表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

436/470

第434話

カトリーヌはお腹がいっぱいな様で、目を細めて満足気な表情。朝から【虫来ず草】を食べまくってたからなぁ。アンディーに野草クッキーを渡すと ムキュウ? と鳴いてカトリーヌもクッキーが食べたいのか確認していた。カトリーヌは要らないらしく プップッ と軽く鳴いて返していた。従魔同士でそれなりに意思疎通が出来るのかな?



「アンディー、カトリーヌは野草クッキーは要らないのかな?」


ムキュウ

(「ぶたさん おなか いっぱいなの」)


「カトリーヌも食べたい時は教えてね」


プープー



【手持ち豚】は綺麗好きで飼育場所を汚すことも無く、トイレも決まった場所でするし体毛も短いのでブラッシングしてあげれば抜け毛で不快な思いをする事も無い。水浴びも好むので時々水浴びをさせるか、浄化やそれに準じる魔法を掛けてあげれば喜んでもらえる。とても屋内飼育向けだな。という事で普段は床飼いでよい模様。特に飼育ケージは必要無いんだな。それでも寝床は必要だと思うのでパイクお義祖父さまに発注しておこう。


部屋に戻ると靴を脱いで内履きに履き替える。そして足に向けて『汎用魔法』のJSS(浄化清浄殺菌)のトリプルコンボ、靴には『浄化』と『殺菌』を掛ける。早く土足禁止にしたいなぁ……。カトリーヌが『浄化』に反応した。



「カトリーヌも『浄化』する?」


プピッ



カトリーヌが尻尾を振って浄化して欲しいアピールをしてきたので『浄化』を掛ける。そうだ、こういう時は靴に『消臭』を使って鍛えなきゃ。分離系で試すなら……悪臭分離かな? 分離された悪臭は何処に行くのだろうか? 持ってない魔法を試す時は魔力枯渇に気を付けないとなぁ。不意に生えて魔力を持って行かれると岩石事件・第二章になってしまう。ちょうど数日前に不純物を分離した午後、昨日の事の様に今はっきりと思い出す……。もしくは、不純物クエスト三・ 〜そして伝説へ〜 。……って、伝説になってどうするよ!!


続いてトイレの位置を教える。ここは先輩としてアンディーに実演してもらおう。アンディーは前脚でトイレの蓋を開けるけど、前脚の短いカトリーヌはどうするんだろう? カトリーヌは鼻先で蓋を開けるんだな。トイレの場所も覚えてくれたので一安心。スライムも元気そうなのでヨシッ。



(「ますたー おまめ におうの」)


「えっ!? お豆って【増筋(ぞうきん)豆】?」


(「たなの おまめ」)


「あーーっっ!! モヤシ!!」



俺、モヤシの事すっかり忘れてたよ!!


恐る恐るクローゼットの扉を開く。そこに鎮座するのはヒョロ長く伸びた小さな豆モヤシ。心做しか萎れている様にも見える。でも、食べられそうな感じでもある。ここは鑑定結果を見てから廃棄か否か考えよう。


(鑑定)

蔓野豆(ツルノマメ)のモヤシ】: 【蔓野豆(ツルノマメ)】を発芽させ暗所で管理成長させたもの。発育不全でヒョロヒョロしている。もっと光を。

食用は可能。



おおっ、モヤシだ。腐ってもカビてもいない模様。一応食べられるらしい。茹でるか炒めるか。これは根本で切ってザッと洗って収納しておくのがいいかな? 餌用マジックバッグに仕舞っておけば怪しまれないな。


いきなりミケヲさんに食べさせるのは酷いから止めておこう。


そしてもう一つの豆こと【増筋(ぞうきん)豆】はしっかり水を吸っていた。ここから煮豆にすればいい感じかな。このままだと明日の夜には発根してしまいそうだ。明日、商業ギルドで煮てみよう。



カトリーヌが部屋を探検している。足元にゴチャゴチャと物を置いてなくて良かった。何というかアレだ、前世でお掃除ロボットがベッドの下で動けなくなる危機感を思い出した。まぁ、お掃除ロボットの最大の懸念は玄関から出たはいいが、途中で充電が無くなって力尽きお家に戻れなくなる事らしいけどね。とは言え、日本だとほぼあり得ない話ではあるが。バリアフリーなご家庭でなければ靴を脱ぐ関係上、玄関に段差があるしな。お掃除ロボットは段差は乗り越えてはくれない。


カトリーヌの探検が終わったのでホコリ取りを兼ねてブラッシングをする。アンディー用のタワシだと少し硬いかもしれない。商業ギルド経由で『スリーストライプ』のガルフ=トングさんにカトリーヌ用のタワシを依頼しよう。もしかしたらもう製品化されているのかもしれないけどな。


カトリーヌはブラッシングされるがままで プープー と可愛い声を上げている。尻尾の動きからするとタワシの事は嫌いではなさそう。ザッとブラッシングをしたらアンディーにも「おいで」と声を掛ける。仕事の後に従魔を愛でる、う〜ん癒やされる。お休みの日に従魔を愛でながら皆で野草クッキーを食べたりするのっていいよね。その為にも家が要るな。それって6256動物王国なのか、集まれ従魔の家なのか。それともワクワク従魔ランド?



あ、【天河石(テンガ)】の設定を考えてなかった。


慈愛のシンボル

献身的

心を強くする

行動する

約束の日


この辺りを上手い具合に組み合わせればいいんじゃないかな?



このドングリを模した形に磨き上げられた【テンガ】は貴方の想いを伝える為に献身的に手助けをしてくれます。この石は強化石にはなれなかったけれど、この色合いは心を支える色。引っ込み思案な貴方に行動を起こさせてくれます。ドングリが注ぐ愛情で貴方に素敵な日が訪れます様に。



うん、こんな感じか? しかしだ、前世のオヤジ雑誌の後ろの方に載ってる幸運のペンダントの広告文ぐらい怪しい文言だぞ、これ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ