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第459話

ぐおぉぉ……俺、出張講義ナメてました。反省。今なら出来る、全身全霊を籠めた会心の出来の『反省』をな!!


まさか、あんなに複雑だったとは……。俺ね、ユニークスキルのせいで覚えたことは忘れない仕様なんですけど、それでも噛み砕いて纏め直さないと訳が分からなくなる。もうね、わけワカメ。お前は何処のワカメじゃ?状態ですよ。何言ってるか俺が一番分からねえぜ。


単独でも奥の深い強化石や文様が複合で合体技ならぬ相乗効果を生み出すし、そこに魔法を絡める事も出来なくはない。そこから派生していくのが魔法陣で、その魔法陣にも強化石や文様をチョイ足し出来るってどんだけ〜!!


ヤバイ、ヤバイヤバイ。どんだけヤバかったって、二日目からパイクお義祖父さまの家に泊まらせてもらったぐらいヤバかった。まぁ、カトリーヌの管理の関係上なんだけどね。ちなみにアンディーは俺の背中で寝てたけどな。


そして講義内容とは全く関係ないけど、あれだけ色んな野草に興味を持って口にしようとする【手持ち豚】だけど、【魔多々媚(マタタビ)】は食べない事が分かった。口から【魔多々媚(マタタビ)】の煙を吐き出したら対猫獣人殲滅兵器になってしまうよ。


さて、落ち着こうか。



この世界の魔法は無詠唱が基本というか、()()()()()()()()()()()()()ものだった。とは言え詠唱した方が効果的でより強大な結果が生み出されるけど。どうも魔法にはイメージ力が作用するらしく、同じ『ファイアーボール』を発動させたとしても、子供のキャッチボール程度の威力の火の玉が飛んでいく事もあればメジャーリーガーの投げる豪速球クラスの威力を持つ火の玉を飛ばすことだって出来るのだ。


そこを規格化するのには詠唱で発動時のイメージを揃えるって事が必要になるそうだけど、そこまで大掛かりな事…ぶっちゃけ戦争をしないからあまり重要視されてなかった。そりゃぁ職業魔法使いになると一回は規格を覚えるそうだけど。この場合の職業魔法使いは冒険者の職業(ジョブ)ではなく、錬金術師や魔道具師、学園の魔法学講師といった生産職やデスクワークで魔法を使う人達の事を指すんだけどね。


おいおい、無詠唱チートが出来ないぞ……って思ったけど、そもそも『汎用魔法』がこのイメージ重視の恩恵の賜物だったよ。それが異様な数の『汎用魔法』カテゴリーに含まれる魔法が存在する理由だった。


ねぇ神様、魔法設定が曖昧過ぎるよ!! そう言えば上位存在こと上様は元日本人だったってミケヲさんが言ってたな。ふんわりとしていながら所々ピッとしていて、そこにズバーンといく魔法……なーんて表現は日本人でないと伝わり辛い気がする。いや、この例は曖昧過ぎて日本人でも微妙か? まさか上様って所謂一つのミスター野球じゃないだろうな? 暴れんボールを三振するかホームランするかのミスター野球。



そして俺がこの前岩塩でブッ倒れた理由が少し分かった。俺さぁ、岩塩に対して結構細く分離指定とイメージをもって『分離』を掛けていた訳よ。つまりそれは『汎用魔法』を飛び越えて “ 分離魔法 ” に到達してしまう域だった模様。これは分離魔法を習得して様々な魔法を生み出せという事なのか? 分離魔法はレア魔法なのでキッチリ修めている者は殆どいないらしい。



「あらあら、ミーシャさんも魔法学や文様学の恐ろしさの深淵を覗き込んでしまいましたのね……」



フィオナお義祖母様が深淵とか不穏な事を言ってるんですけどぉぉ!!



魔法陣と文様の違いをザックリ分けると、刻みやすい書きやすい所に施すのが魔法陣で、その気になったら何処にでも描けるのが文様。文様の発動する効果は強いものではない。


ただ、文様の凄いところは対象物を埋め尽くす事が出来ることだった。文様学の講師が


「この埋め尽くし効果を利用すれば布鎧(クロースアーマー)でも革鎧(レザーアーマー)以上の防御力を付与する事も可能だ。そして伝説に残っている “ 耳無しエルフ ” の物語はこの文様効果を利用したものと言われている」


と説明してたな。 “ 耳無しエルフ ” の物語と言うのは、エルフの青年フォー=イッチが全身に守りの効果のある文様を描き込んで戦争の前線に出たのだが、特徴的な長い耳に描かれていた文様が行軍中に消えてしまい敵の攻撃が耳にだけ集中被弾。戦闘終了時には耳が無くなっていた……と言う伝説の物語だ。



そして、分離魔法は実は上位魔法に分類される事が判明。水魔法の上位魔法が氷魔法なのは有名。そしてあまり知られていないけれど除去魔法の上位魔法が分離魔法だった。除去魔法で一番有名なのは『解毒』、次いで『解呪』だ。前世風ならリムーブ◯◯ってやつね。除去=消滅なので除去対象物を保持しなくていいけど、分離だと抜いたものも保持しなきゃいけないから、かなり高度な魔法という事になる訳よ。


分離という文字に騙されていたけど、多分感覚的には抽出が正しい。そして分離魔法は先人達が鉄鉱石から鉄を分離しようとして頑張ったけど、魔法を使うより物理的に分離した方が早い事に気付いた為メジャーにならなかった魔法なのだとか。鉄を分離する度に魔力枯渇で【魔増(マゾ)(ひずむ)ジュース】のお世話になったら仕事にならないよなぁ……。



「パイクさんが冷却魔法の第一人者になりましたでしょう、何でしたらミーシャさんも分離魔法の第一人者を目指したりいたしますの?」



フィオナお義祖母様、それフラグです。それもとびっきり危険なやつです。

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