第8話
そうだ、ギルド関係やら商売関係やら、宗教と回復関係、種族間のあれこれも確認しておかねば。ぶっちゃけドワーフだったら鉱石研磨の傍ら、自給自足で(スローライフには程遠そうだが)生きてはいけるんだろうが。だがしかし、折角、転生して初めての異世界暮らしを楽しむんだから、冒険者ギルドに登録してみたりダンジョン攻略とかもしてみたい。魔道具開発とかも実はちょっとだけ憧れてたりする。
「で、冒険者ギルドとか、宗教と神殿とか、生産・商売関係とか、魔導ギルドとか、錬金術ギルドとか⋯⋯、亜人種とか魔族とか、魔物?モンスター?とか、そういった話はどうなってるものか。後、地理・歴史や言語等の転生先の世界の基礎知識も教えてほしい。」
そう、転生先で、しれーっと転生者と悟られぬ様に生きてゆく為には、その世界の基礎知識が標準装備でないと詰むからな。転生勇者とか祀り上げられるのだけは勘弁だ。
まぁ、生産職の女ドワーフが実は転生勇者で、無理矢理貴族にさせられ、更には王侯貴族の政略結婚相手に担ぎ上げられ⋯⋯、悪役令嬢に嫉妬されて婚約破棄からの王都から追放されて、魔族領で歓迎されるよ王子ザマァ! ⋯⋯とか絶対ないから。
AIから種族、言語、宗教、動植物、魔物、魔族、職業、スキル、魔法、魔道具、錬金術、地理、歴史、国家……諸々が語られる。尋ねた手前大声で言えないけれど、ぶっちゃけ全部覚えるのが面倒くさい。絶対忘れる。メモ帳機能、マジで欲しい。
「⋯⋯(中略)⋯⋯と多岐にわたっておりますので、転生者にはお詫び特典としてスキル・『記録保管所』を差し上げることになっております」
やばっ、変なチートスキルきた。どうせだったら容量無視の不思議ポケットな空間収納をください。