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第435話

明日の午前中はミケヲさんと会見というかネコ車とコタツの話をする為の準備もあるので早目に寝ておこう。もてなし料理の仕込みもあるし。まぁ、アリサお姉ちゃんにドジョウを開いてもらえさえすれば後はそれほど難しくはないハズ。


カトリーヌがスースーと寝息をたてている。何だかほんのり甘い匂いが漂って……ん?これって入眠を促すお香の香りか!? カトリーヌ、虫除け以外の煙も吐くんだ、特に何も食べさせてないけど。疲れたせいもあるけどお香の効果で眠たくなってきた。アンディーも眠たくなってるのかな? あ……おやす、  み……。



気付いたら朝だった。爽やかな目覚めで心身共にスッキリ。カトリーヌ、有能すぎるよ。早朝なのでアンディーはまだ寝ている。俺の気配を察知したのかカトリーヌがトコトコと寄って来た。



「カトリーヌ、おはよう。お腹空いてない?」


ププー


緩やかに振られる尻尾。そこまでお腹が空いていないのかな?


「ボク、身支度したらブラッシングしてあげるね」


プキッ


ブラッシングという単語に反応したのか尻尾の動きが早くなる。髪と髭を整えたらベッドに腰掛けるとカトリーヌを脚の上に乗せる。大人しくブラッシングされているというか、ブラッシング慣れしているよね。


野生個体のアンディーと違って繁殖個体のカトリーヌは人馴れしているというか人懐っこい。尤もアンディーはヒト族か亜人か分からないけど迫害?されて逃げていた訳なので比較しようがない訳なのだが。ちょっと待って、ワギュとラパンは野外採取と繁殖個体どっちなんだ?


気になったのでワギュとラパンの保有契約書を確認してみる事に。ワギュは繁殖個体でラパンは野生個体だった。それでラパンは少しヤンチャだったんだ。通常のテイマーだったら飛び出してきた野生の魔獣を使役するんだろうけど、俺はちょっと毛色が違うよねぇ。冒険者はしていないけど従魔がいる人の場合は殆どが繁殖個体で有益な魔獣を購入している状態だな。


そうだ、カトリーヌの保有契約書も確認しよう。当たり前だけど『スワロー』の養豚施設で繁殖させた個体だった。親の個体も分かっているのでその気になれば数代前まで遡れる。これ、狙ったら豚のスタリオン的な事も出来るって事か!?


まぁ、そんな事を気にしなくてもカトリーヌは可愛い。前世でミニブタをペットにしていた人の気持ちが分かる気がする。


一通りブラッシングが済んだので簡単に朝ごはんにしようかな。餌用マジックバッグから野草クッキーとキャベツを取り出す。何枚か外しておけばアンディーが起きてきた時にサッと渡せる。果物も出しておく。飲み水は定番の土魔法『土器』と『汎用魔法』の『注水』で。そうだ、後で【手持ち豚】に与える【増筋(ぞうきん)豆】の量の目安を聞いておかないと。与えすぎると育ちすぎて手押し豚になったりするかもしれない。



「はいどうぞ」


プップー



モグモグと餌を食べる姿も可愛い。手で掴んで餌を食べるアンディーとはまた別の可愛さだな。果物は洋梨。四分の一程度与えてみた。残りは俺とアンディー用ね。切った洋梨を手に乗せて与えると、器用にパクついた後に俺の掌に残った汁ををペロペロと舐め取る。うん、とっても豚さんらしいな。ベタベタするので『汎用魔法』の『清浄』を掛ける。『キーボックス』から拭き草を取り出してカトリーヌの口元を拭いてあげた。



プープー


「カトリーヌ、なぁに?」


プープー


「えっ、拭き草? 拭き草はご飯じゃないよ」


プープープー



いやいや、未使用でも拭き草は食べさせられないって。そんな、お手紙食べちゃう山羊さんじゃないんだから。前世ネタだけど、手紙って中国語だとトイレの紙って意味だったよなぁ……。中華伝奇物の漫画家さんへのファンレターで、 “ ◯◯先生への信(=中国語で手紙)は編集部気付で ” ってのがあったのを思い出したわ。


カトリーヌ、気を付けてやらないと何でも草類を口にするんじゃないだろうな? 拭き草は未使用だったらギリセーフかもしれないけれど、ヤバい草とかは口にされても困る。それこそ毒草とか麻薬に準じる草とか。



プキッ?


「カトリーヌ、拭き草は食べ物じゃないんだよ。今度カトリーヌの好きな草を探しに行こうね。今日は商業ギルドで美味しい草を教えてもらおうね」


プープー



あ、理解してもらえた感じだ。九時を過ぎたら部屋を出るとして、それまでは何をしようか……野草クッキーと洋梨で簡単な朝ご飯になったし。研磨するにも半端だから、こんな時は手習いポーチだ。後、オロール先生から手渡された竹の仲間をチェックしてみるとかだな。特に納期が無いけど貯まってしまった仕事が幾つもあるし。一つずつ片付けていかないと大変な事になる。


ん? アンディーも起きたのか。ならば従魔タイムおかわりといきますか。

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