表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

537/539

第533話

それからカトリーヌは更に三本の松茸を発見した。それと【ニセタロール茸】を一本。


(鑑定)

【ニセタロール茸】:前世のバカマツタケ。


あ、確か松茸の偽物というかソックリさんと言われるキノコか。こっちでもタロール茸の偽物、つまりニセタロールって呼ばれてるんだな。まぁ食べられるキノコだし持ち帰ろう。



プピッ プピッ



ご機嫌なカトリーヌにはお昼ご飯に【虫来ず草】と紅茶を。ポニー達には飼い葉クッキーと【叫ばずマンドラゴラ】、それと美味しい水だ。アンディーは野草クッキーを食べたあと木々の周りを飛び回っている。おっと野生のカーバンクルが飛び出してきたぞ状態ともいう。ポリポリと乾いた音が聞こえるけど、アンディーが何かで遊んでるのかな?



ムキュウ!

(「あげるの」)


「アンディー、ありがとうね」



って、なんじゃこりゃー!!


手渡されたのは謎のエビフライの様な物体だ。



「あー、リスのエビだ。もしかしてアンディーも作れるの?」


ムキュウ!!

(「なの」)


「いいな。リスのエビは買い取り価格が美味しいよ」



リスのエビと言うのは、松ぼっくりをリスが噛じってエビフライみたいな姿にした物の事だ。リスが松林でマンバや野生動物に襲われず、のんびり松ぼっくりを噛じってリスのエビを作り上げる。つまりこれは平和の象徴みたいなアイテムで、平穏無事のお守りとして取り引きされるという。



「アンディーが作ったんだ」


ムキュウキュウ

(「おいちいの」)


「美味しいの?」


ムキュウ

(「なの」)



どうやら本当に中身を食べたかった模様。松の実は独特のコクが有るので俺も好きだったりする。


「いいのかな、これ、アンディーの作った物なんだけど」


「良いんじゃないかな? この辺りは野生動物の気配もしないし」


ムキュウ ムキュウ

(「むこう おなじの おちてるの」)



アンディーが誘う方向に歩を進めると、確かに松の木の根元にポロポロ落ちてるエビフライ。少し時間が経っているのかボロボロになってるけどね。



「あ、本物もあるんだ。だったらこの辺りは今年は安全地帯だって報告が出来るよ」



午後はカトリーヌが本領発揮。ジロール茸、ポール茸を発見した。アンディーは毒キノコを見つけてくるけど。採取しないけどチーウ=エーツさんが毒キノコの記録を取っていたので商業ギルドに報告案件なんだろう。



「ミーシャ、そこにある真っ赤なキノコ、あれは見つけても絶対に触っちゃダメだから」


「うっわー、【地獄の業火】だ」


「【地獄の業火】って名前が物騒ですよ」


「危険なキノコだからその名が付いた」



(鑑定)

【地獄の業火】:前世のカエンタケ。触るなよ、絶対に触るなよ!!



どうぞどうぞ……とかじゃねぇ、あれはマジでヤバいやつだよ。キノコのシーズンになると時々メディアに取り上げられる危険なキノコだった。



「あれ、どうするんですか?」


「商業ギルドに報告する。錬金術ギルドで使う予定があれば採取依頼が出ると思う」


「囲っておこうか」


「そうしよう。間違って近寄られたら危険だし」



そうこうするうちにカトリーヌがトリル茸を発見した。黒いトリュフ。前世でも話にだけは聞いたことのあるキノコだよ。カトリーヌ、お手柄!!



プープー? プープー?


「カトリーヌ、ボクの欲しいキノコも商業ギルドが欲しがってるキノコも、全部見つけたんだね。凄いよ、ありがとう。疲れてない?」


プ〜〜?



カトリーヌがトコトコと歩き出す。また何か見つけたの? 付いていくと、そこに生えていたのは大量のナメコっぽいキノコ。しかもよく育っているやつ。


なっ、ナメコか!? 鑑定だ、鑑定。


鑑定結果はナメコで確定。異世界だと【スライム茸】と呼ばれるやつね。実はナメコを狙っていたからマジで嬉しい。俺はナメコでゼリー風の食べ物を作ろうとしてるからな。



「ミーシャちゃん、それ採るの?」


「はい。探してました」


「また不思議料理を作るの?」


「そうです。普通に美味しいですよ。ちょっと変わった使い方を試そうと思っています」



ラパン達も【叫ばずマンドラゴラ】を見つけたりしてたし、マツタケ狩りは大成功だった。野生動物が出てこなかったのでアリサお姉ちゃんは不満みたいだけど。




ムキュウ ムキュウ

(「ますたー ふさふさキノコ むこうなの」)



ふさふさキノコ? 見に行くと確かにふさふさしている。もしかしてヤマブシタケか? 前世でも食べた事は無いけどスーパーのキノコ売り場で見かけた事はある。サッと鑑定する。



(鑑定)

???: 前世のヤマブシタケ。食用。



あ、こっちで未確定だけどヤマブシタケで間違いなしだ。そっと回収して餌用マジックバッグに仕舞っておこう。



◇◇◇◇◇



プープー プープー

(アタシ、お手柄だし)


「と言う訳で、カトリーヌが見つけたキノコを納品します。買い取りお願いします」


「つまり、その従魔の【手持ち豚】のカトリーヌが四大茸を見つけたと」


「はい。【手持ち豚】は臭覚が発達しているのではと思い、実験を兼ねてキノコを探しに行きました」


プピッ

(任せるし)


「このカトリーヌ以外の【手持ち豚】でも臭いで探せるとしたら、それは大変な事実ですよ」



尻尾を千切れんばかりに振りまくるカトリーヌ。多分、他の子達も出来ると思うけど。そして【タロール茸】と【スライム茸】には値段は付かなかった。いや、値段が付いても売らないけど。



「初めてなのに探し当ててくれました。カトリーヌのお手柄です。それとアンディーが毒キノコの位置を教えてくれました」


「これが私達が確認した毒キノコのリスト。後、【地獄の業火】が生えていたのでマーカーを設置しておいた。早目に処理しておいて欲しい」


「上に報告しておきます」


「それと、スライムが痩せてた」


「トイレも注意が必要ですね」


「そうだ、リスのエビの買い取りをお願いしたいな」


「リスのエビが有ったんですね」


「沢山落ちてたよ。美品は一つだけかな」



その美品はアンディーが噛じって作ったやつなんだけどね。沢山落ちてたのは嘘じゃないけど、ちょっとだけ心が痛んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ