表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

141/471

第138話

粗め木賊(とくさ)での研磨もほぼ終了したので一息つく。水洗いしたくない素材からどう研磨カス、それも微粉末を取り除くか考える。前世だとマイクロファイバー素材のタオルで拭き取るとかしてたけどね。エアブロー的なものが欲しいな。『汎用魔法』の『換気』と『微風』だと勢いが足りないもん。こっちは空調系だからジャンルというかカテゴリーも違いそうだしな。噴出系は隙間対応ならエアダスターで、広範囲ならエアブローだな。研磨にはエアダスターだろう。便利そうだから両方取得したい…けど…エアブローは風魔法にありそうな気もする。


『エアダスター』『エアダスター』!! 一つプシュッとお願いします!!


まぁ、簡単に生えてきたら苦労はしないよなぁ…。


『エアダスター』の取得を目指してブツブツ唱えていたらフッと浮かんだ事が。これって対人戦でフェイントに使えないかな? …って。動物や魔物にも使えそうだけどヒト族や亜人種ほど視覚に頼ってなさそうだし。まぁ俺は対人戦はしない予定だけど。



そうだ、木工の際にも木屑や微粉末が出るじゃないか。パイク=ラックさんにどう処置してるか聞いてみよう。



まあ、拭き取りは妥協しながら中砥相当の木賊(とくさ)で磨いてゆく。(れき)岩だからツルツルのスベスベにはならないので目標はサンゴ部分をうまく仕上げてやることで。黒っぽい(れき)岩部分と白っぽいサンゴの化石部分のコントラストがそこそこ出てる気がするんだけどな。ただの自己満足か?


この木賊(とくさ)だとここまでが限度だろう。続きは『スワロー』に着いてからで。ここまでの経過をノートに書き留めて終了だ。うん、鉱石や研磨済みの石を仕舞っておく箱が欲しい。格子状に区分けされてる箱。所謂コレクションBOXってやつね。既製品が魔石屋とかスライムの死核の取り扱い所で売ってればいいんだけど。無かったらその時はパイク=ラックさんに発注しよう。



前世の日本で俺は便利な道具に囲まれて生活していたんだな…。コレクションBOXなんか100円均一で普通に売ってたし…。



続いてリンド=バーグさんが適当に拾った砂利の研磨だ。暇つぶしには丁度いい。赤茶色の石と緑がかった石からにしようか…って、それは前世のスキル無しの時の考え方だな。推測でレッドジャスパーと蛇紋岩って値踏みしちゃってるから。ここは異世界だから鑑定も出来るし謎素材もあるんだ。全部『対物簡易鑑定』しちゃってノートに記入し、そこからどうするか考えよう。


白っぽい石 ✕ 二個

赤茶色の石

黒い石 ✕ 三個

緑がかった石

灰色の石 ✕ 二個


これを全部鑑定してしまうことにした。ドキドキの鑑定結果は………



白っぽい石 ✕ 二個 【長石】【石英】

赤茶色の石 【赤鉄鉱(ヘマタイト)

黒い石 ✕ 三個 【玄武岩(バサルト)】【黒曜石】【安山岩(アンデサイト)

緑がかった石 【蛇紋岩(サーペ)

灰色の石 ✕ 二個 【苦石(マグネサイト)】【凝灰岩(タフ) (砥石)】


何か予想と違った!! 読み方も何か違う感じだから、そこは『異言語知識(X−リンガル)』補正が掛かってるんだな。スキル様様です。上位存在さん、AIさんありがとうございます。無事『スワロー』に着いたらお供え物をしないとね。



宝石として磨くんだったら八割ハズレって感じなんだろうけど、今の鉱石研磨に飢えてる俺にとっては結構な御馳走です。小さいけど砥石の欠片もあったしな。それより赤茶色の石ってヘマタイトの酸化したものだったのか。特に危険な成分を含む鉱石も無くてよかった。


マグネサイトがあるぞ。あれって確か、前世だったらターコイズの代用品として青く染色したものが流通してたよな。まぁ、本来の白っぽいものも売られてたけど。前世の記憶ののせいなのか、この石を見ると何だか勾玉を思い出す。ショップで勾玉とか丸玉ビーズにされてるマグネサイトをよく見掛けたせいかな? 後は大振りな楕円カボッションのペンダントトップにされていたと思う。


黒曜石は石器時代の(やじり)とかでお馴染みのだ。そして玄武岩。俺の前世の名前を思い出す玄武岩。長石も有ったよ。どの長石か分からないけど長石。表現がしっくりこないけど長石グループはやたら種類が多かった記憶がある。長石かぁ、磨いたら何か面白い効果とか出ないかな…? 軽いシラー程度でいいんだ。どうせだったらキラキラする物を磨きたいじゃない?


先ずは鑑定結果と共に鉱石の形状のスケッチからだな。これは出発前に済ませておきたい。玄武岩、安山岩、凝灰岩は書かなくてもいいような気がする。まぁ小さい砂利だから面白がって研磨しちゃうのも全然有りだな。


そして黒曜石だけはぶつけて欠けたりしたら破片で怪我しそうな予感がするので、ボロ布でいいから丁寧に包んで除けておくことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ