クールっ!?〜文化祭最終日前編〜
文化祭最終日、前編です。
午前7時
ひどく澄み切った青い空だ。私の心とは、裏腹に・・・・・
「最後、か・・・」
文化祭は、今日が最終日。おそらく、来場客も昨日以上に多いだろう。
「アタックかぁ・・・」
柊先輩の言葉が、頭を過ぎる。
先輩いわく、ナギには好きな人も恋人もいない。モテはするが、天性の鈍感故に、アプローチする女性にも気付かない・・・らしい
「そんな相手にどうアタックしろと?」
どんなに質問を投げかけようと、答えなど帰ってくるはずも無く―――。
「・・・着替えるか」
とりあえず着替え、学校へ行く準備をする事にした
◇◇◇◇◇◇
午前8時 生徒会室
「うおらぁお前らぁっ!今日は最終日だ、気合い入れていくぞコラァァァっ!!!」
『ウオォォッ!!!』
扉を開けると、鬼軍曹と化した優先輩が、役員全員に気合いを入れてました・・・・・・怖い
「あ〜ら〜・・・ナ〜ギちゃん、いいところに!ウフッ!ウフフフッ!!フフフフフッ!!!」
「・・・えーっと・・」
小柄な優先輩が、巨人のように大きく感じました。もはや、逃げるという選択肢=[死]と直感した瞬間でもあることで・・・
「逃・げ・た・ら・許さないっ♪」
「いやあぁぁぁっ!!」
生徒会室に、僕の悲鳴が木霊した朝でした。
10分後―――
「・・・くすん、くすん・・・」
「うーん、完璧!!」
身ぐるみを問答無用で剥がされた僕は、浴衣を着せられました。女性用を――
「しっかしまぁ・・・ナギ、性別を間違えて生まれてきたな」
「嬉しくないですっ!」
宗先輩は、フォローしてくれたんでしょうけど、全然フォローになってません!!
「し・か・も!ナギちゃん、生足チラ見せ!!」
「あうぅ・・・」
浴衣の裾をチラッとめくってみました。
『おおぉっ!!!』
「どう?この為にガムテで足の毛全てを脱毛したわっ!!」
そりゃもう、凄く痛かったです!!
「で、でも、どうして僕だけ女性用浴衣なんですか?」
「なんでって・・・ねぇ・・・」
「ああ・・・」
いつの間にか浴衣に着替えていた会長さんが、優先輩と僕の顔を見て、宗先輩以下男子役員の方へ視線をチラッと向けて、一言。
「お前が1番女顔だからな」
・・・ええ。わかっていましたよ・・・
「ま、まぁ似合ってるんだから良いじゃないか!それより、昨日言ってた人材はどうなった?」
話題、無理矢理変えましたね。
「そろそろ来・・・」
ヴー!ヴー!ヴー!
「もしもし、あ、了解!すぐ行くね!!」
タイミングよく、今話題に出した人物から電話が来ました。もう、正門前に来ているそうです。
「ちょうど正門前に着いたそうなんで、迎えに行って来ます!」
「そうか、ならば私も行こう!」
そんなわけで、会長さんと二人、助っ人を迎えに行く事になりました。・・・あれ、なんか最近、会長さんと二人っきりになる確率が高いような・・・?
◇◇◇◇◇◇
ナギと二人、正門へと足を運べば、見知らぬ美男・美女の姿があった。
私服姿の男女が五人、ナギの姿を確認し、手を振っている。
「ごめん、お待たせ!」
「おっせーぞナギ!」
短髪長身の男が、ナギに声をかけている。見た目は少しチャラそうだが、なんというか・・・ナギ同様、女顔だ。
「こらこら、あんまりナギをイジメんなよ!」
そんなチャラ男(見た目)を諌めるのは、これまた長身の男。長い黒髪を一つに束ねたその男も、女顔・・・ナギ、お前の連れは女顔が多いな。
「全く男どもは・・・さっきまでナギに会うのは久しぶりだなぁ!元気にしてるかなぁ!とか言ってたくせに!!」
と、チャラ男とロン毛の背後から出て来たのは、これまた見目麗しき、美少女!身長は、優と張り合うくらい小さい。顔立ちはお人形さんのように白い肌で、クリッと大きな瞳は、海の如く青い。外国の人?
「ありゃ、ナギ、浴衣似合うわねぇ・・・で、隣の美人さんは誰?」
これまた美人登場!身長は私と変わらないくらいだが、顔ちっさ!手足細っ!って・・・この人どこかで見たような―――
「杏姉、この人は生徒会長の紅谷緋沙さん!」
「紅谷です。無理を言って申し訳ありません!」
「ナギのお願いなら、嫌とは言えないさ、なあ?」
そして、茶髪の眼鏡美人が口を開く。彼女の言葉に、みんなは揃って首を縦に振った。
「えっと、自己紹介は後にして、ひとまず生徒会室へ行きましょうか?」
「ああ、そうだな!」
ナギの連れは、美形ばかり。内心不安になったものの、とりあえずは五人を生徒会室まで案内した。
午前8時30分
「うおぅっ!美形揃い!!」
開口一番、優は美形五人組を見て、不敵な笑みを浮かべているし、
「あの、もしかしてモデルの佐伯杏さんですか?」
「あ、はい」
「だっ大ファンです!」
弥生はミーハー丸出しで興奮してる。あ、やっぱりどこかで見た事あると思ったら、テレビで見たからか!!
「えっと、先ずは自己紹介しよっか?」
「そうだな、んじゃ俺から!名前は桐生葵。ナギとは小・中の親友だったんだ。今日はよろしく!」
チャラ男(見た目)がナギの親友だったとは!
「俺は久鬼玲。同じくナギとは親友だ。よろしく!」
ロン毛(見た目)もナギとは付き合いが古いようだ
「次は私か、私は紫月クレア!ナギとは従姉妹なんだ。今日は頑張ります!」
なるほど、たしかにナギに似てる。目は青いけど
「私は佐伯杏。職業モデル。ナギとは母方の従姉妹にあたるんだ。今日は盛り上げていこう!!」
なんと、ナギの親戚は美形ばかりだ!
「最後はアタシか!アタシは杏の姉で佐伯円香同じく、ナギの従姉妹でお姉さんみたいなもんよ。この中じゃ一番年上だけど、ガンガンこき使っていいわ。今日はよろしくねっ!!」
元気いっぱいの円香さんの紹介が終わったところで、優は五人を試着室へと誘導していく。
「イケメンにモデルにハーフに眼鏡っ娘・・・ウフッ、ウフフッ、ウフフフフフ・・・」
邪悪な優の一面を垣間見た私達は、この後、絶叫が試着室に飛び交うと確信した。
◆◆◆◆◆◆
「「うわぁぁぁ!!!!」」
「キャッ!?」
「ちょ、やめ・・・」
「た、助け・・・いやぁぁ!!」
試着室と化した準備室(物置)から、色んな悲鳴が聞こえてきます・・・優先輩、一体何を!?
5分後!
「うえぇん・・・」
「お、俺達がなんでこんな格好を・・・」
「シッ!聞こえたら何されるか・・・」
「こんな格好、初めて・・・」
「女の子に服を引き剥がされたのは初めてだわ」
今の声は、上から順に、クーちゃん(クレア)・葵・玲・円香姉・杏姉です。ちなみに格好は、葵と玲がメイド(葵は白、玲は黒)で、クーちゃんが・・・魔女っ娘?(スティック装備)で、円香姉がミニスカチャイナ(初日の会長さんとおんなじ格好)で、杏姉が・・・
「ナース服?」
淡いピンクのナース服(おもちゃの注射器装備)姿でした。優先輩・・・レパートリー多過ぎです。
余談ですが、葵と玲も僕同様に、ガムテで脱毛されてました・・・ご愁傷様
「いよっしゃ!みんなの着替えも済んだ事だし、始業時間まで後少し、気合い入れて行こうぜぇっ!!」
『オォーッ!!』
「それ、私の台詞じゃ・・・」
台詞を取られた会長さんは、ちょっぴり可哀相でした。
文化祭編も、残すところ後編のみとなりました。はたしてナギ達生徒会は、見事人気投票一位をもぎ取れるのか?そして、ナギの連れ五人組は?会長とナギの恋の行方は?いろいろとありますが、それは後編をお楽しみに!!




