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第139話

赤鉄鉱(ヘマタイト)や苦石ことマグネサイトが落ちてる辺りドワーフの落とし物って感じがする。ヘマタイトは鉄鉱ってだけに素材行きだろうし、マグネサイトは陶芸の釉薬に使われてるんだったっけ? マグネサイトの主成分ってマグネシウムだったか。マグネシウムと聞いたら便秘薬を思い出すのはきっと前世の記憶のせいだ。ドワーフもそうだけどこの世界の人間って便秘するのかな? マグネシウムで一儲け……止めとこう。


異世界とは言え適当に鉱石が落ちてたり拾えたりするのは何故なのか……って考えてもしょうがないか。逆に言うと前世ではあり得ない鉱石や宝石の原石の混成が発生する世界って事なんだから、そこは認めて有り難〜く楽しませて頂くことにします。だってよく考えたらミスリルとかオリハルコンとかアダマンタイトとかヒヒイロカネとかが存在する世界だ

よ、ここ。



コンコン ドアを叩く音がした。


「ミーシャ、起きてるか?」


「はーい、リンド=バーグさん、ボク起きてますよ」


「実は今夜の晩飯の話なんだかな…」


えっ!? もうそんな時間なの!?



「昼飯が済んだばかりの時間に持ちかけるのも何だが…」


よかったー。まだ昼過ぎだったのか。()()()()()ったら焦らせやがって。このこの。


「あ、リンド=バーグさん、部屋に入っていいですよ」


「入るぞ…って、相変わらずの石屋敷だな」


いや、屋敷になるほど集めてません。ここは宿の一室です。



「リンド=バーグさん、いきなり晩御飯の話ってどうしたんですか?」


「ここだけの話だが、冷やしエールが飲みたいだろう?」


「そうですね」


「この後、馬車移動になるから馬車酔いも考えて、暫く酒は控えないといけなくなる訳じゃないか」


「そうですね」


「ホーク=エーツばかり仕事で冷やしエールの飲み放題というのは不公平だとは思わないか?」


あーー、結構、禁断症状出てるんだ(笑) まぁ俺だって冷やしエールは飲みたいもんな。



「ここの食堂でもいいし、外の酒場で個室を借りてもいいんだ。三人だけでコッソリと冷やしエールを飲んだら世間様にバレないだろ?」


三人でか……いいな、それ。…ってホーク=エーツさんが頭数に入っていない!!


「ホーク=エーツさんは誘わなくてもいいんですか?」


「今ホーク=エーツを呼んで冷やしエールを飲ませたらイジメになるじゃないか。パイク=ラックの魔力を無駄遣いさせることにもなるし。そろそろ酒を抜いてやらないとホーク=エーツは馬車移動の時に困る事になるぞ」


あら、()()()()()優しいじゃないですか。



「あの…、乗馬移動や馬車移動の時ってお酒は飲まないものなんですよね?」


「普通は飲まない。というか馬車で運ばれている客以外が飲んだら捕まる」


おっ!! 異世界にも “ 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな ” 的なルールがあるのか!?


「馬に…いや、移動用の動物、農耕用の動物、使役及びテイムしている動物に乗るときは飲酒しているのがバレると捕まる。馬車や農耕動物の御者も飲酒しているのがバレると捕まる。あと、不当に動物達に酒を飲ませても捕まるな」


なにそれ、結構厳しいじゃん。


「そうなんですね。でも騎乗や御者できないほど酔っ払ってるかとかって判断出来るんですか?」


「鑑定すれば即バレするぞ。酒酔い状態を鑑定する石もあるし」


「馬車移動の時は御者さんが大変なんですね」


「なので、我らドワーフは御者ゴーレムを開発したんだ。まぁ【運馬(ウマ)】の制御とかの簡単な命令しかインプット出来ないから、脇に一人監視係が付くけどな。ちなみに監視係は酩酊さえしてなければOKだ」


まさかの自動操縦!! それも酒を飲む為だけに御者ゴーレムを開発するとか流石はドワーフだ。



白いパンが食べ放題で、焦がしチーズが有名なお店があるということでそこの個室をキープする事になった。焦がしチーズ料理ってピザなの?ラクレットなの?チーズフォンデュなの??? 違うかもしれないけど楽しみだ。



そのまま二人でパイク=ラックさんの部屋を訪ねたら、【魔多々媚(またたび)】蔓に埋もれて変な笑みを浮かべながら楽しそうに魚籠(ビク)を編んでいるのを目にしてしまった。凄く声をかけ辛いんだけど…。

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