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第524話

今の所、ハーレー=ポーターさんに俺が家を建てる話と薬味園を管理する話はバレていない模様。家はともかく昨日の今日で薬味園の話がバレてても困るんだが。


ハーレー=ポーターさんは「カトちゃんに宜しくね〜」と紅茶の出涸らしも渡してくれた。ハーレー=ポーターさん愛飲の紅茶はお高い茶葉なので出涸らしと言えども貰えたら嬉しいんだよ。


そのカトリーヌはまだ眠そうにしていた。これはパイクお義祖父さまに預けてきた方がいいやつだな。カトリーヌに声を掛けて早目に連れて行こう。



「カトリーヌ、大丈夫?」


プー


ムキュウ

(「ぶたさん おつかれ」)


「パイクお義祖父さまのお家に行こうか。のんびりできるよ」


プーゥ



こんなにテンションの低いカトリーヌって初めてかもしれない。



「大丈夫? 野草クッキーも茶葉もあるよ。食べる?」


プッ プキィ



美味しい匂いに釣られたのかカトリーヌが動きだした。でもパイクお義祖父さまのお家に連れて行くけどね。



「カトリーヌ、大変だったら次から合同作業に参加しなくてもいいんだよ」


プキィ プープー プープー プピップピッ



えっ、なにこの鳴き声? 合同作業自体は嫌じゃないって事なの? 後で作業で引率担当だった講師にカトリーヌの様子がどうだったか聞いてみないと。



カトリーヌを預けた後は早目にお昼ご飯を済ませる事にした。まぁ職校のランチなんだけど。何の変哲もない職校の食堂の昼ご飯なのに、今日のメニューに餃子が出ているのは何故だ!?



「これ、新メニューですか?」


「そうだよ。新しく登録されたメニューだよ。ドンドン食べておくれ」


「熱々だから気を付けるんだよ」


「ありがとうございます」



昼から餃子。しかもパンとミルク味のスープに餃子。餃子は夜メニューにしてエールを注文させてよ!!


醤油が無いので酢醤油が作れないから塩レモンダレで食べるんだな。好みで粉末唐辛子や刻んだ生の唐辛子を加えろ…と。


外側はパリッとしているのに噛むと皮はもっちりとしていて、俺の作った物との差は多分皮の厚みと焼き方なんだろう。大きさも前世で一般的なサイズの二倍近くある。今日は人気のジャンボ餃子店に来てみました、って感じだね。


中の餡もタップリで、噛むと危険な肉汁がとお口の中にドバっと……熱っっ!! 美味しいけど熱い!! 肉と野菜のバランスもいいし、今ここに白米とビールが無いのが悔やまれる。それとBGM代わりの野球の中継だな。サッカーでもいいけど。


パンで挟んでバーガー風にして食べても美味いな。餃子バーガー。焼きそばパンよりは炭水化物は重なってない……よね?



「どうだったかい?」


「凄く美味しかったです。でも…出来ればエールを飲みながら食べたいです。後、口の中が……」


「やっぱりエールだよねぇ」


「分かってて昼メニューにしたんですか?」


「混乱防止だよ。いきなり夜にコレを出したら大騒ぎになるじゃないか」


「言われてみれば確かに」


「それに、昼は殆どの生徒と講師が利用するだろ? 新メニューのアピールには昼時が一番なんだよ」


「そう言う理由も有るんですね」


「だから、そのうち夜メニューにも出てくるから安心しておくれ」


「はい。ごちそうさまでした」



よく見たら壁に [ 【鉱滓(スラグ)包み始めました】 ] って書いてあるし。


まさかの餃子。昼から餃子。ラーメンもチャーハンも無いけど餃子。厨房のおばちゃん、次は春巻きでお願いします。



アンディーは野草クッキーと果物。厨房のおばちゃんが渡してくれたナッツ入り堅焼きパンを美味しそうに頬張っていた。俺にもお裾分けしてくれたけどね。


堅焼きパンは素朴な味わいで美味しいけれど、餃子の火傷で口の中がベロベロになっている時には少し厳しい。これは紅茶と合わせてやるとカトリーヌ好みかな。



現場の確認もあるのでアンディーは一足お先にグェン棟梁と合流となった。



キュウキュウ


「ほう、そこが」


ムキュウ キュウ


「【魔増(マゾ)草】がすきなのか」


キュ〜ン キュウキュウ


「そうか、任せておきな」


キュウ!



コッソリ覗いてみたのはいいけど、えっ……何を会話してるの? って言うかエルフってカーバンクルと会話できるの???



グェン棟梁とアンディーは打ち合わせを続けてもらうとして、俺はカトリーヌの情報を貰いに行く。運良く学生課に昨日【手持ち豚】達を引率した講師がいたのでカトリーヌの事を聞いてみた。



「カトリーヌは初めて参加したのに手際も良くて、煙も沢山吐いたから豚たちの間で人気者になっていたよ」


「カトリーヌ、頑張ってたんですね」


「張り切り過ぎたかもしれないね。それに凄くモテモテだったし」


「親バカですけどボクのカトリーヌは可愛いですので」


「可愛いと言うより【手持ち豚】達の基準だと美人さんなんだと思うよ。気の利く別嬪さんはどの種族であれ人気者だね」



講師の話しぶりから判断するに、人でいうところのレイド戦に初めて参加したらいつの間にか合コンになっていたって感じか? 社交界デビューしたらダンスを求められまくったとかか?


それと疲れた理由が手持ちじゃなくて歩行だったせいもあるみたいだ。カトリーヌ以外も半数程度が作業終了後にバテていたそうなので、単に運動不足だったのか張り切り過ぎかのどちらかかな?



「もう少しお散歩させた方がいいですか?」


「あ、カトリーヌがバテた理由ね。他の【手持ち豚】もそうだったんだけど、運動不足と言うよりは張り切り過ぎだったかな? カトリーヌは初めてで張り切り過ぎて、他の子達はカトリーヌにアピールしようとして張り切り過ぎてたね」


「そうだったんですか?」


「プリマ種は可愛いからね、美少女の転入生現るって感じなんじゃない? 毛並みも艶々だったから尚更注目されてたよ」



まさかのカトリーヌ、ホワイトブロンド美少女疑惑。ガルフ=トングさんから届いたカトリーヌ用のタワシのお陰かもしれない。後でお礼の手紙をしたためよう。

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