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第163話

明日は朝十時から冒険者ギルドの談話室で『地底()』のメンバーと面通しと草採集作戦の計画をする事になった。採集の為の装備を装着してギルドに集合だ。『地底()』のメンバーはちゃんと冒険者としての装備は整ってるけど、俺の装備チェックをするとのこと。一応、転生時に簡単な革鎧は貰ってきたけど、ちょっと丈夫なノースリーブの革ジャンというか剣道の胴というか、絶対戦闘向きじゃない。だってバリバリの戦闘職になるつもりは一切なかったから、野外散策で最低限必要だろうと思われる装備にしたからなぁ。


簡単な革の胴鎧、革の帽子、バックラー、革のブーツ、薄手の革手袋。ちっともヒャッハーなんかはしていない。チーウさんに「ミーシャは生命(いのち)をナメてる」とか言われちゃいそうだ。そして得物はバトルピッケル。ちょっとそこまで鉱石(いし)拾いに…な格好だよなぁ…。ちょいとそこまで草採りに…でも野生動物と遭遇する可能性は普通にあるからなぁ。猪と熊が一番怖い。次いで野犬と狼。その次が毒蛇です。


もし許可が貰えたらポニーをレンタルして連れていきたいなぁ。



今夜は職校の寮生用の夕飯を試してみたいので夕方前に三人と別れることにした。ついでに学園の学生寮の申し込みをしに行く。部屋の利用権のみで申請したよ。毎日使うわけでもないしな。公衆浴場の割り引き券は学生証にチャージされていた。異世界の謎技術だ。まぁ、マイナのカードや交通系ICカードだと思えばいいんですけどね。


俺の場合、職校の学生証、商業ギルドカード、冒険者カード、学園の学生証と証明証が多すぎるので無くさないようにしなきゃいけない。まぁ、スキル『キーボックス』を取得してしまえば問題ないんだけど。こっそり『異次元収納(インベントリ)』を使えばいいんだろうけど、スキルオーブを使えば『キーボックス』を持ってないのがバレちゃうし。本人以外がカードを使ってもチャージ済みのお金は使われないからそれは安全なんだけど、再発行には結構な額のお金がかかるので無くさない様、各窓口で念押しされました。


学園の新学期は五の月始まりだ。まぁ、中途編入は珍しくはないし、聴講生も利用するからいつ入学したかを気にしなくてもよいのは嬉しい。休学復学する生徒も多いみたいだし。大体、百歳までは生徒してても周りの目を気にしなくてよいんだからな。そういう理由(わけ)で制服は無い。髭っ()ブレザーとか髭っ()セーラー服とかは存在しなかった。職校も学園も作業着としてツナギは着るみたいだけどね。



少しだけ学園内を見学させてもらった。まぁ学生さんの邪魔はしたくないので立体案内MAPを見ただけだけど。教室以外に、図書館とか魔法実習室とか自習室があるし体育館とかグラウンドとかも普通にある。前世の大学と殆ど変わらない。魔道具やMP回復剤の購買とかもあったよ。そして俺の目は購買に魔道具用の鉱石が置いてあるのを見逃さなかった。


えー、あれ欲しい!! 学生用だからなのか、それなりに品質が良さそうなんだよね。いい感じの水晶(クリスタル)とか電気石(トルマリン)とか置いてるし。



年間授業予定表を貰ったので職校の学生寮に戻ることにした。荷物を置いたら夕飯前にお風呂に入る事にしよう。その前に、寮母さんに貴重品を預ける。『キーボックス』無しのドワーフだけでなく、『キーボックス』に入り切らない貴重品も預かってもらえる。



共同浴場の番台係の(ドワーフ)から湯浴み着を受け取った。「今、非常勤講師のエルフさんが入ってるよ」と教えてくれた。へー、非常勤講師にエルフがいるんだ。非常勤講師に来てくれるくらいなんだから別にエルフとドワーフは仲が悪いって訳じゃないんだな…。


女湯に行き、湯浴み着に着替えていざ入浴!! やっぱりお風呂はよいものです。


洗い場に行ったら先客の姿が見えた。あれが非常勤講師のエルフさんだな。湯気の向こうに見える耳は確かに長いみたいだ。異世界、初エルフです。そもそも俺って他種族に会うのがが二人目なんですけどね。



「失礼します」


「おっろー、めらしっこ来たじゃ」



はっ………!? エルフ語ってこんなに難解なの??? 前世のTVだったら下に字幕が付くやつでしょ、これ。そして無意識下でいきなり聞く言語には『 異世界言語(X-リンガル)』先生は仕事してくれないんだな。カーン=エーツさんのエセ関西弁は、俺が前世の知識で理解できるから聞き取れてただけなのかよ。


非常勤講師さんのエルフ語を意識して返事を返さなきゃ……。あまり黙ってたら失礼になるのでは?


「いい湯っこだな」

訳:(いい湯ですね)


「だな、あずましじゃー」

訳:(だね。気持ちいいねぇ…)


ヤバい、通じた(笑) 俺も良くわかっていない言葉が口から出たぞ。凄いな『異世界言語(X-リンガル)』スキル。これ、エルフと意思疎通するのは大変だぞ。このエルフ語を覚えないといけないのか……。これは確かに交流が無くなるわ。



「わいー、オレの言葉分かるってか? まさか、そったらドワーフがいたってか」

訳:(あらあら、私の言葉が分かるの? まさかそんなドワーフが居たとはね)



えっ!? これって標準的なエルフ語じゃないのか? 待て待て待て待て… これ何語???

(作者より)


エルフさんの最初のひと声は 訳:「あら、女の子が来たぞ」 です。

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