第30話
春雨を細切りにする為の道具は小鍛冶師のガルフ=トングさんに頼めばいいのかな?大鍛冶師に頼む仕事ではなさそうだし。でも、リンド=バーグさんは鍛冶師の大小とは関係なく食い付いてきそうな予感がする。
心太突きと話しても絶対に伝わらない自信が有るので、ガルフ=トングさんに器具の形状と使い方を説明したら、パイク=ラックさんも呼んで欲しいと言われた。よく考えたら外枠と突き棒は木工品だった。そうだ、沈殿槽も必要だったよ。
リンド=バーグさんは手は出さないけど楽しそうに傍観中。パイク=ラックさんは春雨突きの木製部分と沈殿槽、あと、干し笊を作るために作業場に戻っていった。ガルフ=トングさんは格子状の春雨カッター部分を作りに。鉋みたいな使い方で削りと切りが同時に出来る道具も作ろうとしていたけど。
沈殿槽は桶の中間あたりに上澄み液の排水に使う為の水抜き栓を付けて欲しいとお願いした。用途を説明したら理解の飲み込みの早さに流石は熟練工!!と感動。その沈殿槽は最終的に底が少し傾いた仕様になっていた。凄い、手で沈殿槽を傾けなくてもいいんだ。
擦り下ろした【茄子花芋】を濾すための布袋は新しい物がなかったので、『関所の集落(仮)』に有る布袋に俺が『汎用魔法』の『浄化』『清浄』『殺菌』のJSSトリプルコンボを掛けることになった。布と言えば、実はドワーフ、男女問わず機織りも得意な種族だった。しかも高機。1000本近い経糸を整え、繊細な地模様を生み出す経糸の開口を複雑な足捌きで動かし、 杼(シャトルとも言う)に通した 緯糸をテンポ良く動かすのはどの種族よりもドワーフが適任。他には蟲人族でも少数種族の螽斯人族も機織りが得意だと聞く。半人半蜘蛛の 蜘蛛人族は織る前の糸の準備や糸作りは得意だけど、織りそのものの作業はそれほど得意ではなかった。エルフは糸に魔力を込めるのには長けているけどそれ以外の織り作業は苦手。あと、魔導染色という魔法を使った染色が得意。なお、染料や顔料を使う染色はドワーフが得意分野。
話が脱線した。それはさておき、春雨を作るための準備は着々と進行してゆく。俺はこっそり水飴作りの為に麦芽の準備を始めます。多分、発芽大麦を作ればいいよね?乾燥させた方が安心かな?
(作者のツッコミ)
エールを作ってるんだから集落に乾燥麦芽が無い訳はないのだが、気付いてないのか気付いてても言い出せないミーシャなのであった。




