」


その背後で王子リオネルが軽やかに登場。


「セシリア嬢、また騒いでるね」

「王子殿下、魔王フラグが!」

「魔王?」

「誰かの恋心で闇ゲージが上昇しているんです!!」


王子はくすくす笑う。

「……君は全力だな。見ていて飽きない」


セシリアはさらに慌てて図書館へ向かって走り出す。


セシリアは資料を広げ、ゲージの上昇を分析する。


「数百年前、女神に封印された魔王……

 封印解除には闇ゲージ100%必要。

 現在、誰かの恋心によって30%上昇」


アランが静かに登場。

「……セシー、また大騒ぎか」

「お兄様! 魔王が!」

「誰が誰を……?」

「それは……わかりません! でも上がっています!!」


アランはため息混じりに肩を叩く。

「……俺がついてる限り、お前は守れる」


リリアが花の手入れをしていると、セシリアが全力疾走で飛び込む。


「リリアさん! 危険です! 闇ゲージがさらに上昇中!」

「え、私……?」

「誰かの恋心による影響です!!」

「……そ、そうですか……」


庭の石像が赤く光る。

セシリアは慌てて聖水を取り出す。

「退魔っ!!」

「やめて! 服が濡れる!!」

リリアと王子が同時に叫ぶ。


アランは遠くでため息。

「……妹、今日も全力で空回ってるな」

(でも少し楽しそうでもある……)


月明かりの下、セシリアは疲れた顔で座る。

アランがそっと寄り添い、手を取る。


「……今日も無事だったな」

「はい……魔王フラグもなんとか30%で抑えました」

「……俺がついてる限り、何とかなる」

「お兄様……」


セシリアはまだ天然にぼんやり笑う。

アランの目には静かに炎が灯る。

(お前が俺のそばにいる限り、誰にも渡さない……)


本人は意味を理解していない。

ただ「安心するなぁ」と思っただけだった。

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