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第44話

「あの…、養子縁組は分かるんですが庇護氏族ってどういった制度なんですか?」



何もなく身元保証人的な制度であることは分かるんだけど。詳しい内容は教えてもらわないことには分からないもんなぁ。



「ジョー=エーツ、ミーシャに説明してやったらどうだ?後、マリイン=リッジは少し落ち着け」



ファイン=ロックさんが冷静に突っ込む。



「じゃあ説明するぞ。ドワーフという種族は姓に相当する氏族名を持っている。氏族名は一族の誇りであり信用だ。何の職業を中心に家督を継いできたかも分かる。結婚してもよほどでない限り夫婦別氏族名が当たり前だ。時に増えすぎた一族が分家分かれすることがあるが、その時は『本家氏族名+分家を示す接尾語』を付けるのが慣例だな。例を挙げると、エーツ氏族(本家)からエーツ・ゼーン氏族(分家)が生まれるといった次第だ」


「そして庇護氏族というのは、何らかの理由で氏族名を持っていないドワーフや、養子縁組や婚姻以外の理由で氏族名を変更したいドワーフが庇護保証人の認定の元で使うことのできる “対外的に信用を得る為の氏族名“ の事を指す」


「氏族名が無いということは孤児や元奴隷、あるいは生まれの一族を捨てたか、主に犯罪等に関わったなどの後ろめたい過去がある等々で、ドワーフ社会では何かと暮らし辛いんだよ。養子が犯罪を犯したり養親と揉めたりした場合は養親側から勘当して縁を切れるんだが、庇護氏族が犯罪等を犯した場合は庇護保証人も連座制で責任を被るので、そうおいそれとは庇護関係を結ばないものだ」


「ちなみに、エーツ氏族が庇護保証人の場合の庇護氏族名は、接頭語+氏族名でニュー・エーツやシン・エーツ等といった感じになるぞ」




ジョー=エーツさんがざっくり説明してくれる。身元保証人的な感じで間違いなさそう。



「養子縁組と庇護氏族縁組ではどちらが多いんですか?」


「それは場合によるんだ。エーツ氏族に養子に入る場合なら職業とか意識しなくていいけど、バーグ氏族に養子に入る場合だと鍛冶が出来ないと肩身が狭くなる時がある。勿論、そんな事を気にする必要は無いんだが、どうしても周囲の目というか頭の硬い連中がいるからなぁ…」


「俺は其の辺は気にしてないんだが、バーグ氏族の長老には偏見的な者が多くて困る。その点まだトング氏族はマシだろ?」




リンド=バーグさんが苦笑いしながらそうボヤく。




「と言う訳でじゃな、儂らとしてはミーシャが望むなら養親になろうが庇護保証人になろうが構わぬのじゃよ」



そう言うとカッカッカッと笑うパイク=ラックさん。そして氏族に関する説明を聞いて俺が理解した事は……




「つまり、辺境出身で氏族名のないボクは相当な不穏分子だったと…」


「まぁ、ミーシャが集落の入口にいた時に警戒したのは事実だ。今は不穏分子から不思議っ()に昇格な」



身分保障的な提案は凄く嬉しいんだけど、それにしても『関所の集落(仮)』の六人がこぞって俺を庇護氏族にしてもよいと口々に言うのは異様と言うか異常と言うかなんだよなぁ…。

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