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第505話

三頭を起こさない様にこっそりと部屋に戻って来た。とは言え、御前様とかではなく普通に夜の十時なんだけどね。【シリマ石】と【ウォーター・ゴブリンの皿】をチェックしたい心をグッと堪える。皿と言っても豆皿にもならないサイズ。豆皿と言うより箸置きの方がシックリくるかな。三角のお香を置くのにいいサイズとも言う。盛り塩するには小さいな。


どうやら便宜上【皿】と呼んでるだけみたいだ。直径五センチにも満たない円盤状のウォーターオパールだ。そのままアクセサリーにしてもいいけど、ちゃんと形を整えて軽く研磨した方が良いに決まってる。


背中の甲羅はウォーター・ゴブリンを討伐しないと採取出来ないし、素材としてはバサルトタートルの甲羅とほぼ同じなのだとか。それなら態々ウォーター・ゴブリンを狩らなくてもバサルトタートルの養殖個体から甲羅を頂くのが手っ取り早い。


指先に『汎用魔法』の『常夜灯(ナイトライト)』を灯す。ちょっと明かりが欲しい時に便利。種族特性で暗視は持っているけど、手元を明るくしたい時は何かしらの光源が有った方が便利だもんね。


逆に指定空間を暗くする魔法は光魔法の『暗室(ダークルーム)』一択。『暗夜坑路(あんやこうろ)』という魔法もあるけど、こっちは閉所恐怖症や暗所恐怖症持ちの場合に精神的ダメージを食う人もいるので使用には注意が必要。まぁ大抵のドワーフは平気だけどね。仕事の関係で明るい時間に仮眠を取らないといけない場合には便利な魔法だ。


それはさておきアンディー達の位置を確認。カトリーヌの寝る場所で三頭固まって寝ていた。この従魔団子、スマホが有ったら撮影したい!! SNSに自慢の従魔ですって投稿したいレベルよ。まぁ無理なものは無理なので、さっさと寝てしまおう。


あ〜〜、【シリマ石】と【ウォーター・ゴブリンの皿】、研磨した後にアクセサリー加工するには何処に依頼すればいいんだろう? 売り飛ばす訳じゃないからなぁ。金属加工繋がりでリンド=バーグさんに聞くか装備品に詳しそうなアリサお姉ちゃんか、魔道具繋がりでラルフロ=レーンさんかそれとも商業ギルドか……。結局いつものメンバーだし。フィオナお義祖母さまに聞いてもいいかもしれない。


そんな事を考えながら眠りについた為か、河童が集団で出てきて前世では有名なキュウリの漬物『キュウリー布陣』を食べている夢を見てしまった。戦国武将に扮した俳優さんが戦略図を見ながら「鶴翼の陣」「魚鱗の陣」等と軍議を交わす中、総大将が「そこはキュウリーの布陣で決まりっっ!!」って告げるCMが有名。後は柔道の試合のシーンから皿に乗った沢庵に指導、小鉢に盛られたキムチに指導からの、漬物樽に入った『キュウリー布陣』が映って「一本漬け!!」ってのもあったな。


まぁ、キュウリの漬物はどうでもいいか。白米がない以上、『キュウリー布陣』の魅力も半減というものよ。


お願いです、カーン=エーツさん白米を探してきて下さい。



ちょっぴり寝坊した。時間にして十分かそこらだけど。耳元でコカちゃんがコピョコピョ鳴いて起こしてくれた。多分、アンディーが枕元に移動させてくれたんだろう。


反射的に「コカッ」と答えると俺の頬に頭をグリグリと押し付けてくる。指で頭をグリグリとしてあげるとコピョコピョ鳴いて返してくる。色はアレだがコカコッコのヒヨコもフワフワだ。パンクバンドのモヒカンさんを連想する色味なのに、大人になるとちょっと派手な差し色のはいる尾羽根を持つ鶏姿になるんだから不思議だ。



「コカちゃんはご飯が欲しいのかな?」


コピッ



分かりやすい。コカちゃんの初期飼料を調合し味見をしてから一匙ずつ口元に運んでやればあっと言う間に完食する。水を飲んだりトイレに向かったり忙しいなぁ……。昨日もらってきた紅茶の出涸らしの茶葉に野草クッキーを添えてカトリーヌ用の餌皿に入れておく。アンディーにはキャベツの葉と野草クッキー。ただしこの二頭はまだ夢の中だ。


俺は身支度を済ませ髭飾りを装着。オロール先生にコカちゃんを紹介するまでまだ時間が有るので、そんな時は刺し子の手習いポーチに運針してエール代を工面。そろそろ新しいカリキュラムに移るけど、その時にまだ手習いポーチで運針練習をするのか別の作業になるのかは不明。


コカちゃんが小首を傾げてコピッと鳴く。感覚としては 何してるの? って聞いてくる感じ。コカちゃんの寝床に入れる保温の魔道具用のカバーを作ってみたい。オロール先生に相談してみよう。


ん!? コカちゃんが手習いポーチの中に入り込んでる!! それはスライムバッグじゃないから入らないで欲しいんだけど……。巾着袋に収まるヒヨコ。いや、とても可愛いけど。コカちゃんを取り出してポーチに『汎用魔法』のJSS(浄化清浄殺菌)のトリプルコンボを掛ける。コカコッコの祝福(ブレス)ポーチと言えば響きはいいけどねぇ。


アンディーとカトリーヌには申し訳ないがカーテンを半分だけ開ける。すると木賊(とくさ)の隣で朝日を浴びて日向ぼっこをし始めたよ。それってケージから脱走したトカゲじゃないんだから。


畳の部屋の縁側で庭を見ながら寝そべって、コカちゃんと日向ぼっこがしたいものよ。



さて、起き出した二頭に朝ご飯を食べてもらっている間、オロール先生にコカちゃんを紹介してこようか。

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