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21 結合
和歌山県上空。
銀色の六枚翼の特務爆撃機は高度一万二千メートルをゆっくりと進んでいた。妙に寒いそのコクピットの中、計器がまたたく。
PCOのクジからの命が届く。パイロットはうなずくと、いくつかの操作突起を引いた。
出刃包丁で裂かれたかのように爆撃機の腹が開いた。搭載された4フレーズ・スーパー・ウエポンが陽光を浴びてぎらりと光った。
爆薬の発展や、生物化学兵器の登場とともに、爆弾の大きさが威力を示す時代は終わっていたが、それでも、この爆弾の大きさは異常だった。
手のひらに乗る大きさのガラスの球がそれだ。
だが、これから起こさねばならない破壊には、十分過ぎる威力を発揮するだろう。パイロットは爆撃予定地点に向け、ゆっくりと機を降下させていく。