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第535話

あ、ヤマブシタケを報告するのを忘れてた。食用だけど異世界では知られていなかった。毒キノコじゃないからお持ち帰りしちゃったけど、もしかしたら未申告は駄目だったかもしれない。



「あの……、ボク、キノコの申告を一つ忘れてました。この後、申告しに行っても大丈夫ですよね?」


「えっ、そんなキノコ有った?」


「毒キノコじゃないんだよね」


「はい。毒キノコではないけどギルドでは認定されていない食用キノコです」


「それは行かないと駄目だね。納品の必要は無いし恐らく課税もされないけど、本当に毒キノコでないか確認の為に見せる必要はあるよ」


「でも、未承認か〜。どんなキノコだろ?」


「見ます?」


「いや、受付に行ってからでいいよ」




申告漏れを詫びてヤマブシタケを取り出した。今回、ヤマブシタケを申告しなきゃいけなかったのは冒険者ギルドを通してキノコ採取に行ったからで、これが依頼と直接関係ない野草やハーブの採取だったら未申告でも特に問題は無い。大量に採取したのなら申告しないと脱税になっちゃうけどな。鉱石なんかも素材用に少量採取だったら同様ね。ただし、毒キノコや毒草、毒蛇類といった有毒の物は少量でも未申告だと捕まる。なので、鉱石に含まれる毒も申告対象になるものが多い。仕分けが面倒くさいから申告した方が楽だとも言うな。




「こっ、これは……」


「ガルシア茸!?」


「初見のキノコなのに既視感が有ると思ったのは、それはこれがガルシア茸だからなのか???」



ヤマブシタケの登場で受付がザワつき始めた。そしてこれはガルシア茸ではございませんよ。だってコレ、まだ名前は付いていないでしょ?



「ヤバい、鑑定したら名無しのキノコだけど、どう見ても【ガルシア茸】と呼びたくなる魔力がある」


「 [ 新商品:【ガルシア茸】入荷しました ] って貼り紙を出したら全員納得するかな」


「それではこれは【ガルシア茸】で新種登録いたしましょうか。幸い食用と出ておりますし」



採取場所はナメコの近くだったのでそう報告しておく。第一発見者は俺じゃなくてアンディーね。



「しかしカーバンクルがキノコを」


「アンディーは樹上からも探索しているのでボク達よりも色々と見つけてるんだと思います。地上に降りたら目線もドワーフより下ですし」


「言われてみればその通りだ。【手持ち豚】といい、従魔にキノコ探しをさせるのは良い案かもしれないね」



ムキュウ!!

プープー



自信たっぷりで、任せとけってドヤ顔してる感じだな。俺としても従魔が美味しいキノコを見つけてくれるのは願ったり叶ったりだ。醤油さえ潤沢に手に入ればだけと、和風キノコパスタが食べ放題だな。




「それで大変申し訳ないのですが、この【ガルシア茸】は報告の為にギルドが買い上げると言う事で宜しいでしょうか?」


「いえ、それだったら差し上げます。一株だけですし、今回はタロール茸が目的だったので」


「ありがとうございます。ガルシア様にもその様に伝えておきます」


「あ、はい、分かりました」



その後、俺のあずかり知らぬ所でガルシア様にヤマブシタケが献上されていた模様。




明日は松茸料理か……。米は無いので松茸ご飯は無理。網焼きとお吸い物、松茸和風パスタで我慢してもらおう。後は精々、松茸入り卵焼きぐらいかな。かつお節は無いので干し魚で代用。オロール先生の私物の昆布入り醤油を数滴貰って味付けしたらどうかな?


オロール先生のお土産用にスモークナッツを購入した。まぁお酒は持ってるだろうし。ミケヲさんがオロール先生にお酒をご馳走すると言ってたけど、どんなお酒か分からないからツマミの用意のしようがない。まぁオロール先生が何かしら持ってそうだけどな。それこそ【酒盗練(シュトウレン)】みたいなやつね。



プープー?



あ、カトリーヌがスモークナッツに反応してる。カトリーヌの分も買っておこう。期待させておいて出てこなかったら悲しいもんな。




コカちゃん……が居ないのはとても寂しい!! コッピョ コッピョ と鳴きながら俺の後ろをチョコチョコと付いてくる姿が見えないのは寂しい。アンディーやカトリーヌに埋もれて寝ているコカちゃんの頭を撫で撫でできないのも寂しい。


明日、返してもらえるよね?




寮の部屋のドアに [ ちゃんと手習いをする様に ] と書かれたメモと小さなハンカチの入った紙袋が下がっていた。オロール先生からの愛のメッセージかよ。ドアに連絡物を下げる為のフックが付いてるのは便利だ。ただ、ちょっとだけ前世のトイレの個室(もちろん内側だ)を思い出す訳だけど。たまにアンディーがフックに乗っているのは寮母さんには秘密だ。もしかするとコカちゃんも止まり木扱いして乗ってしまう可能性があるな。



ドアなぁ、俺の家は引き戸にしたいんだよね。横にスライドさせる扉ね。荷物の出し入れが楽そうだし、開き戸と違って従魔も自由に出入り出来るでしょ? でも引き戸だったらフックは付けられないな。


ドワーフ建築だとドアが内側に動く開き戸が一般的。理由は酔っ払らってても家に入るのが楽だから。逆に工房のドアは外側に動かす開き戸が一般的。大きい工房だと両開きの戸もある。観音開きのドアってやつね。理由は大型作品を出しやすいから。だったら両開きの引き戸にすれば……と思うんだが、引き戸自体が珍しいから無理なのか。


両開きの引き戸、つまり目指せ自動ドアって事です。馬車のドアだって引き戸にしてもいいじゃない。その辺り、ハーレー=ポーターさんに話してみよう。

―――― お知らせ ――――


次回の投稿は2/16になります。宜しくお願いします。

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>「ガルシア茸!?」 >「初見のキノコなのに既視感が有ると思ったのは、それはこれがガルシア茸だからなのか???」  ヤマブシタケの画像を検索したら、確かにすんげー白ひげに見えたけどさぁw  ガルシア…
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