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第485話

ヤバい、久々のコーヒーに泣けてきた。前世で飲んでいた物と比べると遥かに薄いんだけど、それでも久々に飲むとキマるわ。野草クッキーとめっちゃ合う。



「どうだい? 無理しなくていいよ」


「凄く美味しいです」


「起き抜けに【コピ】を飲んで煙草を吸うと、そのキマること」



それは分かる。俺は前世で煙草は吸わなかったけどその気持ちは分かるわ。



プープ プープ



カトリーヌがコーヒーの香りを漂わせながら【虫来ず草】の煙をポウッと吐き出した。。器用だな。これ絶対、オロール先生の真似でしょ?



「おや、私の真似事かい? 付き合いのいい子だねぇ」


プキィ


「よしよし、特別に『ブルー=フォーレスト』の山奥で採れる【虫来ず草(ヨゴミ)】をあげようね」


プープープープー プープープープー



特別な【虫来ず草】を貰って大興奮なカトリーヌ。それ、俺も試食したいんですが。



プープー?



そんな思いを知ってか知らずか、カトリーヌが俺に一口分お裾分けしてきたよ。



「カトリーヌ、ありがとうね」



これ幸いと口にする。あ……、コレ、高品質だわ。ぷ〜んと鼻に抜ける芳香は通常品の一段上だし、葉は柔らかい。よく見たら新芽だよ。これ、春先にしか出ない新芽だわ。母方の婆ちゃんが春先に摘んだヨモギの新芽を茹でて、もち米と一緒に電動餅つき機に入れて草餅を作ってたのを思い出した。



プープー?


「これ、凄く風味があって美味しいです。保存状態も良いですし。特級品ですね」


「ミーシャも【虫来ず草(ヨゴミ)】を食べるのかい!?」


「あ、はい、好きです。【魔増(マゾ)草】も好きですけど」


「それは従魔に好かれる訳だよ。ラパンもミーシャにご執心だったしねぇ」


「ラパン、元気にしてましたか? オロール先生にご迷惑をお掛けしませんでした?」


「いやいや、利発的なポニーだったよ。まぁ後半ちょこっと……あったけどね」



マジかー。ラパン、一体何やらかしたんだよ。



「先ず、従魔が増えた経緯をお話します」



オロール先生が出立してから炭焼き実習でアンディーが押し掛け……いや、出会った話。コカコッコと仲良くなって雛を貰う事になった話。カトリーヌをお迎えする事になった話。これだけで一時間以上話すハメになろうとは。



「おやおや、それは大変じゃないか。責任と言う意味だけでなく餌代の方でね」


「まぁ、そこは何とかチマチマ入ってくる権利代で何とかなりそうですし、ワギュ、ラパン、カトリーヌは外の仕事でそれなりに稼いできますので」


「そのカーバンクルは何かと変わり種だね」


ムキュウムキュウ


「悪い意味で言ったんじゃないよ。優しくていい子だねって意味さ」


キュ〜ン


「それよりこの子は姫騎士様なんだが一体何があったのかい?」


「それは……」



アンディー、姫騎士だったの!? 金級騎士じゃないの???



キュウキュウ キュウキュウ


「ああ、そうかそうか……」



オロール先生、アンディーと会話出来るの? 今度アンディーに話の中身を聞いてみよう。



「それで、アンディーから【カーバンクル石(カーバンクライト)】を貰いまして、それが隠蔽効果を持っているという話が上がりまして、それに興味を持ったリンド=バーグさんがオロール先生が依頼したトマホークに取り付けようかという話にまで発展しました」


「ふふ…そりゃぁいいねぇ。面白いよ。それこそ見えなくしてから『風刃(ふうじん)』『雷刃(らいじん)』でも纏わせればよさそうだよ」


「でも、まだ研磨に至ってなくて、その他にも強化石の研磨の依頼も入ってきたので、先にそれで練習してからにしようと思っていたらオロール先生が帰ってきました」


「それなら慌てなくていいよ。トマホークは何本あってもいいからね」


「安心しました。折角【タケ】の仲間も渡してもらったのにそこまで研磨が進んでないんです」


「タケ磨きは手習いみたいなモンだからね。魔力のコントロールの練習になるから暇を見つけて磨くことだよ」


「頑張ります」


「なに、私が生きてるうちにトマホークを投げさせておくれ」



いやいや、オロール先生の寿命ってそこまで残ってないんでしょ? 詮索したら失礼だけど、現役って後三十年ぐらいなんじゃないの?



「ボク、明日はコカコッコの雛を受け取りに行くんです。オロール先生のご予定は?」


「私は商業ギルドに【つゆ豆】の報告だね。そうそう、早目にラパンに会いに行っておやり」


「明日の午前中は時間が有るので顔を見てきます」


「私は商業ギルドに報告した後は、そうだねぇ昼風呂に昼酒でもしようかねぇ……」



相変わらずブレないな。



「そうだ、来月になったら刺し子の手習いを確認するよ。そろそろ新しい事にも挑戦したいだろう? いくつか模様(モドコ)を教えてあげようね」


「本当ですか? 先日、一般的な文様学を学んだので、古代エルフの刺し子の模様とどう違うのか比較するのが楽しみです」


「同じ物もあれば違う物もあるからね。上手く使うと効果の重ね掛けが見込めるし、間違うと効果が相殺されて無駄な仕事になるねぇ…」



あ、やっぱりそんな感じなんだな。指貫の柄は文様学に準じてる感じだったけど。


そして、十二の月・一の週・一の日にはカーン=エーツさんの講演会があるので、その日の刺し子の講義は外してもらった。

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