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第128話

朝ご飯は大麦粥に干し肉を加えたもの。お酒は飲んでないけど慣れないポニーの乗馬酔いで俺は食欲が出ないのだ。仕方ないので状態異常を回復させてくれるポーションを飲む。ポーションを飲まないで頑張っていれば乗馬のスキルが生えるんだろうけれど今は無理です。


今回の乗馬旅で分かったことは街道沿いに簡易仕様だけどトイレが点在してるの!! 街道で野糞をされても困るので、便槽に赤スライムを入れたトイレを設置しているんだって。時々使ってあげないと赤スライムが餓死しちゃうから、旅人も積極的に用を足す。ついでに赤スライムの安否確認もする。トイレの無い場所に長距離移動するときは専用の(かめ)に赤スライムを入れて持って歩くそうなので、それを考えたらトイレが設置されているのは便利で安心だ。



申し訳ないけど小一時間ほど仮眠を取らせてもらうことにした。ワギュが膝をついて座り込み、俺を寄り掛からせてくれる。程よい暖かさが眠りを誘う。


………目覚めたら腿の上に【紫萌肥しアルファー・アルファー】が盛り上げられてました。ラパンの仕業(差し入れ)かよ。




俺が仮眠している間、皆でトカゲやカエルを採取していた模様。残念ながら【粗相豆】は生えていなかったとか。


速歩(トロット)移動をし、昼前に休憩を取る。ポニー達には約束通り【食用マンドラゴラ】を渡す。折角なのでトカゲとカエルを湯がいて肉を解す。細切りキュウリを添えて食べラーを掛ければなんちゃって棒々鶏の出来上がり。胡桃ダレか胡麻ダレが欲しかった。少し硬くなった大麦パンと一緒に食べることに。



「これは美味いな。酒が欲しくなる」


「これ、チーズを足してサンドイッチにしたら売れると思う」


「そこに甘酢で和えた芋麺を添えてもいいとは思うんですけどね」


「エールが飲みたいのう」



全員で乗ってるポニーにサッとブラッシングをし、十分に水を飲ませてやったら出発だ。何となく風が強まり空気が湿ってきている感じがするので夜半から天気は荒れるに違いない。


「ここから先はトイレ休憩以外ノンストップで行こう」


下手に休んで雨に降られるのも嫌なので強行軍で。【運魔(ウマ)】任せの気持ち早めの速歩(トロット)になるハズなのでワギュにしっかり『襷着る(タスキル)』してもらう。『ビレッジアップ』に到着する頃にはスキルが生えてくれてたら嬉しいんだけどねぇ。



「ミーシャ、もう少し頑張れよ。さっき適当な石を拾っておいたから、『ビレッジアップ』に着いたら “ 遊べる ” ぞ」


「リンド=バーグさん、本当ですか!?」


「本当に “ 適当 ” な石だぞ」


「でもリンド=バーグさん推薦ですよね?」


「いや…、ほら、適当に拾った中にアタリが有ったら面白いってだけだからな。多分、適当な岩石とか砂利石だ」


「ドワーフの通る街道には何が落ちてるか分からないからねぇ」


「ピンキリじゃな。街道を徘徊して面白いものが落ちてないかを探す専門の者(世捨てドワーフ)もおるくらいじゃしのう」


「ボク、頑張ります。急ぎましょう!!」




現金な奴め…と笑われた。そこに鉱石(いし)があるんだから仕方ないんだよ。



「ところでミーシャ、価値の無い鉱石(いし)が沢山集まったら何に利用する?」


「そうですね…磨いて角を取った玉砂利を防犯用として住居(いえ)の周囲に敷き詰めるとか考えましたが、隠密系スキル持ちとか斥候・盗賊系の職業相手には効果が無さそうだし……」


「確かにほぼ無効化されるが、嫌がられるのは間違いないな。全員がスキル持ちでもないし」


「なので、足ツボマットでも作ろうかと」



そう、バラエティー番組の罰ゲーム御用達グッズです。



「足ツボマットとはなんじゃ?」



足ツボマット、異世界には当然ながら存在してなかった。



「足裏には健康に良いツボ、あ、ツボというのは刺激するべき場所のことで、それを効率よく刺激する為に様々な形状の石を散りばめたマットが有ればいいなぁ…って」



足ツボマット、本来は健康増進・健康促進が目的のハズです。



「ミーシャ、宿酔いに効くツボも有るの?」


「ボクは把握してないですが、多分あります」



ホーク=エーツさんが食いついてきたぞ。登録とか販売とかが目的じゃなく、絶対に私用目的だな。


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