第460話
強化石になる鉱石の種類はそれなりに多かった。っていうか、正確には殆どの宝石質の鉱石は強化石になる可能性を秘めており、強化値が無く品質の良い鉱石が宝石用に回るって事だったよ。
なので、前世からの石知識はソコソコ役に立ってくれる。まぁ象徴や効果は全く違ってたりもするんだけど、赤色はパワー系、黄色は金運をはじめとする運系だったりと似通ったものも多かった。
そして鉱石ではないが従魔石も強化石の一種であり、カーバンクルという魔獣が好まれる(=狙われる)理由の一つでもあった。
強化石にならないものは魔石とスライムの死核だった。
よく使われる強化石は【血肉石】に【鯨縞石】、【肋肉石】、【天河石】、【黄晶石】……、まだまだ沢山ある。
強化石の効果よりも宝石質のものが珍重されるものは【紅玉】、【藍玉】、【緑玉】【翡翠石】、【黄玉】、【紫晶石】、【柘榴石】等々……。
こうなってくると前世のパワーストーンや宝石類と大差ないな……。
そしてこの世界、前世で天然ガラスと区分されるものが存在しなかった。魔導ガラスが存在するからなのか、天然ガラスは魔導ガラスと同じとみなされているせいなのか、詳しい理由は分からない。ガラス質の光沢を呈するペリドットは存在した。【橄欖】、響きがペリカンっぽいけど鳥ではない。
あ、前言撤回。黒曜石こと【黒裂石】は存在してたわ。あれは天然ガラスだ。どうも黒いからガラスだと思われてない模様。
という訳で、教科書を手に入れてそれを見ながら研磨をしていった方が良さそうだったよ。幸い、強化値が無く宝石質でもない鉱石は手に入れ易いみたいなので、それを使えば好きなだけ研磨練習は出来る。何の効果の無い石でも研磨品の仕上がり次第では売りに出せるしな。それこそ適当なストーリーの一つでも軽〜く添えてヒト族に卸してしまえば良い訳ですよ。仕入れ値分を回収出来れば損はしないしね。
そして特殊な鉱石が【電光石】。物によっては光魔法を帯びているが魔石ではないのだという。勿論、綺麗なだけの【電光石】も有るので注意。
強化石ではないけど対アンデッド効果を持つ【星留】こと化石も有る。鉱石関係は奥深く面白い。そのせいで俺のワクワクが止まらないのですよ。将来、鉱石研磨を仕事にすべきか趣味に留めるべきか、マジで悩ましい。いや、スローライフしながら鉱石研磨をするのが目的・目標ではあるのだが。
【魔増草】と木賊を育てながら従魔に囲まれて、気が向いたら魔導刺繍の刺し子をしたり鉱石を研磨したりする生活をしたいんだよ……。
{ ―― 【ホヤッキー】は? ―― }
ブフォッッ、……噎せた。今一番聞きたくない内容の天の声が聞こえました。
ホタテビキニ、貴重で希少価値があって実は人気商品らしいからなぁ……。そうだ、ミケヲさんはホタテビキニを知ってそうだな。そのうち献上してみるか。
ムキュウキュウ
(「ますたー だいじょぶ?」)
屋根裏部屋のベッドに寝っ転がって考えを纏めていたらアンディーが寄ってきて俺のツインテールを毛繕いし始めた。流石に明日は休みにする予定だ。何で俺は出張講義が初心者向けというか一年生向けだと思いこんでいたんだろう? どうみても難しい内容をしっかり伝えて、分からない奴やシッカリ学びたい奴は授業を取れって事だろ。全生徒に必要ではないかもしれないけど仕事のどこかに関わってくる可能性があるから、皆何処かのタイミングで履修はするらしい。
カトリーヌはアッシュちゃんに遊んでもらっている。髭無しが飼ってみたい魔獣第一位が【手持ち豚】なんだとか。なのでアッシュちゃんはカトリーヌと触れ合えて上機嫌。
それより、モヤシ実験をしていなくてマジで良かった。今実験してたら俺の意識からモヤシの存在がぶっ飛んでしまい、モヤシを駄目にしてた気がする。クローゼットで干からびるか、モジャモジャ伸びて怪奇植物に変貌するかのどちらかだろうなぁ。モヤシならまだしも、ヨーグルトや納豆だったら地獄を見たに違いない。色々と実験してみたいけど寮の部屋は駄目だな。危険な臭いしかしないわ。あー、カレー実験が進まないよ。それもこれも学園の薬草学の授業に出ていないせいだし……。
結論:俺が悪い。
コカコッコ夫婦のタッキーとチャーモ、二羽から貰った羽を髭飾りにしてたんだけど、良く考えたら髭飾りでなくて髪飾りでもいいんじゃないの? パイクお義祖父さまの考えだと、羽から出てくるコカコッコ夫婦の魔力を軽く纏わせる事により、コカちゃんが安心するんじゃないのかと言う事だった。コカちゃんに対し、ボクは悪いドワーフじゃないよアピールって事だな。
パイクお義祖父さまにコカちゃん用のケージも作ってもらった。ケージというか籠だけど。
カトリーヌは屋根裏が気に入ったのか、連れて来ると延々と探検している。アンディーも梁で遊んでいるから家を建てる時には屋根裏は必須だろうな。
眠たくなってきたと思ったら、カトリーヌが安眠を誘う煙を吐き出していた。ベッドの頭上には安眠の御守りもある。お腹には空飛ぶ座布団ことアンディーが。
うん……おやすみなさい。




